表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

BLT

作者: 化学反応

「ただいまー!」

「ただいま」


 勢い良く玄関のドアが開き、2人の高校生が入ってきた。一方は真っ先に台所へ向かい、もう一方は家で待つもう一人の住人に出迎えられていた。


「お帰り、よーちゃん」

「ただいま」


 ここはシェアハウスとは少し違う。かと言って居候というわけでもない。はたまた、兄弟というわけでもない。

 よーちゃんと呼ばれた高校生の葉汰(ようた)は、出迎えたもう一人の住人、(こん)の頬に軽くキスをする。

 琿は少し照れたのだが、もともと無愛想なため表情では分かりにくい。


 葉汰はリビングのソファーに座りテレビを付けた。しかし、結局読みかけのマンガが気になり、テーブルの上の本に手を伸ばす。


 が、やめた。


「どうしたの? 琿、何かあった?」


 背もたれと葉汰の背中の間に入り込んだ琿は、後ろから葉汰を抱え込む形で座った。


「よーちゃん、あったかい」


 そんな彼らを発見したもう片方の高校生、(みのり)は頬張っていたドーナツを口に押し込み、牛乳で一気に流し込んだ。そして、


「葉汰はいつも琿ばっかり! 僕も入れてよ!」


 片頬を膨らませて拗ねた実は、まるで小学生の様に幼く見える。


「じゃ、実はどこに入る?」

「琿と葉汰の間」


 即答だった。

 それに対し、


「ここは俺の場所」


 琿は葉汰のお腹に回していた腕に少しだけ力を込め、ギュッと抱きついた。


「みのりんは別の所にして」


 当の葉汰は、そんなやりとりが面白くて笑っている。


「んじゃ、実。こっちおいで」


 葉汰は自分の膝を軽く叩いて実を呼ぶ。


「ん」


 実はぶすくれたまま軽く頷き、向かい合わせで葉汰の膝の上に座った。


 『家でも僕に構ってくれる』


 その気持ち(喜び)は誰にも言わない。


 『家では俺だけに構ってほしい』


 そう思ってしまった琿もまた、その気持ち(嫉妬)は誰にも言わないのだった。



挿絵(By みてみん)



コンビニで買い物してた時に、

「BLTサンドって何かエロいよね……」

と言う冬真との会話からできた短編です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