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人間モドキ

作者: 蔵樹りん

名前の後ろにモドキとついている生き物がいる

モドキという言葉は『似ているけど違うもの』といった意味があるのだそうだ

それらと同じで、俺は自分のことを人間モドキだと感じている

姿かたちは人間そっくりだ

でも決定的に何かが違う

ことあるごとに、誰かの視線が自分に注がれているのが分かる

彼ら彼女らもきっと、俺が皆と違うことが分かっているのだろう


もちろんそれは会社の中でも変わらない

入社して少しのあいだは人間のふりができる

しかしそのうちにばれてしまう。俺が異端であることが

それからは常に好奇の視線にさらされることになる

働く場所が変わっても同じだった

やがて、俺とそれ以外の人との間に線が引かれていることに気づいてしまう

それがたまらなく苦しい


できれば俺も人間でありたかった

だがどうすれば人間になれるのか、それがどうしても分からない

死んで墓に入ることで、誰の目からも見えなくなって、皆の記憶から消え去って

ようやく人間として扱われるに違いない

それまでは苦しみながら生きていくしかないのだろう

哀れな人間モドキとして

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