表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第2章【陰陽道所属の世界】
86/93

第2章36話 「背後」

グロテスク表現に近い表現がなされます、ご注意ください。



前回までのあらすじ

香山由理の友人であり百鬼夜行総大将の坂崎銀次郎、

そして峰崎美世、坂崎孕子、北園詩織と陰陽道総大将となった山城慶にとって、

懐かしい顔ぶれが結婚祝いで再会という邂逅を果たす。

そんな中慶は銀次郎に復活者を始末するという提案を持ち掛けられる。

その後それを三者会合の会議の題目として話し合い復活者始末のために

同盟を結ぶことを決意するのだがそんななか陰陽道の元総大将であり、

慶の父の源代が百鬼夜行内部で遺体として発見されてしまう。



「父さんが……死んだ……?」


「はい……それもどうやら百鬼夜行内部とのことで。

 山城様、お客人の方々をここから至急に

 お帰りにならせた方が良いかと。」


山城慶はそう奥小姓役の北園詩緒の言う提案にすぐに乗り

和室の中で待機していた坂崎銀次郎にも話を通した。

話をしていくうちに段々と顔色を悪くしていったが

銀次郎はすぐに詩緒の提案にも賛成し和室から出る。

慶もその後を追い詩緒は電話のあるところへと向かっていった。


「しかし、一体誰が……」


「……不思議だ。

 慶、君はこの状況で俺を疑わないのか?」


一瞬驚いたのか慶は目を見開くがすぐに

ふと見上げ廊下で止まる銀次郎を見て呟く。


「さっき話してるときにその可能性は消え失せてるよ。

 もしも銀次郎、アンタが父さんを殺したってんなら

 それ相応のリアクションを取るだろう。

 例えば驚いて話を合わせるだとかもしくは顔色を悪くする、だとか。」


「じゃあ尚更……」


「だがアンタからそのリアクションに悪意が感じられない。

 虚偽も含めてさっきのは素のリアクションだった……

 それに殺した本人ならわざわざ敵地に乗り込むか?

 さっきの同盟の件の話が持ち上がるまで陰陽道と百鬼夜行は停戦状態だった。

 まだ同盟の件も話してないから、

 まぁその状態は見かけ上今もそうなってるんだがな。」


慶の判断はいつになく冷酷だった。

初対面の銀次郎からすれば慶の印象はそう見えるだろう。

だが慶はそれに気づかない。いや気付くことができない。

何故なら自分の大切な人が死んだということになったのだから。


(だがまぁ本音を言えば今すぐにでも銀次郎、

 お前に問い詰めてやりたい……だがさっきのは本当に素のリアクションだった。

 昔からの付き合いだからこそ分かる癖だ)


このことは口が裂けても言えないことだった。

転生を繰り返してるから実は昔からお前を知っているだなんて。

理解に苦しむ妄想だといわれさえすれば今回の同盟の件も全部なかったことになる。

あの世界、ツキネや雲雀に何度も繰り返し

言われたであろう言葉とその意味を思い出す。


(真実は言えない、ただ今回の同盟の件は

 あくまでも復活者を倒す名目だ。

 だからこそそれ以外のことは言えない、

 言えば何もかもが崩れてしまうだろうから)


慶はそういつものように葛藤を繰り返しながら銀次郎を

由理の友人らのところへと案内しそのまま事情を説明したのち帰ることとなった。

しかし話はそれで終わることにはならなかった。


「離別?!え、それは反百鬼の方で

 上がった会合の結果ってことか?」


「会合ってほどでもないけど、でも酒吞童子様が

 ”今の均衡状態はとても危うい。陰陽道と反百鬼夜行派が手を組んだとはいえ

 そこに滞在するのはとてもよろしくない”って。

 離別……ではないけどほとぼりが冷めるまでは私と慶は離れておいた方が良い。

 そう酒吞童子様は言っていたわ」


由理は残念そうに呟きながら慶を見つめる。

だがそれに慶はただそっか、と頭を撫でて認めることしかできなかった。

冷たい、素っ気ないとでも言われるだろうか。

でも考えたうえでの言動だ、特に陰陽道と百鬼夜行の接触はやめた方が良いだろう。


「……折角会合までやったってのに誰が父さんを……」


とは言え酷い話だが慶は元々この世界の自分ではない。

他の世界から介入して転生した身。

実の父親が死ぬのは確かに悲しいことだ、というか

そんなすぐに言葉にできるものじゃない。



じゃあ何故―――?



