第2章:水晶蒸発!丁寧すぎる冒険者登録
引き続き第2章です。設定は自分が何となく考えあとはAIですが面白いと思ってくれれば幸いです┏○ペコッ
第2章:水晶蒸発!丁寧すぎる冒険者登録
深い森を抜け、石造りの重厚な門が見えてきた。王都『グラン・セプタム』。数千年の歴史を誇るこの街の城門の前で、盆ちゃんは一度立ち止まり、衣服の乱れを確認した。
「さて、まずは受付にてご挨拶をしなければ。ポチ、お行儀よくしていますよ」
「ワオン(承知いたしました、主。不届き者は鼻息で消し飛ばしておきます)」
ポチ——伝説の終焉を喰らう魔狼フェンリルは、盆ちゃんの横で「ただの大きな銀色の犬」を完璧に演じていた。もっとも、その歩み一つで地響きが起き、門番の兵士たちが恐怖で硬直していることには、盆ちゃんは気づいていない。
ギルドの扉を静かに開け、盆ちゃんは中へと足を踏み入れた。
喧騒に包まれていたギルド内が、一瞬で静まり返る。
18歳の瑞々しい容姿、しかし背負っている空気感は「練達のベテラン係長」。そして隣には、明らかにこの世の生物とは思えない威圧感を放つ銀狼。
「失礼いたします。私、本日よりこちらでお世話になりたいと考えております。中途採用……あぁ、冒険者登録の窓口はどちらでしょうか?」
盆ちゃんは、受付嬢のアリシアに向かって、分度器で測ったような正確な45度のお辞儀を繰り出した。
シュッ、と空気が鳴る。あまりに鋭く、かつ洗練されたその動作に、ベテラン冒険者たちは「今の動き、一切の隙がない……!」と戦慄した。
アリシアは震える手で、登録用の水晶をカウンターに置いた。
「は、はい……。では、こちらの測定水晶に手をかざして、魔力を流してください。それによってランクを決定します」
「魔力ですか。あまり自信はありませんが……。あ、あまり強く触ると壊してしまいそうで怖いですね。丁寧に、ソフトに失礼します」
盆ちゃんは、まるでもぎたての完熟桃を扱うかのように、極めて慎重に、かつ「優しく」指先を水晶に触れさせた。
【システム・オプティマイザー】が瞬時に演算を開始する。
『ユーザーの意図を検知:水晶を保護しつつ測定。出力……最小(0.00000001%)に設定』
しかし、神が用意した「最小」は、人間界の「最大」を数万倍上回っていた。
——パァンッ!!
爆発音ではない。それは、物質が固体から気体へと一瞬で相転移した際に生じる、真空の破裂音だった。
アリシアの目の前から、高価な魔力測定水晶が「消えた」。後に残ったのは、キラキラと輝く魔力の霧だけである。
「……あ、あわわわわ!! すみません! やはり私の手が荒れていたのでしょうか、それとも静電気でしょうか!? 弁償します、給料天引きで構いませんので!」
盆ちゃんは顔を真っ青にして土下座せんばかりに謝罪する。
だが、周囲の反応は違った。
「……消えた?」
「爆発したんじゃねえ、気化しただと……? 伝説の『聖者』だって、ヒビを入れるのが精一杯だったっていうのに……」
その時、ギルドの奥から重厚な足音が響いた。
「何事だ、この揺れは!」
現れたのは、ギルドマスター・ガゼル。かつて魔王の右腕と渡り合ったSランク冒険者だ。彼は一目で悟った。目の前の、腰の低い少年。彼が放っているのは、魔力などという生易しいものではない。この世界の「理」そのものを書き換える力だ。
盆ちゃんはガゼルの姿を見るなり、シュタッと立ち上がり、胸ポケットから「自作のアダマンタイト製名刺」を取り出した。
「これはこれは、責任者の方ですね。お騒がせして申し訳ございません。私、こういう者でございます」
差し出された名刺。
ガゼルがそれを受け取ろうとした瞬間、彼の全能の直感が「受け取るな、死ぬぞ」と最大級の警報を鳴らした。名刺一枚に込められた質量の密度が、王城一つ分に匹敵していたからだ。
「……あ、ああ。分かった。合格だ。試験はもういい。というか、お願いだから何も触らないでくれ……」
ガゼルは震える手で、本来なら新人に渡すはずのない「Dランク(飛び級)」のプレートを差し出した。
盆ちゃんはそれを両手で丁寧に受け取り、深く頷く。
「Dランク……。なるほど、まずは契約社員からのスタートというわけですな。承知いたしました。まずは社内清掃……いえ、ギルドの貢献から始めさせていただきます!」
こうして、盆ちゃんの「丁寧すぎる蹂躙」が、ついに王都で幕を開けた。
彼がまず向かったのは、掲示板の一番隅にある「誰もやりたがらない地下水道の汚泥清掃」の依頼票だった。
【次は第3章:地下水道の「大掃除」クエストへ!】
次は盆ちゃんが「デッキブラシ(神の家から持参)」です。




