表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界盆栽無双  作者: 盆ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/24

第10章:勘違い勇者 vs 丁寧すぎる係長 —— 聖剣は「不良品」、勇者は「インターン」

第10章:勘違い勇者 vs 丁寧すぎる係長 —— 聖剣は「不良品」、勇者は「インターン」

 魔王軍四天王を「おしぼり」一本でホワイト化させた盆ちゃんの自宅に、今度はかつてない「殺気」が突き刺さった。

 庭の結界(盆ちゃんにとってはただの「防犯砂利」)が激しく鳴動し、黄金の光を放つ三人の男女が姿を現す。

「魔王軍をたった一人で壊滅させ、世界を意のままに作り変える邪悪な支配者『ボンサイ』! 我ら勇者一行が、聖なる裁きを下してやる!」

 先頭に立つのは、選ばれし勇者アレス。その手には、神が授けたとされる伝説の聖剣『エクスカリバー』が眩い輝きを放っている。

(主よ。今度は『勇者』のご出勤だ。あいつが持っている剣、確かに良い素材だが、鍛錬が甘くて「バリ」が出ているな。……まあ、お前の目には「不採用通知」にしか見えないだろうがな)

【玄関先:集団面接の開始】

「おやおや。これはまた、元気の良い若者たちが来られましたね」

 盆ちゃんは、焦る秘書のミナを制し、ビシッと整えたスーツ(神界の防護服)の裾を払って玄関へ出た。

「アポイントメントは……伺っておりませんでしたが、その熱意、まさに『新卒採用』の飛び込み二次面接といったところでしょうか。感服いたしました。さあ、中へどうぞ。立ち話も何ですから」

「……は? め、面接……? 貴様、何を——」

「さあさあ、まずは履歴書……いえ、そちらの『黄金の剣』を拝見してもよろしいですか? それが貴方の『実績』ですね」

 盆ちゃんは、アレスが振りかざした聖剣を、まるで見本市のサンプルを手に取るような軽やかさで、素手で「スッ」と受け止めた。

【実技試験:聖剣の「品質改善」】

「な、なんだと!? 聖剣を素手で……!? ぐっ、抜けない!?」

 アレスが顔を真っ赤にして剣を引くが、盆ちゃんの指先はミリ単位も動かない。

「……ううむ。アレスさん、でしたか。お言葉ですが、このツール、少々『手入れ』が届いていませんね。刃こぼれが目立ちますし、何より魔力伝導の効率が悪すぎる。これではクライアント(世界平和)を納得させる仕事はできませんよ」

「なっ……聖剣を不良品扱いだと!?」

「失礼して、少し『ブラッシュアップ』させていただきます」

 盆ちゃんが、懐から取り出した「事務用研磨機(実は次元を削る神界の砥石)」を聖剣に当てた。

『システム・オプティマイザー:製品仕様の修正を開始』

『不純な神聖力を「超高密度マナ」に変換。耐久性を「概念的不壊」に固定』

 キィィィィィン!! という美しい音が響き、聖剣は太陽よりも眩しく、そして恐ろしいほどの鋭利さを備えた「何か別の凄まじいモノ」へと作り変えられた。

「はい、お返しします。道具を大切にできない方は、良い営業マンにはなれませんよ」

「……え? 軽っ……え、何これ、振るだけで空間が切れてるんだけど……?」

 アレスは、あまりの性能向上に恐怖して、戦意を喪失した。

【圧迫面接:5年後の自分をイメージしてください】

 居間に通された勇者一行(勇者・聖女・魔導師)の前に、盆ちゃんは「ホワイトボード」を設置した。

「さて、本日の面接課題です。アレスさん。貴方は『魔王を倒す』と仰っていますが、それはあくまで『手段』ですよね? その後の『アフターケア』や『持続可能な平和(SDGs)』について、具体的なロードマップはお持ちですか?」

「ろ、ろーどまっぷ……?」

「5年後、10年後、貴方はこの世界という組織の中で、どのようなポジションで貢献していたいですか? 自分の強み(強撃魔法)を、どのように平和維持活動へと最適化させるつもりでしょうか?」

「あ……あ、ええと……とにかく、正義のために……」

「『とにかく』では、予算(魔力)は通りませんよ。ミナさん、彼の回答を『具体性欠如』として記録しておいてください」

「は、はい!(勇者のメンタルがボロボロになっていく……!)」

 盆ちゃんの丁寧、かつ核心を突く「社会人マナーの猛攻」により、勇者一行は自分たちの考えがいかに浅かったかを痛感させられ、次第にうつむき始めた。

【終幕:インターンシップ(修行)の受け入れ】

「……盆山さん。俺たち、全然ダメでした。世界を救うなんて大口叩いて、実はただ暴れたかっただけかもしれません……」

 アレスはついに膝をつき、聖剣を置いて涙を流した。

「気づけたなら、それは大きな『成長の種』です。アレスさん。……どうでしょう。まずは我が社の『インターン(修行生)』として、地域の清掃活動から始めてみませんか? 現場を知らずして、トップ(勇者)は務まりませんよ」

「……っ! はい! よろしくお願いします、係長!!」

 こうして、伝説の勇者一行は、盆ちゃんの事務所の「環境整備部・インターン」として採用されることになった。

報告:第10章の「規格外な変貌」

1. 聖剣の「文房具化」:

盆ちゃんに研ぎ直された聖剣エクスカリバーは、いまや「紙を切るように山を切り、かつ鉛筆を削るような繊細な作業も可能」な万能ツールへ。ただし、盆ちゃんの許可なく抜くと、その神々しい圧力で半径5キロの魔物が気絶する。

2. 勇者一行の「更生」:

「ジャスティス!」と叫んでいたアレスは、現在「整理! 整頓!」と叫びながら街の側溝を掃除している。聖女リアナは「福利厚生担当」として、盆ちゃんのお茶出しを完璧にこなすべく修行中。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