ボランティアをしてみよう!(1)
「美少女と一緒に登校とはいいご身分ではないか」
「ええ、そうですね」
「私はヤンデレというものを更生しろと言ったが何も恋仲になれとは言ってないぞ?」
夕日が眩しい教室、博己は黒髪ストレートがキラキラとなびく幼女先生リンカに博己は今までのご報告をしていた。
と言っても博己は優子と付き合っていない。
何故こんな事を言われているのかというと、博己達の通うの学校は部活ごとに朝の校門に立ち挨拶するという訳のわからん習慣がある、そして今日優子が博己の家に泊まった翌日の挨拶の当番がリンカ先生率いる茶道部だ。
そして、二人仲良く登校して来た俺たちを見つけ、リンカ先生は何故かご立腹である。
「全く!何故お前はあの危険人物と付き合うのだ!」
「いえ、付き合ってませんし、会わせたの先生ですよね?」
「うるさい!不純異性交友は禁止だ!今私が勝手に決めた!」
「いやだからしてません」
「黙れ!お前のことは私が一番に目をつけたんだぞ!」
「なんの話をしているんですか!?」
話が通じない先生を博己は必死に宥めようとしたり、取り押さえる。
この光景を見たら絶対に博己が捕まり、人生終了だろう。
そして、博己に取り押さえられたリンカは顔を赤くし、おほんとわざとらしく咳をした。
(本当は嫌々紹介したが、まさかこんな事になるとは…教師という立ち位置が恨めしいな…)
リンカは目を細め、この緊急事態をどうするか考える。
確かに、優子と博己が仲が良くても何も問題は無い、むしろ健康的な高校生だろう。
しかし、リンカと博己が仲良かったら何故か懐疑的な目で見られる。
(本当にどうしよう…)
先生と生徒、確かに憧れるシュチュエーションではあるが現実ではそうはいかないだろう。
リンカが警察のお世話になるだけだ。
しかし、卒業まで待っていたら絶対に優子に持っていかれる、リンカは顔をしかめるた。
リンカは考える、先生と生徒の繋がり以外に何か親密になれる方法はあるかと。
こうして一つの考えが頭をよぎった。
「しかし、もうすぐしたら春分祭だな」
「そうですね」
博己とリンカは席に座りなおし言う。
そう春分祭、この高校では学校行事の祭というのが二つある。
春に開催される春分祭、そして秋に開催される文化祭。
この高校は祭り事が多いのでも有名でそれ目当てで入学してくる生徒も一定数いる。
博己は家が近かっただけではあるが、まあまあ楽しみにしていた。
そしてリンカはその春分祭の中であるボランティアの責任者として手伝いをする事になったのだ。
「どうだ?一緒に風紀委員会のボランティアに参加しないか?」
「……正直めんどくさいですが、世話になってますしね」
風紀委員会のボランティア、それは校内で不純な行為をしている者や喧嘩などの問題を解決する仕事だ。
正直言って博己はめんどくさいの一言に限るが、風紀委員会には少なからずお世話になっており知り合いもいるので仕方なく手伝う事になった。
「うむうむ!じゃあ早速手続きをしてくるな!」
上機嫌でリンカは教室を出て風紀委員会の部室へ足を運ぶのであった。
「……優子のことはどうするかね」
博己は頭を掻きながら今後の事を思案する。
問題だけは勘弁してくれよ、と思うのであった。
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ヤンデレという属性恐るべし…