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異世界盆栽無双  作者: 盆ちゃん


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第15章:深海の不当競争 vs 職人のこだわり —— 異種族合同「定例会議」

第15章:深海の不当競争 vs 職人のこだわり —— 異種族合同「定例会議」

 大陸横断鉄道「盆山1号」の成功により、物資の流通速度は劇的に向上した。しかし、盆ちゃんはさらなる「ボトルネック」を発見する。

「……ミナさん、アリアさん。見てください、この物流データの歪みを。山で採れる『聖鉄鉱石』が海まで届かず、逆に深海の『魔力真珠』が山で不足しています。これは完全なセクショナリズムの弊害ですね」

「ああ、それはドワーフと海族の仲が最悪だからですよ」と、新入社員のアリアが報告書を広げる。「彼らは数千年間、中間地点の『貿易港』の利権を巡って、互いに『着払い拒否』を続けているんです」

「なるほど……。お互いの『納期』に対する認識がズレているわけですね。では、私が直接伺って、合同定例会議を開催しましょう」

(主よ。定例会議と言えば聞こえはいいが、お前が行くのは『核弾頭が飛び交う最前線』だぞ。まあ、お前のお茶には核を無力化する成分でも入ってるんだろうがな)

【現場:海底火山と地底湖の境界線】

 盆ちゃんが向かったのは、海底と地底が交差する特殊な貿易拠点「アビス・ポート」。

 そこでは、頑固一徹なドワーフの王ザムザと、美しくも冷酷な海族の女王レヴィアが、互いに軍勢を率いて睨み合っていた。

「海の連中め! 鉱石一袋に真珠十粒なんて、ボッタクリもええ加減にせぇ!」

「黙りなさい、この岩塩まみれ。深海のプレッシャーに耐えて採取するコストを、その厚い皮で考えたことがあるの?」

 一触即発の空気を切り裂いて、シュバッ、と一本の「名刺」が二人の間に突き刺さった。

 鋼鉄をも切り裂く勢いで飛んできたそれは、盆ちゃんの磨き上げられた名刺である。

「失礼いたします。盆山商事の盆山茂です。本日は『物流コストの最適化』に関するご提案に参りました」

【解決1:神の「ホワイトボード」による見える化】

「誰だ貴様は!」「人間がこの深部で息ができるわけが——」

 盆ちゃんは、ザムザとレヴィアの驚愕をスルーし、海底(水深8000メートル)で平然と**「ホワイトボード(神の啓示板)」**を設置した。

「いいですか、お二人。感情的な交渉は『時間のサンクコスト』を生むだけです。まずは課題を**『見える化』**しましょう。ザムザさん、貴方の言う『ボッタクリ』とは、具体的にどの工程を指していますか?」

『システム・オプティマイザー:論争の可視化を開始』

『双方の不満を「円グラフ」と「ガントチャート」に変換。矛盾点を赤ペンで強調』

 ホワイトボードに、両者の言い分が、驚くほど分かりやすく——そして自分たちの言い分がいかに「筋が通っていないか」が一目で分かる形で——投影された。

「……あ、あれ? 俺の怒り、グラフにするとめちゃくちゃ『感情論』で占められてるな……」

「私の『手数料上乗せ』、不必要に多層構造(中抜き)になってる……?」

【解決2:四天王ベルゼルスによる「深海プレス」の活用】

「さらに提案です。レヴィアさん、深海のプレッシャーが採取コストを上げているのなら、我が社の支店長、ベルゼルス君を紹介しましょう」

 盆ちゃんの合図で、四天王ベルゼルスが「現場監督」のヘルメットを被って現れた。

「……あ、ああ。私の重力魔法で、深海の圧力を相殺しつつ、逆にその圧を利用して『鉱石の超特急精錬』を行う。これで納期は1/10だ」

「なっ……魔王軍の四天王を『生産ラインの加圧機』として使うだと!?」

 ドワーフの王ザムザは、その圧倒的な効率の前に、職人としてのプライドを粉々にされた。だが、同時に「これなら俺の作った斧を世界中に届けられる!」というワクワク感に支配された。

【新キャラクター:海族の会計士・セフィラの加入】

 この会議の様子を、影で見守っていた少女がいた。

 海族の女王の側近であり、あまりに計算が速すぎて「予言者」と恐れられていた天才会計士、セフィラである。

「信じられない……。数千年の紛争が、あのおじさんの『議事録』一つで収束していく。……あの人の下なら、私の計算は『絶望』ではなく『希望の利益』を算出できるかもしれない」

 セフィラはひれを揺らしながら盆ちゃんに駆け寄った。

「盆山様……私、貴方の会社の『経理・監査部門』を任せていただけませんか? この大陸の不透明な金の流れを、すべて**『1円単位で最適化』**したいのです!」

「ほう、1円単位! 素晴らしい志ですね。我が社、領収書の整理が追いついていなかったので、大助かりです」

【終幕:青竹の「アンダーシー・レール」】

 数日後。

 海と陸を繋ぐのは、盆ちゃんが設置した**「海底透明チューブ鉄道」**。

 ザムザが鍛えたアダマンタイトのレールを、レヴィアが操る水流が加速させ、ベルゼルスが圧力を管理する。

 盆ちゃんは、完成したホームで、ザムザとレヴィアに「合同懇親会」のビール(神界の冷涼酒)を注いで回った。

「さて、次の議題は『福利厚生としての社員旅行』についてです。山と海、どちらがいいかアンケートを取りましょうか」

報告:第15章の「規格外な変貌」

1. 「アビス・エクスプレス」の開通:

海と陸の物流が統合され、世界中の食卓に「新鮮なウニ」と「ドワーフ製の頑丈な鍋」が同時に並ぶようになる。

2. 新戦力・セフィラ:

盆山商事の**「最高財務責任者(CFO)」**に就任。彼女の監査があまりに厳しいため、大陸中の汚職貴族たちが「盆山商事の監査が来る」と聞いただけで、隠し財産を自ら国庫に返納する事態に。

【次回予告:第16章】

インフラが整い、次なる盆ちゃんの標的は**「教育」。

「優秀な人材の不足は、企業の最大のリスクです」

盆ちゃんは、落ちこぼれの生徒ばかりが集まる「国立魔道学院」を「社員研修センター」**として買収。

盆ちゃんの「実技講習(マナー研修)」により、魔法使いの卵たちが、杖を捨てて「挨拶」と「物理」でドラゴンを制圧する最強のビジネスパーソンへと覚醒していく!?

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