■6章 害獣設定
■『鳥頭の害獣』(正式名称:黒死鳥)
体長:2m前後
巨大な鳥の頭を持つ、人型の害獣。
クチバシも大きく、人型では有るものの手足は鳥のそれをそのまま大きくしたようなモノで、六本指である。
大きな特徴として、この害獣は知性を兼ね備えており、基本的に相手と真っ向から戦おうとはしない。
暗がりから相手が疲弊した所を一人ずつ、一人ずつ爪から分泌されている毒の餌食にしていくのだ(毒によって変質させられた人間を眷属と呼ぶ事にする)。
一度毒に犯されてしまえば、少量であっても時間の経過によって眷属と化してしまう為、その爪で傷付けられた際は患部を広く抉り取る、或いはその部位が末端であるなら切除する等の処置を取る必要があるだろう。
表皮から生えた羽毛も非常に強靱で耐熱性も高い為、戦闘に入っても駆除は困難な部類に入る。
羽毛の生えていない箇所(眼球や手、足)は比較的脆い為、そういった部位を狙うよう心がける事。
その性質上、戦闘が長引けば長引く程に眷属が増加し、駆除が困難になっていく為小隊規模での駆除であっても油断は厳禁である。
犠牲者がそのまま新たな害獣へと変わるその性質、知性を持っている事を加味し、黒死鳥は災害指定とする。
発見の際はくれぐれも討伐を考えずに、まずは本部へと通達するのを第一にする事。
■眷属
体長:不定
黒死鳥の毒によって変質させられた犠牲者。その性質から害獣に分類する。
その肉体は腐敗した上に膨れ上がっており、そこから手足が伸びた歪な姿をしている。
眷属へと変じた際に、近くに居た者も飲み込むため、その手足の数や大きさはその際に飲み込んだ者の数に応じて増え、巨大化する。
その外見とは裏腹に非常に強い膂力を持っている為、細く見える腕にも決して捕まってはならない。
特徴として、眷属は『決して死なない』という恐るべき能力を有している。
細切れにしても、炭化させても、何をしても彼らは決して死ぬ事はない。
黒死鳥が絶命すれば、その瞬間に肉体は腐り落ち、そこで初めて彼らは死に、安寧を得ることが出来るのだ。
故に、彼らと遭遇した際は無用に争わず、戦いを避け、避けられない時は動きを封じて放置する事。
如何に殺そうとしても時間が経てば再生してしまう為、時間と労力の無駄にしかならない。
また、一部パラディオンの勇敢な行動によって、彼らは眷属と化した後も一定の意志を持ち続けている事が解っている。
悲観か、絶望かは不明だが、彼らはあくまでもこちらに「救い」を求めているという事を、決して忘れてはならない。
害獣と化したのだとしても、彼らは元は人間なのだから。