……いやそれはあの時の忠告だろう。

あの時電話で応対した日。

慶は実の父親が復活者に関してある程度の知識を持ったことに違和感を感じていた。

調べればいずれ分かることならまだしもその能力までとなると

”すでに分かっている者が接触したのであれば”

分かることになるだろう。


「……ごめんね……良いこと言えなくて。

 励ましとかかけれたら幸いなんだけど

 何を言って良いのか分からないや、ごめん……」


「良いんだ、大丈夫。」


「私は……もういないけれど両親が死んだときは悲しかったよ。

 何に置き換えて良いか分からない喪失感と何をして良いか分からない虚無感。

 私はあの時どうして良いか分からなかった。

 でも周りの人たちがいたからこそ立ち上がれたんだよ。

 今これを言ってもあまり聞こえが悪いかもしれない。

 でもあなたの周りにはちゃんと信じあえる人がいるから、大丈夫だからね」


そう由理は呟いて自然に慶を抱きしめる。

突然のことに慶は驚くがそれでも温もりを感じてか

目を瞑って俯いて身を任せた。

由理は慈愛に満ちた顔で微笑してその抱擁を強くすると

一人由理は慶に悟られないように、その眼に決心を醜く歪ませた。




ほどなくして、慶と由理はそれぞれ元の所属する組織へと戻るり、

問題解決まではそのまま組織に滞在するという形を取り

二人で暮らしていた家は空けることとなった。

不法侵入を防ぐために定期的に互いの身の回りを担当していた陰陽師、

及び妖怪らがメンテナンスをしている。

その甲斐あって特に問題は起きていないらしいが

慶にはそれを目に留める余裕がなくなっていた。

総大将として全うするのは良いとして今までのんびり

暮らせていたのは裏で山城源代が動いていたからに過ぎない。

由理と暮らしている間、慶も細々とした雑務をこなしてはいたが

父親である源代が死んだことでそれは一変した。

普通の役職がどうこう言われてもよく分からないので

これは自己の意見だが会社経営というのも中々に大変なんだろう。

慶はそれをこなしていくうちに父親の有難みを感じていった。

一方で今回の事件に関してどうやら他殺であることは

間違いなく抵抗した痕も見つかったため、妖怪と陰陽師の間に

亀裂が深まってしまったのは言うまでもないだろう。

しかしその形跡や亀裂を生じさせた人物を追うためにも

慶は百鬼夜行へとその足を伸ばしていた。

三者会合から一週間、慶はその地を踏みしめていた。

そして総大将のいる部屋へと案内される慶は前とは違う独特な雰囲気を見て

その空気を吸って噛み締める。



―――こんなに寒かったか?それに血生臭いような気が……



「まさかここまでご足労を頂くことになるとは思いませんでした

 ……何せこちら側で起こったことですので。」


「堅苦しい言い方はパスだ。それより周囲の者たちは出払ったのか?」


通された部屋には白色の袴を着た銀次郎の姿が。

慶もまた袴を着てはいるが銀次郎とは違い紺色で戦闘に入りやすいように

手足の自由がかなり効く優れものだった。

万が一でも襲われたときのために着てきたがその心配はいらないようだ。

ええ、と未だ堅苦しい挨拶をする銀次郎。

慶はその銀次郎を見つめ周囲を警戒しつつ本題へと移った。


「早速で悪いが父さん―――いや山城源代はどのようにして見つかったのか。

 また他殺と聞いたがどのような犯行なのか教えてもらいたい。」


「ええ、分かりました。

 山城源代が見つかった場所は外部の連絡用として

 設けられている電話のある場所でした。

 電話に関しては公衆電話のようなタイプなのですが

 既に壊され中のデータ等の媒体等は修復が不可能である、

 との報告が上がっています。

 次に死亡推定時刻ですが医療に詳しいモノに調査してもらった結果

 会合の一日、二日前であると上がっています。」



電話……?



