表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月のほたる  作者: 九丸(ひさまる)
8/9

おでかけ

 二週間を過ぎても変化はなかった。


 それならば。休日の今日、密かにしたためた計画を実行しよう。


 私は女の子を買ったばかりのチャイルドシートに座らせ走り出した。向かうは水族館。もちろん、お絵描き道具も持ってきている。


 水族館に着いて入場券売り場に並ぶ。私達の前には十人程が列を作っている。みんな親子連れだ。


 午後一の陽射しは冷たく眩しい。珍しい冬の晴れ日。イルカショーは外せないな。


 そんなことを考えていると順番がきて、私は堂々と口にする。


「大人一枚と子ども一枚お願いします」


 ガラスの向こう側に一瞬沈黙があった。まずい。不自然だっただろうか? 


 それでも「はい。大人一枚、子ども一枚ですね。合わせて二千百円になります」と返ってきたので、私は胸を撫で下ろした。大丈夫。私達は親子だ。もう本当の親子でいいはずだ。


 私達はペンギンの行進を見てははしゃぎ、イルカショーでは最前列でびしょ濡れになり、それで風邪をひいてはいけないと、熱いラーメンをふうふうしながら食べて、海底トンネルでマンタの白い腹を眺めた。その都度女の子は絵を描いた。そこには常に手をつないだ私達がいた。


 夕方の五時になると、辺りはもう真っ暗になっていた。


 私の背中で女の子は寝息を立てている。


 起こさないように、そっとチャイルドシートに座らせて、家路へとついた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