プロローグ
鬱蒼と茂る森の中におれはいた。
木々の隙間から溢れる陽光が暖かい……今日はお昼寝でもしてしまおうか。
おれは手頃な木を見つけ、背を付ける。このまま目を閉じて意識は微睡みに落ちてゆく…。
「先生!!助けてくださ~い!!」
目が覚めた。
おれは声のする方に目を向けると
「グォォオォオォオオー!」
「ひぃぃぃいー」
あれは自称おれの弟子。最近拾ってきた少年で名前は……
「無理無理無理無理!死ぬぅぅうう!」
おや、このままでは追い付かれて本当に死にそうだ。しかしあいつも運がない。この森で一番手強いって聞くフォレストグリズリーを引き当てるとは…。適当なウサギでも倒せればそれでよかったんだがな。
ふふふ……昼寝の邪魔をされたことはこの際大目に見よう。
死にかけてる今の状況をなんとかしたらおれの力にいつもよりもっと刮目しそうだな。
「しょうがないですね。私の力の一端を見せつけてあげましょう。」
おれはその少年とフォレストグリズリーの間に立ち
「えい」
風魔法でフォレストグリズリーの首を刎ねる。
なんてことはない、ただの作業だ。それだけで4m近い緑の熊は沈む。
さて、自称おれの弟子はどんな反応を見せてくれるかな?
「死ぬかと思ったぁぁぁ~~。」
息を乱しながら地面に寝転がっている。
「そんなところで寝転がると服が汚れますよ?」
「すいません。もう少しだけ休ませてください。」
「ところで私の魔法はどうでした?」
「逃げるのに夢中で全く見てませんでした。」
む!あまり面白くない反応。もっとおれを褒め称えろ。奉れ。
「そうですか。では一休みしたら、フォレストグリズリー二体と鬼ごっこでもさせましょうか。」
「無理ですよ!!一体だけでもこの様なのに二体とか来たら一瞬で死にます!!」
「ならきちんと私の魔法を見ることです。ちゃんと見ないと強くなれませんよ。」
「わかりました~~。」
これはおれと自称弟子の物語。おれはこのTSエルフ生で培った力をこいつに見せつけて気持ちよくなるのだ。
感想くれたらやる気がでます。