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鉄の果実と躍る月  作者: 水橋すばる
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一部表現の中にそういった描写も出てくる予定があるのでR15のタグを付けさせて頂きましたが、誰でも気軽に読める内容になっております。おそらくですが。


さて、前書きというのは何を書けばいいのでしょうと前書きに書くのは「人とは何だろう」というテーマに基づいた哲学のようでただの馬鹿丸出しなのですが、二万字以内ってそんなに書くことありますかね。あまり長すぎても読むの面倒じゃないですか? 説明書とか読むの億劫なタイプなんですよね。ゲームの説明書はわくわくしながら読めたのですが、最近はもうすべてが電子の海に潜れば解決ですよ。


ただまぁいつまでもカナヅチである事を認めず砂浜大好きアピールしていてもしょうがないと重い腰を上げたにもかかわらずケツを床に着けてこれを書いているという矛盾の権化がこの度小説家になろう様にて投稿させて頂きます作品『鉄の果実と躍る月』。


どんなストーリーなのかはプロローグをご覧頂くとして。更新は不定期となっております。というのも遅筆なことで私の中で有名な私が書いておりますので、その辺りはご愛嬌ということで赦してもらえませんよね。できる限り早く更新できるよう善処します。


この場ってこんな軽口を叩くところなのでしょうかね。まぁシリアスはストーリーにお任せします。お任せしても書くの私なのですが。困ったものです。


※そろそろ真面目に書きますと、いわゆるスチームパンクというものを目指してできたのがこの物語となっております。だからといって中世ヨーロッパが舞台というわけではないのですが、それはファンタジーですので。それから上述した通り、R15タグは念のため付けているというだけです。


※ダーク、ファンタジーとタグに付けている通り、必ずしもすべてがハッピーエンドで収束するような物語ではございません。ダークファンタジーですので。ブラックコメディと銘打った方が正しい気もしますが気がするだけでしょう。


※鉄道というタグはあくまで舞台の中心となるのが駅というだけでその点において詳しい描写があるわけではございません。ご理解の程よろしくお願いいたします。


こんなところですかね。書き加えることがあればまた足していきます。もっとも機能的にできるんですかね。できればいいな。


では、貴方の暇潰しになることを願いまして。『鉄の果実と躍る月』をお楽しみ頂ければ幸いです。

 そのとき、私は酷く泣いていたと思う。家族で旅行に来ていたのだが、鉄臭い駅の中でいつの間にか私は迷子になっていた。道行く人はせわしなく往来しており、誰もがこちらには一切気づいていないようで私だけどこか違う世界に迷い込んでしまったのではないかと錯覚したことをよく覚えている。


 込み上げてくる不安に押し潰されてその場に座り込み泣きじゃくっていると、一人の老人が私に笑顔を向けて手を差し伸べた。その笑みはしわでくしゃくしゃだったが奥に光る瞳は雲間から見える太陽のようで、涙を涸らすには十分なほど眩しく輝いていた。


 話を聞くとどうやら老人は車掌しゃしょうらしく、ここで立ち止まっているのは危ないからと駅員の休憩室きゅうけいしつへと連れて行ってくれた。その後、迷子のアナウンスで私が休憩室にいるからむかえに来てほしいというむねを知らせてくれたのだが、さすがに少し恥ずかしく別の涙を流しそうになった。


 しかし、その恥ずかしさは次第に不安へと変わった。時間にしてわずか数分といったところだろうが、その時の長さは私にとって永遠に等しいものだった。休憩室には簡易的な給湯設備が備えらえれており老人は湯を沸かしていたのだが、落ち着かない様子の私に気づいた老人はやかんを見ながら様々な話を聞かせてくれた。


 博識な老人で様々な分野に精通しており、文学、哲学、心理学といった小難しい話からこの辺りで人気の喫茶店や雑貨店など内容は多岐に渡った。湯が沸いてからはアイスティーとお茶請けにドライフルーツをふんだんに使ったパウンドケーキを用意してくれ、また違う話を聞かせてくれた。


 今でも鮮明に覚えている話もいくつかある。その一つは怪談というより童話に近しいものだったが、当時年端もいかない少女だった私は老人が語ったどの話よりも興味深いもので抱えていた不安はどこへやら、紅茶とお菓子に舌鼓を打ちつつ話に聞き入っていた。


「夜中に外へ出てはいけないよ。もしも何かの用事ができて夜中に外に出なくてはいけなくなったら夜の闇に紛れられる黒い服を身に纏い、肌を見せてはいけないよ。この辺りは夜になると恐ろしい怪物がどこからかやってくるんだ。

