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婚約破棄された可憐令嬢は、帝国の公爵騎士様に溺愛される  作者: 蒼井美紗
第2章 婚約者編

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32、お茶会

 お披露目パーティーが行われた二日後の昼前。私はまた皇宮にやってきていた。本日の予定は……皇妃殿下であるヴィクトワール様が主催されるお茶会だ。


 帝国貴族へのお披露目を済ませたということで、さっそく繋がりを作る場として、ヴィクトワール様がパーティーの二日後にお茶会の予定を入れてくださった。


 参加するのは帝国内でも権力を持つ貴族家の子女で、私の今日の目標は帝国貴族の女性社会を知ることと、これから仲良くできるお友達を見つけること。


「リリアーヌ、そろそろ向かいましょう」

「はい、ヴィクトワール様」


 今日は皇族の方々と私との親密度を示すため、ヴィクトワール様のお名前を呼ぶ許可を得ている。まだお義母様と呼ぶことはできないので、その代わりとしてのお名前呼びだ。


 ちなみに本日、フェルナン様はいらっしゃらない。騎士団のお仕事があることと、お茶会は基本的に女性の文化なので男性は参加しないのだ。


「本日参加する子女の名前や家については、覚えられたかしら」

「ヴィクトワール様が人数を絞ってくださったので、全員分を頭に入れることができました」


 ここ数日努力したことを思い出して頷くと、ヴィクトワール様は笑顔で頷いてくださった。


「それならば心配はいらないわね」

「……はい、頑張ります」


 上手くできるかどうか心配で緊張は尽きないけれど、私は笑みを浮かべて頷いた。


 王国時代の記憶がトラウマにはなっているけれど、そのトラウマを自信に変えれば良い。最近はそう思えるようになっている。

 誰も味方がいない中で一人耐えることができていたのだから、私ならばできるわ。


「お茶会の会場はこの先よ」


 ヴィクトワール様の案内で着いたのは、とても綺麗な皇宮の中庭だった。そこにテーブルと椅子が設置され、たくさんのお花で飾り付けられている。


 すでに私たち以外の参加者は談笑を始めていたようで、私たちが姿を現すと優雅に立ち上がって礼をした。

 参加者は全部で六人。どの方も高位貴族のご令嬢で、これから国の中枢を担う殿方を支える役目を果たされる方々だ。


「皆、今日は集まってくれてありがとう。事前に伝えていた通り、本日はあなたたちにリリアーヌのことを紹介したいと思っていたの」


 ヴィクトワール様がそう言って私の背をそっと押してくださったので、私は一歩前に出て皆様に向けて礼をした。


「リリアーヌ・フェーヴルと申します。フェルナン様の婚約者として、ペルティエ王国から参りました。これからよろしくお願いいたします」

「……リリアーヌ様、お初にお目にかかります。私はシャブラン侯爵家が娘、ベルティーユ・シャブランですわ。よろしくお願いいたしますね」


 最初に挨拶をしてくださったのは、金髪を豪奢な縦ロールにした、とても派手――オシャレな女性だった。ベルティーユ様は私に対して何か思うところがあるのか、笑顔だけれど悪意が少し感じ取れる。


 王国の貴族社会でずっと蔑まれながら過ごしてきた一番の利点は、相手が隠している悪意にもすぐ気づけるようになったという点ね。


 しかし隠してくださっているならば実害はないので、気づかなかったことにすると決めた。突然嫁いできた他国の人間である私が、皆様に最初から好意的に受け入れられるわけがないのだから、仕方がない。


「リリアーヌ様、私はセリーヌ・プランタンと申しますわ。よろしくお願いいたします」


 ベルティーユ様の次に挨拶をしてくださったのは、可愛らしいピンク色の髪が特徴的な女性だ。この方からは純粋な好意しか感じ取れないわね……そういう人が一人いるというだけで、こんなにも嬉しいのね。


 それからも皆さんが順番に挨拶をしてくださって、お茶会は正式に始まることとなった。


 全員でお茶とお茶菓子を味わったところで、まず口を開かれたのはセリーヌ様だ。


「私、リリアーヌ様にお会いできたら聞いてみたいことがあったのです。どのようにしてユティスラート公爵様に嫁がれることになったのか……お話ししていただけるのでしょうか」

「わたくしも気になっておりましたわ」

「私もです。隣国の殿下に見初められるなんて、物語の主人公のようだもの」


 セリーヌ様のお言葉に皆様が盛り上がられたので、私は少し恥ずかしく思いながらも、フェルナン様との出会いを思い出した。


「……本当に、偶然なのです。少し用事があって実家の領地に行っておりまして、その街は森と隣接していました。森の中にある湖で安らいでいたところ、突然怪我をしたフェルナン様がやってこられて……」


 フェルナン様との出会いは、嘘はつかないけれど重要な部分は明かさないようにしようと決めている。貴族社会では隙を見せたら、一気にそこを狙われてしまうから。


「あら、貴族のご令嬢が森の中の湖に出向くだなんて……はしたないのではなくて?」


 ベルティーユ様がそう言って口元の笑みを深めたので、私も同じように微笑んで口を開いた。こういうやりとり、なんだか懐かしいわ……あまり得意ではないけれど、頑張らないと。

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― 新着の感想 ―
[一言]  え~? これで皇族なん? 難癖のつけ方が低レベル過ぎるでしょw。 はしたないの意味が分かってないよね、こいつ。  もうね、じゃあお前は自分とこの領地なのに街中だけにしか行かないつもりなの…
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