第7章:闇を照らす「名刺」の輝き —— 隣国のスパイ、光に還る
プロット自体変わってきたので少し変えて新たな登場人物を出してみました。お楽しみ下さい┏○ペコッ
第7章:闇を照らす「名刺」の輝き —— 隣国のスパイ、光に還る
王都グラン・セプタムは今、未曾有の「好景気」と「平穏」に包まれていた。
盆ちゃんが修繕した城門をくぐるだけで病が治り、彼が「草むしり」をした広場で深呼吸すれば魔力が溢れ出す。もはやこの街は、都市という名の**「巨大な聖域」**と化していた。
しかし、その異常事態を「宣戦布告」と受け取った国があった。軍事大国ヴェルギア帝国。
彼らは、王都の変貌の核心を探るべく、帝国最強の間諜を送り込んだ。
【新たな登場人物:帝国の影、ゾフ】
「ふん……。鉄壁の要塞だと? 笑わせる。影に溶け、音を消す我が『隠遁術』の前に、防げぬ門など存在せん」
帝国のエーススパイ、ゾフは、漆黒の装束に身を包み、夜の闇に紛れて盆ちゃんの自宅(兼・盆栽工房)へと侵入した。彼の目的は、王都を改造した謎の男「盆栽」の暗殺、もしくは拉致である。
(主よ。屋根の上に、殺気漏れまくりの不審者がいるぞ。……放っておいてもいいが、あのアホ面、貴方の『お土産用名刺』を直視して失明しなきゃいいんだがな)
ポチは縁側で丸まりながら、半眼で屋根の上を見上げた。
「おや、こんな夜更けにお客様ですか。ポチ、お茶の準備を。……あぁ、お客様。屋根の上は足場が不安定ですから、どうぞ中へ。夜露で風邪を召されますよ」
「……なっ!?」
ゾフは戦慄した。完璧な隠遁術を見破られただけでなく、相手の気配が「一切感知できない」のだ。まるで、広大な宇宙そのものと会話しているかのような錯覚。
「……死ねぇ!」
ゾフは反射的に、呪毒を塗った投剣を放った。しかし、盆ちゃんはそれを、飛んできた蚊を追い払うかのような「丁寧な手つき」で、人差し指と中指で挟んで止めた。
「危ないですよ。刃物の取り扱いには、十分な安全管理が必要です。……まずは、ご挨拶が遅れましたね」
盆ちゃんは、例の**「新調した名刺」**を取り出した。
「私、こういう者でございます。夜分のご来訪、誠に痛み入ります」
カァァァァァァァッ!!
名刺が差し出された瞬間、室内は太陽が爆発したかのような聖なる光に包まれた。
ゾフの網膜に焼き付いたのは、名刺に刻まれた「宇宙の真理」と「神の慈愛」。
『システム・オプティマイザー:対象の「敵意」を検知』
『強制プロトコル:マインド・クレンジング(超・丁寧仕様)を実行。精神の汚れを5Sに基づき洗浄します』
「あ……あ……あああああ!! 眩しい! 世界が、世界が美しすぎる!!」
ゾフは崩れ落ちた。彼の脳内に、これまでの暗殺業という「不健全なキャリア」に対する深い反省と、盆ちゃんに対する「無限の忠誠心」が、ギガバイト単位で直接書き込まれたのである。
「……主。私は、私は今まで何を……。この汚れきった魂を、あなたの『丁寧な仕事』で磨き上げてください……!」
帝国最強のスパイは、その場で号泣しながら盆ちゃんに土下座した。
こうして、一人目の「一番弟子(兼・庭掃除係)」が誕生した。
【新たな登場人物:お転婆王女、フレア】
翌朝。盆ちゃんの家の前に、黄金の馬車が停まった。
現れたのは、この国の第一王女、フレア・グラン・セプタム。
「見つけたわ! 街をピカピカにして、名刺一枚で人を賢者に変えるっていう、噂の『盆栽卿』は貴方ね!」
彼女は冒険者ギルドで「聖女」化したアリシアを見て以来、盆ちゃんを自分の「専属家庭教師」にするべく、王宮を脱走してきたのだ。
「これはこれは、王女殿下。中途採用の私に、わざわざ本社……いえ、王宮から直々のご視察とは。恐縮でございます」
「堅苦しいのはナシよ! それより、その『名刺』を私にも頂戴! 私、それを持って隣国の王子との会談に行くんだから。名刺交換で相手を全員、私の信者にしちゃうんだから!」
(……主よ。この姫様、なかなかの野心家だな。だが、その名刺を王族同士で交換したら、大陸中の王族が悟りを開いて、世界から戦争が消える代わりに、全員が盆栽を愛でる『盆栽教』の信徒になっちまうぞ)
ポチの危惧を余所に、盆ちゃんは「予備がありますから、どうぞ」と、フレア王女に笑顔で名刺を差し出した。
「ありがとうございます。地域貢献と国際親善は、社会人の義務ですからね」
王都の、そして世界のパワーバランスが、盆ちゃんの「丁寧な名刺交換」によって、音を立てて(物理的に)崩壊し始めていた。
報告:第7章の「規格外な変貌」
1. スパイの「再就職」:【シャドウ・クリーナー】の誕生
帝国最強の刺客ゾフは、盆ちゃんの弟子となったことで、影に潜む力を使って「王都の隠れたゴミ(物理・精神両面)」を清掃する専門職へとジョブチェンジした。彼が通った後は、犯罪率が0.0001%になるという。
2. 外交の概念破壊:【名刺交換=即時講和】
フレア王女が盆ちゃんの名刺を手に入れたことで、今後の外交は「名刺を差し出した方が勝ち(というか相手が浄化される)」という、前代未聞の「名刺無双」時代へと突入することになる。




