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異世界盆栽無双  作者: 盆ちゃん


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第14章:Bランク昇格試験・国境紛争解決 —— 菓子折り一つで世界を救う

第14章:Bランク昇格試験・国境紛争解決 —— 菓子折り一つで世界を救う

 蒸気機関車「盆山1号」の開通により、大陸の移動革命を成し遂げた盆ちゃんに、ギルドからついにAランク昇格試験の課題が突きつけられた。

 内容は、隣国アイゼンブルク帝国との間で数百年続く**「国境紛争の平和的解決」**。

「領土紛争……。これは、いわば『土地の境界線に関するコンプライアンス違反』ですね。お互いの主張が平行線なのは、コミュニケーションコストの欠如と、現場の『摩擦』が原因でしょう」

 盆ちゃんは、秘書のミナ、インターンのアレス、そして大型犬のフリをしたポチを引き連れ、紛争地帯である「嘆きの平原」へと降り立った。

【現場:泥沼の最前線と、三人目の四天王】

 平原には、両国の軍勢が数万人規模で対峙していた。その中心で、一際巨大な魔力を放つ大男が、岩山のようにそびえ立っていた。

「ガハハ! 壊せ、潰せ! この大地を真っ赤に染め上げ、魔王様への供物とするのだ!」

 彼の名は、魔王軍四天王三人目——鋼鉄将軍バルカス。

 「不動」の異名を持ち、その肉体はダイヤモンドより硬く、彼が通るだけで地面はひび割れ、鉄の壁すら紙のように拉げる。

(主よ。あれは肉体強度の権化だ。貴方の『丁寧な会釈』でも、もしかしたら首の骨が鳴る程度で済むかもしれんぞ)

「おやおや、あの方が現場責任者(将軍)ですね。少々、感情のコントロールが乱れているようです。ミナさん、例の『菓子折り』を」

「は、はい! ……って、盆栽さん。これ、箱から**『銀河の輝き』**が漏れてるんですけど、本当にただの饅頭ですか?」

【交渉:究極の菓子折りと、神の潤滑油(CRC)】

 盆ちゃんは、怒号が飛び交い、矢が降り注ぐ戦場のど真ん中を、まるでオフィス街を歩くかのような足取りで進んでいった。

「失礼いたします。私、盆山商事の代表を務めております。本日は、近隣トラブルの件でご相談に伺いました」

「あぁん!? なんだ貴様は! 死にたいのか!」

 バルカスが、重さ数トンの巨大な戦斧を振り下ろす。

 盆ちゃんは、それを左手に持った**「菓子折りの箱」**で、スッと受け止めた。

——カチンッ。

 衝撃波が平原を駆け抜けたが、菓子折りの箱には傷一つ付いていない。

「……なっ!? 我が全力の一撃を、そんな紙箱で!?」

「あぁ、いけません。これは大切な『ご挨拶の品』ですから。……まずは、この平原の『ギスギスした空気』を何とかしましょう。摩擦が多すぎると、組織は摩耗してしまいます」

 盆ちゃんが懐から取り出したのは、一本のスプレー缶だった。

 ラベルには**『神の潤滑油:CRC-5555』**と書かれている。

「失礼、シュッとさせていただきますね」

 盆ちゃんが戦場の中心でスプレーを噴射した。

 すると、どうだろう。

 【システム・オプティマイザー】が演算を開始する。

『因果律の摩擦係数を0に設定。対立する意志を「滑らかな共感」へと変換します』

スプレーの霧を浴びた瞬間、バルカスの戦斧が手からツルリと滑り落ち、両軍の兵士たちも剣を握れなくなった。それどころか、心の中にあった「憎しみ」や「怒り」という感情までもが、あまりの滑らかさに「どうでもよくなって」しまったのだ。

「……あれ? 俺、なんでこんなに怒ってたんだ? なんか、滑りすぎて戦うのがバカバカしくなってきたぞ……」

「これぞ『神の潤滑油』。人間関係を円滑にする特効薬です」

【新キャラクター:人事の天才・アリアの加入】

 バルカスが呆然と座り込む中、帝国の本陣から一人の女性が駆け寄ってきた。

 彼女は、アイゼンブルク帝国の元皇女でありながら、あまりに正論を言い過ぎて軍部から疎まれていた戦略官、アリアだった。

「待ってください! そのスプレー、そしてその菓子折り……。単なる魔法ではありませんね。これは、地政学的な対立を『相互利益の欠如』として捉え、物理的に解決する……究極のマネジメントだわ!」

 アリアの瞳が輝く。彼女は盆ちゃんの「最適化」という概念に、一瞬で魅了された。

「盆山様、とお呼びしてよろしいでしょうか。私はアリア。……もしよろしければ、貴方の『商事』で働かせてください。この大陸の非効率な政治体系を、貴方の下で再設計リストラしたいのです!」

「ほう、人事と戦略のプロですか。それは助かります。我が社も、最近『四天王のセカンドキャリア相談』が増えていましてね」

【終幕:バルカス、保線区長へ】

 結局、菓子折り(中身は神界の黄金饅頭。一口食べれば前世の罪まで消える)を食べたバルカスは、その場で号泣。

「盆山殿……! 俺のこの頑丈な体、戦いではなく、誰かを守るために使いたい! 線路を守る『保線区長』にしてくれ!」

「採用です。バルカスさんなら、手作業でトンネルを掘れそうですね」

 こうして、Bランク昇格試験は「紛争地帯が、一晩で巨大な『平和記念公園』に変わる」という規格外の成果を収め、幕を閉じた。

報告:第14章の「規格外な変貌」

1. 「不動のバルカス」の転職:

魔王軍の最強の盾が、盆山鉄道の**「絶対に脱線させない保線区長」**に就任。彼が線路を握っている区間は、地震が起きてもビクともしない。

2. 新戦力・アリア:

盆山商事の**「人事部長兼・戦略顧問」**に就任。ミナの事務処理、アリアの人事管理により、盆山商事はもはや「国家を裏から操る最強のホワイト企業」へと進化し始める。

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