「……電話はかけたってことか?」


「はい、受話器には大量の血痕がついていましたが

 握った状態の後につけられていました。

 我が百鬼夜行内では他人を見てその者が経験したことを

 すべて知ることのできる妖怪がいますが、確かにその妖怪によると

 山城源代は何かあると、電話を借りていたそうです。」


(何かある?というか一日二日前に電話をかけた相手って……)


「なぁ、銀次郎。

 その時間ってもしかして午後15時とかくらいか?」


「……?確かにさとりが見たのは

 午後昼くらいのときだと言っていたような……?」


慶は思わず難しい顔をして俯く。

何故ならばその時間は慶に電話がかかってきた時間とほぼ一致するためである。

つまり。いやしかしこれはあくまでも仮定に過ぎない。

同時にただの憶測だ、そう思いたい……そう、あの時の。

真意を問い詰められ覚悟があるかを言われたあの時の電話が最後の電話だとすれば?


「まさか……いや……。

 ……!今さとりって言わなかったか?」


そう言うと銀次郎は思わず下唇を噛んで俯く。

しかし慶の真剣な眼差しに諦めを感じてか、

もしくは当に諦めていたか自ずとそれを呟いた。


「確かにさとり、と言いました。

 というかよくご存じですね、そこに気付くとは思いませんでしたよ。」


「記憶を見ることのできる妖怪、さとり……

 そうか百鬼夜行だったか……

 ん?ちなみに聞くが今もこの百鬼夜行内にいるのか?」


慶はその情報に関して自分の身を守るためにも聞かなければならなかった。

覚は目で見た者、妖怪の記憶を抵抗なくすべて見て記憶することのできる妖怪だ。

この世界に転生する前も百鬼夜行にいたことはうろ覚えだったがいざ言われてみれば

その存在は今自分自身にとって危うい存在に近い。

復活者……アナスタシオスにもバレてはいけない存在の一人でもある。

そう言うと苦虫を噛んだような顔をして銀次郎は喋り出す。


「実は山城源代様のご遺体が見つかったと同時に

 捜査を進めてはいたのですが……その……今現在は行方不明でして……。」


「はぁ?!待て!それはおかしい!

 会合の一日二日前に父さんが無くなって調べるのは確かに分かるが今はいない?!

 百鬼夜行内部のどこにもいないってことか?!」



そう言うと銀次郎は苦虫を噛み潰したような顔から

真剣な目つきで耳打ち声を出す。


「あなたが理不尽に思うことは分かります、

 ですが今回の事件には不可解な点がいくつも残されているんです。

 電話をした相手は誰なのか?

 もし電話を受け取った相手がいるのなら山城様は

 何かを託したくて電話をしたんじゃないか?

 そして今回の証言者となる覚を含め他の関係者がまとめて行方不明になっていることです。

 タイミングが不自然に良すぎる。

 確かに紗々さんが言った通りだ、今の百鬼夜行内部はおかしすぎる。」


銀次郎はそう呟き終えると納得しないかと思いますがと言って立ち上がる。

慶はその姿に気圧されるかのようにその姿を見て唾を飲み込んだ。


「……同盟の件はこのこともあり取り扱ってもらえない始末です。

 無論あなたも初めに言わなかった辺り、拒否られたんでしょう。

 捜査に関しての百鬼夜行内部への入室は認めます。

 ですが極力この百鬼夜行内部に足を踏み入れないで頂きたい。」


「……わざわざ言うためにここまで引っ張ったのかそんなこと」


「僕だって馬鹿じゃない。

 これは互いを思って決めたことです、主に組織面でのお互いですが。

 今日、百鬼夜行では会合が開かれます。

 その時にでももう一度同盟の件について話し合うつもりです。

 なので今日はここでお帰り願えますか?」


「……話が急すぎる。そこまで切羽詰まってたようには

 見えなかったが隠してたのか?」


銀次郎は微笑みそして真顔になると

分からなかっただけかと、と言って礼をするように俯いた。

慶はそれをただ見つめることしかできなかった。







慶が帰ったのち銀次郎は支度をして会合に出席しようとしていた。

会合の影響なのかもしくは今回の事件の緊張感からか

百鬼夜行内部が一段と冷え込んだかのような寒さと静寂に訪れていた。

静かなのは好きだ、だがこの静かさは好きじゃない。

嫌なことが起きる前兆を表しているかのようなものだからだ。

銀次郎は伸びきった長髪をまとめると後ろでまとめて袴に着替えて廊下を渡る。

女子供は寝ているのか、もしくはただひっそりとしているのかは分からない。


(もう23時だし当たり前……なのか?)


