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魂狙撃手の静かなる世界大戦  作者: 難読
第一章 大国と小国
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プロローグ

世界の全てを見渡せるものは神だ。全知全能の神だ。


神が存在ようがしまいが、そんな超常たる才を持ち合わせるのはこの世に一人でいいからだ。


故に神とは、他に存在しない唯一の存在。


だが、世界は歪んだ。この世界の仕組みが、根本が、根源が捻じ曲がっていく。


『もし神という存在が、この世に1人、2人、10人、100人、1000人と……蔓延ったとしたら?』


戦争だ。まごうことなき戦争だ。

神の数だけ幸福な世界が来る? 世迷言だ。


問おう、神とは何か。


神は神である。それ以下でもそれ以上でもない。神が絶対であり、一であり全なのだ。

この世に生きとし生けるものを全て愛し、平等に、尊い恩寵を与えてくれる。

ただしそれも完全ではない。人間は、神でさえもこの世を統べることが出来ないことを経験として知っている。


ならば神と名乗る者が二人現れたとしたら。


どちらも平等に、平穏に、幸福に、世界を正したいと思うのだろう。


果たして本当に、そうだろうか。


神は傲慢である。矛盾した存在である。


「全ての物質の位置と速度を認知することが出来れば、未来を予測することが出来る。だが人間には叶わないことだ。神は認識したその瞬間に、それの運命を決める。」として、世界の原理は人間にとって把握しきれない代物であることを証明した物理学者がいる。


だがそれに反論した者もいた。「神はサイコロを振らない。」と。


ならばやはりこの世には神は存在しないのだろうか。

神たる存在が純然たるこの世を作り上げたのではないのか。


否、完全なる平等など、成し得ないのだ。

それは神の存在の有無に関わらず。


この世界は、宇宙は、どうして作られたか。

創造神たる「神」が暇を持て余して今の世を作り上げたとするならば。


それはあまりにも傲慢すぎる。


平等にならない世界。


人々は憎み、苦しみ、その果てで喜び、悲しみ、永遠と繰り返してきた。


今この世に産み落とされた「神」は禁忌の存在。

彼は決して創造神たる主に制裁を与えようとするために生まれたわけではない。

彼らは神なのだ。神であるならば、世界を変えねばならない。


今始まる、この世界で。


傲慢な人間と傲慢な神たちは、一体何を作り出すのだろうか。

「平等」を目指すための静かなる世界大戦、それを見届けよう。





……と、傍観している我々は、一体何なんだろうか?


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