おっさんとじいさんと美人と
俺はおっさんに連れられ、城に案内された。
まず、一番偉そうな爺さんと会った。
「お主が召喚されたという少年か、儂はムルグじゃ。よろしく頼むぞ」
「マモルだ。こちらこそ、よろしく頼む。」
何をよろしくすればいいのかわからんが、とりあえずよろしく頼んでおく。
次に、爺さんの補佐と思しき赤い髪の女性から自己紹介を受ける。ちなみにいうとナイスバディだ。
「ルーザと言います。分からないことなどがあれば、後で私に聞いてくださいね」
物腰が柔らかい人だ。多分、怒らせるとすごく怖い。とりあえず俺も挨拶を返す。
「やらしくお願いします」
おっと噛んでしまった。断じてわざとではない。
「失礼、よろしくお願いします。」
その後、俺の処遇についての話になった。基本的にはこの城に、正しくは魔法学院に在籍させてもらうという事だった。
そして、望むなら魔物の討伐などに向けての訓練などにも参加させてもらえてある程度経験を積んだなら実力に見合う程度の魔物なら戦闘させてもらえるらしい。
もちろん俺の答えは
「是非とも魔物の討伐訓練に参加させて頂きたい!」
だった。
そして、編入手続きなどが終わった後、俺と同じ境遇の人間の話をされた。
年齢は俺より少し高いらしく、皆からはこう呼ばれているらしい
「勇者」と。
話が終わった後寮の説明を受け、寮の部屋まで案内をされた。
「これがお前さんの部屋の鍵がわりになる、あんま無くすんじゃねえぞ?」
そう言って差し出されたのは学生証のようなものだった。これをドアの隣のスキャナに通し、ロックを解除するのだという。
ドアはオートロックらしいので部屋の中に起き忘れて閉め出されないようにしなければ。
そして、部屋の中に入りグレイブを見やる。
鋭い切っ先は妖しく煌き、見る物を虜にする芸術性があった。
グレイブを部屋に備え付けられているラックに立て掛けると、背後から声が聞こえた気がした。
とりあえず寝床の確認をしているとまた声が聞こえた気がしたが、多分俺の内なる欲望が脳に働きかけているんだろうと思い別の作業を始める。
そして一通り荷物(売店で一揃いもらって来た)を片して武器の手入れでもしようと後ろを振り向くと、涙目の幼女が鼻を啜っていた。
とりあえず今日の更新はここまで。