赤ずきんちゃん-キティルハルム版-
「なんだこりゃ・・・」
キティルハルム王太子ミリアムは、思わず王立図書館の机に突っ伏した。
森の中の、小さな家・・・
そこに、一人の一人の赤い頭巾を被った少女が、住んでいた。
彼女は、おばあさんから相続したこの小屋で、一人で住んでいて、猟銃の手入れをしていた。
コンコン・・・
戸をたたく音が聞こえる。
ぴくぴく・・・
赤ずきんの耳が動く。
「赤ずきん。オレだ。」
「帰って。パパを殺したあなたのものにはならない。」
人狼の父から受け継いだ尻尾が、逆立っている。
まだ幼かった赤ずきんの母は、彼女のような服の似合う、女の子だった。
やがて、どういうわけか、発情期で変態化した人狼青年に犯され(?)、娘を産んだ。
変態だったが、父は妻子を愛していた。
だから、おばあちゃんの家の手伝いをし、畑を耕し、害獣を狩って生活していた。
しかし、前々から赤ずきんの母を狙っていた、ロリコンの狩人が、父をストーカー呼ばわりして撃ち殺したのだった。母は、ショックのあまり発狂。
まだ幼かった赤ずきんを残して、自害した。
赤ずきんは、おばあちゃん(正確にいうと、曾祖母)に育てられた。
おばあちゃんも、歳からかもう亡くなり赤ずきんが家を相続した。
そして赤ずきんは、キティルハルムの総合導師の姫に弟子入りし・・・
「ま・・・待てや!
私には弟子は、三人しかいない!」
ミリアムは、ツッコんだ。
狩人は諦めなかった。
が、赤ずきんの放つ不穏な神波動に気付けば助かったかもしれない。
「おらァッ!開けろぉッ!」
「諦めてくれないのね・・・残念だわククク・・・
よかった。
パパとママの仇が討てるわ。
ぽちっとな。」
赤ずきんの手には、スイッチのようなものが握られていた。
それを押したのだ。
がくんッ!
「~~~ッ!」
突然、狩人は、足元に空いた穴に落ちた。
「はッ!」
どれくらい気を失っていたか・・・
狩人は、地下室のような場所で、裸でいた。
いや、性格に言うと、水溶液のカプセルに入れられていた。
外側を見ると、なにやら赤ずきんが手際よく作業をし、個人端末に何かを入力したりしている。
「何をしている!」
「決まってるじゃない?
復讐よ。」
母譲りの赤ずきんの顔が、みにくく歪む。
「キティルハルムの王太子様の弟子になって、いろいろ学んだの。
で、パパと同じくらい変態のあなたに、うってつけの復讐を思いついたわ。」
にこにこと笑いながら、説明する。
「あなたの、局部のパイプがね、こっちに繋がっていて、あなたの呼吸マスクに、「栄養ガス」に変換されて、戻ってくるの。」
「!!!」
なんてことを思いつく!
「そおれ!電源オン!」
狩人は、眠りに落ちた・・・
そして、赤ずきんが組んだプログラムに従って、ロリっ娘を追い回す変態かつ幸せな夢を、半永久的に見続けるのだ・・・
「パパ・・・ママ・・・仇は討ったよ・・・」
ミリアムは、悶絶していた。
「誰が書いた!こんなもん!?」