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素朴な男女の交わり

 それは約一年前のことである。松田は熱海のある旅館の客室にあった。彼は座布団に座し、茶をすすっている。傍らには松田が深く愛する雪子がいた。

 少女の頬はほんのりと赤い。彼女は青年の左手を握り、じっと彼の大きな顔を見つめている。

 松田は鈍い男であったが、流石に少女が何を望んでいるかが分かっていた。しかしそれの実行の決心が付かずにいた。

 こういった場合、男が先に行動せねばならない。故に雪子は松田が自分を抱き寄せるのをじっと待った。が、このままでは体を重ねることなく夜が明けてしまうのではないかと思われたので、彼女はその細い二つの腕で青年の腕を抱き締めた。

 これによって松田は漸く心を決めたらしく、静かに湯呑みを目の前の卓袱台に置き、雪子を押し倒した。

 月光が二人を照らし、外では桜が散っている。

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