いやしかし特に美世はもう半妖じゃなく純血の妖怪だ。

夜行型のアイツが起きていてもおかしくはないはずだが……

それにいつも付き添って出席するはずの詩織も部屋に来なかった。

あの事件からおかしくなったのではないが

それでもいきなりすぎて銀次郎は戸惑っている。



―――確かにここ最近はやけにおかしかったのを覚えている。



ただの幹部だった自分が現役のまま隠居したぬらりひょんの跡を継ぎ総大将へ。

だが総大将になったからと言ってやることが多くなったとはいえそうでもない。

そしてその後はまるで嘘のようにぬらりひょんが総大将だったころに

比べて妖怪には規則的な統制が日々進んでいき今では完全に統率が取れている。

やろうと思えば反百鬼夜行派や陰陽道が万が一攻めてきても対抗することが可能だろう。

だがそこにも違和感を感じている。統率を取れるのが早すぎるのでは?と

……まぁ総大将になったのはつい最近と言ってももうすぐで1年弱になるが。


「遅くなった―――な……?」


銀次郎は思わず疑問符と焦燥を浮かべた。

蝋燭の明かりはつき欠けそれでも微動だにせず集まることのできた

百鬼夜行の幹部や元総大将であるぬらりひょん、一部の天竜八部衆がお見えになっている。

だがその微動だにせずは自分が開けてからではなくこの静寂の犯人でもあった。

何の声もなく何の音もなくまるで人形のごとく首はだらんと下を向き、

寝ているのでもなくただただ目は完全に見開いている異様な光景だった。

銀次郎はその光景が不可思議だと不自然だとも思ったがすぐに

”ここから離れなくてはならない”というアラームを鳴らし

一歩出るよりも前に後ろへ下がる。

だが下がった瞬間誰かにぶつかる。硬い胸板にそれは男であると分かる。

では誰か?集まる者たちの顔は覚えている。

だが除かれた一部はあくまでも手足に負傷があったり

もしくは会合の相談事で外される役人やそれに類する者たちだけ。

山城慶―――?いやアイツは帰ったはずだ。

ここに残るとしてもこの光景を見れば銀次郎よりもぞっとするはず―――


「早く中に入れ」


そう後ろの男は銀次郎の足の骨を砕きつつ

蹴り飛ばすとその先の妖怪どもに当たらせる。

当たった妖怪はショックではなく衝撃で血を飛ばしながら

次々と統制が良く取れたように死んでいく。

銀次郎はまるで瓦礫に当たったかのようにその元は

妖怪だった死体の上を踏みあげてなんとか座った姿勢で起き上がると

その先には見慣れない人物が立っていた。


「おま……えは……」


「あ?てめぇが一番分かってるんじゃないのか?

 必死に調べた癖に名前は分からないってのか?

 そんな状況下でよく”ヤマシロケイ”を信じれたもんだな?」


「まさか……お前が……復活……者なのか?」


復活者ふっかつしゃ!いいねぇ~その言葉!

 俺を名称づけるみたいで良い言葉だよ!

 だがそれはただの肩書だろう?俺の名前はアナスタシオス……

 覚えれないなら穴ちゃんでも良いぜ?

 あ、クソの出る穴じゃないぜ?」


とゲラゲラと笑うアナスタシオスは銀次郎を横目に

ぬらりひょんが座る場所へと向かい一言


「邪魔だ」


と言ってぬらりひょんの頭を引きちぎる。

銀次郎は目を見開きその光景にただ動けずに凝視した。

するとアナスタシオスが入ってきた扉から一人の少女が

大事そうに布を被せた何かを持ってアナスタシオスに駆け寄る。

それを献上するかのようなポーズを取る人物に銀次郎は驚愕した。


「覚……?!」


「ありがとよ、”目ん玉”」


覚は虚ろな目で見たことのない笑みを浮かべそのまま

土下座をするかのように頭を床に擦りつけている。

力が強いのか床の畳はすぐに血が滲み出ていた。

なぜそこに覚がいるのかそれに関しては良い。



―――だがどうしてお前がその着物を着ている?



