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夏生詩集3

結婚記念日

作者: 夏生

結婚記念日は

一月何日だったか


ゆるやかな

穏やかな時間が

二人の間に流れたとき

結婚記念日は

一月何日だったか

の、話になった


父は忘れたと言い

母は自分の誕生日だった

はず、と


調べようと思えば

調べられた

ちょっと手間をかければ

わかったこと


二人は何もせず

結婚記念日をふわりと

浮かべて軽く分かち合うと

話は目先のことへ流れていった


幾度も繰り返した

ひとときは

母が旅立つとプツリと

途絶えた


遺品整理で見つけた

結婚指輪に

しっかりと刻まれた

月日に

父は苦笑い浮かべた


母の誕生日ではなく

四十年前

二人が出会った日だった

母の遺影に目をやった


ゆるやかな

穏やかな時間は

二人の間に寄り添うように

流れていた






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― 新着の感想 ―
[良い点] とても、やわらかい詩を お書きになられるのですね。 なんだか、ゆっくりと 深く呼吸をしたくなりました。 [一言] はじめまして 謎猫と申します。 実は・・・ まだ感想を送るのには …
[一言] 読後に残る少し切ない感じがよかったです。
2016/06/19 13:51 退会済み
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