第百一話
「さぁルーネ、ここまでお膳立てしてもらったんだ。倒さないと男が廃るよ!」
アルージェが喝を入れるとルーネも遠吠えをして、気合を入れる。
「まずはあの巨体に、持っている武器でどれほどダメージが入るかの確認だね」
アルージェが今持っている武器をアイテムボックスにしまう。
「ミスティさんと戦った時、触手にはショーテルが結構有効だったよね」
アイテムボックスから『硬質化』を付与したショーテルと、『硬質化』を付与したブロードソードを取り出す。
「ルーネ、頼むよ!」
アルージェがルーネに指示すると、ルーネは暴食スライムの近くまで寄る。
アルージェはルーネの上に立ち上がり足場にして暴食スライムに斬り込む。
感触は柔らかくショーテルとブロードソードで切り裂くが、切り裂いたところからすぐに再生する。
「やっぱり、本体も再生するじゃ、ルーネ!もういっちょ!」
自由落下するアルージェをルーネがアルージェを咥えて暴食スライムに向かって放り投げる。
その勢いを殺さずに、アルージェは再度切り掛かる。
だが、先ほどのように上手く切り裂けなかった。
「ん?なんかおかしいぞ」
武器を確認すると、ショーテルの刃がダメになっていた。
「なんで?二回しか切ってよね?まさか硬質化が効いてない?」
暴食スライムをよく見てみると、何やら液体を身に纏っている。
「もしかして、酸?」
ブロードソードも確認するとこちらも刃がダメになっていた。
「ちょっと待って!めちゃくちゃ天敵なんだけど!」
ショーテルとブロードソードを捨てて、アイテムボックスから『鋭利化』を付与したショーテルを2本取り出す。
「ルーネもう一回お願い!」
アルージェがルーネに指示すると、ルーネは目にも止まらぬ速さで暴食スライムの方へ走り始める。
「一回使ってダメになるんだったら、耐久力とか捨てて総攻撃だ!」
ルーネが暴食スライムの近くまで寄ると、アルージェはルーネを足場にして飛び上がる。
そして暴食スライムを切り裂く。
暴食スライムを切って使えなくなったショーテルを捨てて、アイテムボックスからシミター、タルワールを取り出す。
そして魔法陣を展開する。
「簡易付与鋭利化」
新魔法体系で付与する際に、わざわざ言葉にする必要はないが言った方がイメージがしやすいので口にする。
持っていたシミターとタルワールに即席で鋭利化を付与し、暴食スライムを切り裂く。
そして使えなくなった武器を捨て、また取り出し付与をする。
そうやって結構な量の武器を使って暴食スライムを切り裂いたが、体から出ている触手で瓦礫やらあたりに落ちているものをなんでもかんでも体内に吸収していき、傷を無かったことにする。
「クソッ、ミスティさんの触手と違って本当にキリがないどうする」
アルージェはアイテムボックスの中身を確認して、どうしたものかと考えていると、この戦場には明らかに場違いな「キュッキュッキュッ」という子供靴のような音が聞こえてくる。
「この音は?」
アルージェは辺りを見渡すと、秘密結社の6匹が触手に襲われているのが見える。
「あれは秘密結社?なんでこんなところに!」
トラとサメとティラノサウルスは体を大きく見せて触手を威嚇して触手を追い払おうとしている。
小さなパンダとパンダは抱き合ってプルプル震え、うさぎは触手に当たらないように躱して飛び跳ねるたびにキュピキュピと音がする。
アルージェは学園長が言っていた秘密結社の説明を思い出す。
「一つでも欠けたら動かなくなる」
アルージェは呟く。
暴食スライム の触手が秘密結社を取り込もうと周りに集まり始める。
「ダメだ!ダメだ!ダメだ!」
アルージェは咄嗟に魔力を練って体内を循環する。
そして脚部分に魔力を集中させて、身体強化を行い秘密結社の元に向かう。
アルージェが何をするのか、察したルーネも秘密結社の元に駆け始めるが、アルージェは既に秘密結社の元に到着して触手を全て切り裂いていた。
「大丈夫だった?」
アルージェは屈んで、秘密結社のみんなに確認する。
6匹はアルージェの足元に寄ってきて、目をウルウルとさせている。
よほど怖かったんだろう。
「ルーネ、ごめん。みんなを守ってあげてくれる?」
アルージェはルーネにお願いする。
ルーネは「二人でやった方が」と意思を飛ばそうとしたが、アルージェの目を見て思い出す。
自分を守って戦ってくれた時と同じあの目だと。
ルーネはアルージェに頷き。
鎖鎌を咥え直し、全力で秘密結社を守る準備をする。
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