その着物はあのとき一緒に由理と慶の婚姻祝いで妹に上げたはずのものだったからだ。

未だ動けずにいる銀次郎はその光景のなか密かに妖怪変化をし

傷の回復を早めていたがそのアナスタシオスが手に取ったモノにも更に

妙な違和感を感じ、アナスタシオスはきっと見るだろうという笑みを浮かべて

回復を早める銀次郎の前にそれを突き出した。


「これ、なぁ~んだっ!」


鼓動が早まる。

何故だか分からない、いやきっと分かってる。

だけれど俺はそれを認めたくはない。


「たった昨日にできた芸当としては良い出来栄えだろう?

 とっかえひっかえするの結構面倒だったんだぜ?

 ヤマシロケイの記憶も間近で見てくれたからこそやった甲斐があったぜ?

 ついでにお前の記憶もコイツは見てくれたしな。

 ふぅ……久々にホルマリン漬けにしてみたが結構俺も

 まだまだ標本を作ったりサンプルを保存するに至ったら現役なのかもな。

 しかし”他人をまた他人に化かす”っていう妖術を

 ここの世界で使うのは初めてなんだがソイツも知れて良かったぜ、

 ありがとうな お ば か さ ん ♡」


そう忘れていたのか布を外すアナスタシオス。

銀次郎は布から現れたモノに理性が途切れた。

そして本能のまま折れた足を放り出すようにアナスタシオスに飛び掛かる。

見越してアナスタシオスは支配したその場の妖怪に

捕まえさせ押さえつけた状態でまたそれを銀次郎の前に置いた。


「妹との感動の再会はどうだい?

 ずーーーっとそこの覚って子とアンタの孕子ちゃんっつーの?

 入れ替えてたんだけど……分かってたかい?」


「フゥ……フゥゥゥゥゥゥウウ……!!!!!!

 貴様ァァァァァアアア!!!!!!」


「ほぉ~~怖い怖い。

 一体いつから?とかって質問は受け付けるけど

 マトモに話せ無さそうだから俺が答えてやるよ。

 最初から、さ♪

 峰崎紗々とも面識を取って俺を調べてくれたのは非常に結構!

 大いに楽しませてもらったよ。

 二人の知識はと~~~っても大収穫だったからさ!

 しかし術が解けるたびにこの目ん玉に俺は制裁を入れてたんだが、

 ヤマシロケイの記憶を見た後は何故か完全に壊れちまって……

 今じゃもう家畜以外のゴミに成り果ててるんだわ。

 まぁお前の知るとこじゃないか、ハハハハハハハハ!!!!!」


アナスタシオスは一方的にこの中で誰よりも笑う。

そして銀次郎の前に置いた孕子の頭を蹴り上げると呟いた。


「そうそう、他のお友達も同じようにしてみたが

 あれが一番蹴っても壊れなかったんだ。

 お前も蹴ってみるかい?

 お兄ちゃん??」


「――――――!!!!!!!!!!!!!」


銀次郎はその言葉と行動でさらに加速して折れて青くなった

足の痛みよりも復讐にその恨みという名の油を注いでいく。

だがそれも虚しくアナスタシオスはひとしきり楽しんだ後に

銀次郎を捕縛し抑える妖怪らに一斉に殺せ、と命じる。

すぐさま鋭利な刃物、ナイフ、刀を銀次郎に突き刺し

銀次郎は吐血しながら手をアナスタシオスに伸ばした。


「汚ねぇなぁ、おい」


「っ?!!!!!!――――フゥッゥゥゥゥゥゥ……!!!!!」


アナスタシオスはその手を払わず踏み折ると銀次郎の手、指は

あらぬ方向へと折れてしまう。

だがそのそれでも痛みよりも復讐を彼を動かした。

だがそれでもアナスタシオスは呟く。


「”死ぬまで殺せ”」


「――――っ……!!…………!!」


そうして何度も何度も刺突を行い原型が無くなるまで

銀次郎はその手を伸ばし畳に爪が突き刺さり剥がれようとも

その執念を尽かせることはなかった。

そして死んだことが確認されるとアナスタシオスは

支配下に置いたモノたちへ呼びかける。


「”片付けて準備しろ”きっとアイツは来るだろうからな」


にやっと笑って付き添いの覚を従えてアナスタシオスは闇に消えて行った。


多分今までで一番自分の中での悪役の理想像が書けたかと思います。

というか物凄くエグイ感じですが個人的にはもっと深く書ける気がしました、が

それをしてしまうと完璧にR18になってしまうのでR15表現ギリギリで書いたつもりです。

では次回更新お待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