 もしも怪物に見つかってしまったときはすぐにどこかの家に入るか、呪文を唱えるんだ。「ハルニレ泣いて男が笑う。ほら見ろすぐそこその影だ。」そうすれば怪物が襲ってくることはない。でも、怪物がこちらを見ている間は唱え続けなくては駄目だよ。そうしないと食べられてしまうからね。

 怪物に狙われて行く場所に困ったときはここまでおいで。ここはいつでも開いているからね。働いている人がどこかにいるはずだから、きっと助けてくれるよ。

 呪文はこの紙に書いておくから持っておくといい。肌身離さず持ち歩いておくんだよ。君が夜中に外へ出ることがなければ何の意味もないことだけれど、だからこそ忘れないよう持っておくんだ。いつでも思い出せるようにね」


 両親が迎えに来たときにはすっかり笑顔でお菓子を頬張っていた。それから旅行は何のアクシデントもなく、両親に老人から聞いた街の名物や老舗しにせを案内してもらい親子共々充実した旅をすることができた。帰る際、世話になった彼に挨拶しようと思ったのだが、その日はあいにく非番だったそうで別れを告げられなかったことは心残りだが。


 帰宅後、老人から渡された紙は呪文が書いてある部分だけを切り取りラミネート加工して栞にした。彼の話を聞いてからというもの、人の話を聞くことや本を読むこと、自分の知らない世界の一端に触れることが好きになった。知識を深める楽しさというものに気づいてそればかりに没頭した。幸い母が学校で子どもたちに言葉を教える仕事をしているため教材に使われる本に限定すれば読む本に困ることはなく、毎日暇さえあれば本を読み耽っていた。


 それから数ヶ月、それはもうたくさんの本を読んだ。同年代の子どもと比べたら語彙力で負けることはまずないだろう。代償として視力が少し悪くなり、眼鏡をかけるようになったが、両親ともに眼鏡をかけているためか少しだけ大人らしくなったような気がして起きている間はいつもかけていた。


 幸せな日々だった。父も母も仕事で忙しい身で一人でいることが多かったとはいえ、夕餉ゆうげ支度したくを済ませて両親の帰りを待っていればうんと褒められ、口に入れるたびに「おいしい、おいしい」と言ってくれた。掃除をしたら「まるで新居のようだ!」と絶賛。たまに家族で過ごすときは存分に構ってくれた。


 だからこそ、失ったときの絶望は胸に大きな風穴を開けたかのように心を深く深くえぐった。無差別殺人だそうだ。犯人はすぐに取り押さえられたと警察が家に来て教えてくれたが、そんなことはどうでもいい。父と母は姿を金銭に変えて戻ってきた。彼らの遺産だそうだ。なぜ私の両親なのか。なぜ他の誰かじゃなかったのか。なぜ私を連れて逝かせてくれなかったのか。


 しばらく遺産目当ての隣人の家に厄介になったが、いつまでも情緒不安定な私に嫌気が差したのか怒鳴り散らしては殴る蹴るなど暴行を受け、ついには金を無理矢理奪おうとした。両親の形見なので何とか守りきったが、抵抗する私をそのまま家に置いてくれるはずがなかった。


 もともと住んでいた家は元養父、つまり隣人にすでに土地ごと売却されており、その金は私に一銭も入ることなく彼の懐を潤した。行くあてのない私はふと両親のことを思い出す。楽しかったかと聞かれればもちろん楽しかった。でもこんなに早く離別してしまうのなら、もっと一緒にいたかった。ずっと一緒にいたかった。


 隣人の家を去った後、彼が私に関して何かあることないこと言いまわったようで、あっという間に私の居場所はなくなった。学校にはせきがあったが、行く気も起きず行ったところで仲良くしていた生徒からですら無視され、先生からは引越し先の提案をされる始末だ。いったい元義父が何を言ったのか知る由もないが、私はこの街に居てはいけないのだということは理解した。


 どうにか義父から守り抜いた両親の遺産が手元にあるためしばらく生活するだけの資金はあるが、これからどうしたものかと地元の駅に着いて考える。地元から離れると決めたまではいいものの具体的にどこに行くかはまだ決めていなかった。ふと、何も持たずに旅をする青年の話を思いだし、なんだか今の自分が物語の主人公になったようで口元が緩んだ。


