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ヤンデレを更生させよう!  作者: へんなひと
8/12

ヤンデレをもう一回体験してみよう!(3)

 二人はリビングで睨み合うように座っていた。

 まるでリビング一帯がなんらかの魔界の様相を醸し出す。

 発信源はもちろんの如くヤンデレ、今日は博己の家に優子がなぜか泊まりにくるというイベントなのだが、姉たる静香がそれを許すはずがない。

 二人は目に光が無い状態で睨み合って無言のまま二時間が経過しようとしていた。

 いつまでこれは続くのだろうと博己はお茶を啜りながら思う。


 明日も学校なのだから早めに支度したいし、優子のためにも部屋を用意して寝かさないといけないのだ。

 時計を見ると、もう午後11時。

 風呂に入り、寝る準備をしてもいいのだが、二人は全く微動だにしない。


 呆れた博己がようやく口を開く。


「なあ、いつまでそうしているつもりだ?」

「…」

「…」


 二人からの返事はなく、ただただ何かを見定めるかのようにお互い睨み合っている。


「俺もう風呂入るからな」

「…お風呂?」

「じゃあ私も一緒に入ろっかなー?」


 ようやく口を開いたと思えば静香の悪い表情が博己の目に入った。

 なぜそこまで優子を目の敵にするのだろうかと博己は困惑する。

 まあまあの朴念仁だというしか無い。


「……姉さん、それは無い」

「えー!前も一緒に入ってたじゃん!」

「おい!それは姉さんが勝手に入って来たからだろ!?」

「…………は?博己くん?その話もっと詳しく教えてくれませんか?なぜ、実の姉弟でお風呂に?なぜ?博己くんはそこまでのシスコンなのですか?それなら私も考えがあります、今この場でカッターを持ち出しましょうか?」

「何言ってんのかしら?そんな狼藉私が許すわけないでしょ?いい加減にしてくれる?貴方部外者の分際で何、人の家庭に首を突っ込んでるの?私と博己ちゃんは昔っから一緒にお風呂にはいってるの」

「そうだとしても……」


 博己はこの隙に入ろうと決意した。


 ◇


「おーい出たぞー」

「へ?」

「あ」


 どうやらまだ二人は口論をしていたようで、二人とも汗が少し吹き出ている。


「早く入って来な」

「「ちっ」」


 悔しそうに二人は舌打ちをした。

 そして渋々と風呂に入って出て来たのだが…


「おい、下着だけでリビングをうろつくな姉さん」

「えーいいじゃん!」


 よくねーよ、と博己は心の中で思う。

 いや実の姉弟ではあるが、静香はかなりの美人でありスタイルも抜群。

 思春期の男子としては複雑な感情になるのである。

 とはいえ、今日もエロい体してるなーとしか思わないだが…。

 そして、静香が出てきた後、事件が起こった。


「お風呂ありがとうございます」


 と、優子が出てきたのだが…。


「うわあああああああ!」


 優子も静香と同じ下着姿で出てきたのである。

 これには博己も酷く狼狽する。


 これはアウトだあああ!


 心の中で叫びながら、さっきチラリと見えてしまった優子の体を思い出す。

 そこには、白い肌に、しなやかな髪が肌にピタリとくっつき、それに白い肌に反して黒い下着を着用、それはまだ幼さが残る顔立ちからは想像がつかないギャップのセクシーな下着。


 リビングが静香の騒がしい声が聞こえるが、博己はそれどころではない。

 一つー本当に心から思うのは…。


 優子っておっぱい結構デカいんだな。


 そう、最低な事を思っていた。


 ◇


 そして、博己はリビングのソファでゆったりと一人の時間を過ごす。

 それはなぜかと言うと、優子に一緒に寝ようと誘われたが静香が断固拒否、俺も貞操が危ないので却下した。

 次に姉の静香、こっちは何故か静香も機嫌が悪いので触らぬ神に祟りなし、しかも高校生男子ともあろう者が姉と一緒に寝るという苦行の耐えれるかといえばノーでこっちも却下して、結局リビングのソファに落ち着いたと言うわけだ。


 今、優子は姉の部屋で姉と一緒に寝ている。

 優子が部屋に入った瞬間、「うわぁ」と溜息が漏れたのを一階にいた博己は聞いていた。


 何があったんだろうか、と博己は思う。

 静香の部屋の惨状は博己は知らない。

 前に、掃除をしようと部屋に入ろうとしたが、静香に凄い剣幕で「いいよ!?大丈夫だからね!?」と酷く拒否されたことがある。

 まあ、博己が静香の部屋の惨状を知ったときなんかはドン引き必須だろう。


 ◇


 博己が一階で寝ている時の二階の様子…それは地獄の表層を表しているのかと思ったがそうではなかった。


「でねーその時博己ちゃんがねー」

「ふふ、そうなんですか」


 二人が仲良く話しているのが不思議に思うが、二人は意気投合したのだ。

 まあ、想い人が一緒な時点で普通の女同士であればすごく仲が悪くはなるだろう。

 しかし、それ抜きで二人の性格や趣味が一致していたのであり、ポツリポツリと話していくうちに仲良くなってしまったのだ。


「でねーこれが博己ちゃんの幼稚園の頃の写真なんだけど…」

「うわぁすごく可愛らしいですねー」


 静香が壁に貼られた博己の写真を指差して優子が喜ぶ。

 側から見れば恐ろしい光景ではある。


「あはは…さてこうやって意外と仲良くなっちゃった訳だけど…」


 静香が声を1オクターブ下げ話す。


「それとこれとは別だからね?優子ちゃん?」

「ええ、なんなら今殺しましょうか?」


 二人とも目に光が消える。

 好きな人には容赦はしない。

 そんな心意気が二人とも体の外に溢れ出るようだ。


「まあ、こんなこと言っても仕方がないからもう寝よう?」

「ええそうですね」


 そういうと二人は眠りに落ちた。


 ◇


「それじゃ優子ちゃん、また来てね」

「ええ、今度は遊びに来ます」


 いつのまにか仲良くなっている二人に困惑する博己。

 なにか裏があるのではないのか、と勘繰るのも仕方がない…。


「あはは」

「ふふふ」


 二人が笑いあってる。

 なんか怖い…。


 と、博己は朝から気分が落ちるのを感じたのであった。


少しでも面白いと思っていただければ、ブクマや評価などしていただけると幸いです。

誤字などありましたら是非教えてください。


いや、三日も開けちゃってスマソ…


評価やブクマありがとうございます!結構拙い妄想をつらつらと書いているのですが、お楽しみいただけているのであれば幸いです。

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