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召喚士の休日  作者: ittpg(三崎 まき)
第6話 一条の水
66/228

1.剣を求める者 ☆

■物語の舞台

挿絵(By みてみん)

風使いの少女・シールを仲間に加えたリリィは、アーチャーのハルと三人でザカヴァを発ちます。王都に向かう船に乗るため、彼女たちは港町・クラナックを目指します。その道中、一軒の武器屋を見つけます。


■登場人物

・リリィ

 召喚士の少女。死霊を宿していた右腕と共に召喚能力を失うが、ロッドと剣の腕前は健在。失った『力』を取り戻すため、王都を目指す。


・ハル

 アーチャーの少女。三本の矢を同時に放つ曲芸撃ちの名手。リリィのしもべとして、リリィの旅の伴侶となる。


・シール

 たおやかな銀髪をもつ風使いの幼い少女。マクベス国の将軍の娘。リリィ、ハルと行動を共にするようになる。


・ロリアン

 街道沿いの武器屋の若旦那。


・ニーナ

 ロリアンの妻。夫と共に店を切り盛りする。


・グスタフ=カッシニ

 史上最も偉大と言われた刀鍛冶。リリィの腰の物、『スティグナ=ディ=アクエリア』を鍛えた。


■その他

・1ルート(複数形『ルーテ』)

 距離の単位。約1.8メートル


・1カロルーテ

 距離の単位。1カロルーテ=1,000ルーテ≒1.8キロメートル


・1ソータ(複数形『ソリタ』)

 通貨の単位。約0.5円。ただし食料や日用品は、我々の世界より概して安価。

挿絵(By みてみん)


 丸まった背中は、火鉢に入れた炭で暖を採っていた。

 ちぢれた黒髪。その下、襟元にファーをあしらった革製の上着。二の腕の袖ははち切れんばかりに膨らんでいる。肩幅もたっぷりで、男の頑強な体躯を想像させる。


 深閑とした初冬の夜。時を止めた静寂に沈む小屋。釣り下げられたたったひとつのランプ。その光が照らす屋内は狭い。人ひとりが寝泊まりするのがやっとか。ただでさえ狭いのに、入り口の土間は不釣り合いに広い。


 その土間に映る、ぼやけた男の影。岩のような体を不格好に膨張させたその黒い染みを、サンダルの足が踏む。薄汚れたローブの裾から覗く短い指。長らくむき出しのまま過ごしているのか。爪は傷付き、摺ったガラスのようだ。その爪先の前に、ロッドの先端が突き立つ。



「ついに来おったか」

「注文はいいかしら」

 男の背に聞こえるのは、およそこのような場所にはふさわしくない、幼い少女の声。


「……聞こう」

「剣を造ってほしいの」

「どのような?」

「そうね……()()()。かつて世に在らざる、最高の剣よ」

「それだけか?」

「注文はそれだけね。不十分かしら?」

 男はくっ、くっと二度肩を震わせた。そして哄笑した。


「ぐははははは!……面白い!高くつくぞ、お嬢ちゃん!」


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