 移り変わる景色を無心で眺めながら揺られ続けて二時間強、景色が静止したところで私は列車を降りた。ホームに足を着けると臭いくらいの強い鉄の匂い、そして温かい笑顔を浮かべるあの老人が出迎えてくれた。ここは半年前に両親と旅行したあの街だ。何故この街に来たのかというと、地元以外の場所で両親との思い出が一番強く残っているからだ。それほど時間が経っていないのに酷く懐かしく感じられて両親との思い出や老人と食べたお菓子の味が鮮明にフラッシュバックし、思わずつーっと涙が零れ落ち、堰を切ったようにとめどなく溢れた。


 また駅員の休憩室にお世話になるとは思わなかった。いや、列車を降りた途端に泣き出す子どもがいれば当たり前の対応だろう。勧められるまま椅子に掛け、誰かが使っていたのかすでに淹れてあった紅茶の香りが鼻孔をくすぐり、老人は同じものを私に淹れてくれた。湯は少し温くなっていたが、それがじんわりと体に染み渡り心を落ち着かせた。一口飲んで落ち着いたところで彼に事情を説明すると、彼は思案顔で「ここで待っていなさい」と言い、金色の包装紙に包まれた板チョコを私に渡して休憩室から出て行った。


 知らない場所というわけではないが一人でいるのはどうも落ち着かず、紅茶をちびちびと、できるだけカップからなくならないように飲む。そうでもしないとあまりにも手持無沙汰で困った。時折チョコをかじりながら紅茶を飲んでいるとこの組み合わせが意外と合うことを知った。市販のあまり甘さを感じないむしろ苦味の強いチョコだったが、ふんわりと柑橘系の香りを漂わせる紅茶が気品高いものに仕上げていた。


 意外な組み合わせに感動を覚えていると老人が戻ってきた。彼は胸ポケットにしまっていたパイプとマッチを取り出すとおもむろに火をつけ一服した後、優しい声音でこう告げた。


「これからどうするのかい? もし行くあてがないのなら私の家に来るといい。君と同じ年頃の孫がいてね、きっと仲良くなれると思うよ」

「……いいの?」

「あぁ、構わないよ。もっとも条件があるがね」

「条件……」

「そう。私の後を継いで車掌となること。約束できるかい?」


 もともとここに来たのは良いものの、これからどうするかはこれから考えるところだった私にとってこの話は渡りに船だ。老人の申し出に首肯すると、彼も優しく頷く。


「ええと、たしか桃李とうりだったね。私は仙梨。よろしく」


 老人の言葉に私は目を丸くする。たしかに以前迷子になったときに名乗ったが、まさか半年も前に一度会っただけの子どもの名前を覚えているとは思わなかった。


 改めて名乗り挨拶を済ませると仙梨は私を家まで案内してくれた。駅から歩いて二十分ほどの位置に建つ家は木造の二階建てで正面には喫茶店がある。駅の休憩室に置いてある茶葉はここで購入している彼の私物だそうだ。中に入るとまずリビング、左手にはアイランドキッチン。奥には階段と廊下が見える。廊下の方には彼の部屋とトイレと風呂場があるそうだ。二階には物置と化した空き部屋が二つと彼の孫の部屋がある。好きな方を使っていいと言われたが、どちらも造りは変わらないのでなんとなく奥にある方を選んだ。


 あらかた部屋を掃除し終えると、張りつめていた緊張感が一気に弛緩し疲れと眠気がぐっと押し寄せてきた。まだ窓から夕陽が差し込んでいるが、意識が朦朧としだす。慣れない環境で疲れが思っていたよりも溜まっていたのだろう。仙梨は部屋にベッドを運ぶとすぐにベッドメイクを済ませ、私を運んで寝かせてくれた。


 目が覚めるとまだ夜中。寝ぼけ眼で窓を見やれば大きな満月が蒸気に揺られて躍っているように見えた。明日からはきっと良い一日になるだろうと私はその幻想的な光を目に焼き付けて目を瞑る。涙で溺れる悲劇の少女の物語はここでおしまい。夢へと誘われる直前にふと、そんな台詞を思いついて口角を吊り上げた。

この度『鉄の果実と躍る月』を読んでくださってありがとうございます。水橋すばると申します。名前だけでも覚えてもらえたらいいなぁ。


前書きのようにまだるっこしいことを書くのもくどいので、さっそく本題に入ります。


設定など分かりづらい、分からない、なんで生きてるの? などなど聞きたいことがありましたら随時質問を受け付けております。できる限り褒め称えられたい人間なのであまり辛辣なこと言われても興奮しません。


では眠いのでこの辺で締めましょうかね。この度は数多くの作品の中から拙著を眼中に入れてくださったこと、本当にありがとうございました。どうかこれからもよろしくお願い致します。


……あとがきって先に読む方もいますよね。私がそうです。

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