第2章35話 「嵐の前の静けさ」
どうやって結婚の挨拶するのか分からなかった結果想像で書いてます。
長く書かなかったのはよく分からなかったためです(・ω・)すみません。
それからほどなくして。
由理は着替え赤色の着物を着こなし慶も
また袴を着て待機していると
小姓らに案内された由理の友人らが姿を現す。
由理は軽やかに、そして慶はただひたすらに
懐かしいという気持ちに駆られていた。
そして銀髪の青年は結婚に対するお祝いと共に自己紹介をする。
この場において慶とその青年は初めて会う関係だが
慶は既に知っているしそして
その後ろの由理の友人も同じように知っていた。
「百鬼夜行、現総大将の坂崎銀次郎……
この度はご結婚おめでとうございます。」
お辞儀をする由理の友人らに慶と由理もまたお辞儀をする。
その後は会話に弾んでいった。
由理の友人として来たのは坂崎銀次郎をはじめ
峰崎美世、坂崎孕子、北園詩織……そして慶は初対面になる
猫又夏梅……彼女は猫又の妖怪らしい。
慶はその猫又の彼女のことも気になり、
どういう経緯で彼女らと出会っていったのかを
由理に聞くことにした。
「美世ちゃん?かぁ……美世ちゃんは
私が百鬼夜行との同盟のために
直接出向いたときに会ったかな。
酒吞様の付き添いだったしまぁあの時は挨拶も含めてたからね。
同年代の子と一緒にいた方が良いって言われて
そこで孕子ちゃんとしおりんにも会ったかな。」
「へぇ……そういやその時から反鬼の次期大将だったのか?」
「うーん……まぁ?
次期総大将って意識し出したのはつい最近だよ。
酒吞様の養子だって知ってる人は本当少なかったから。
というか総大将の養子だからって
次期総大将候補にはならなかったんだよね。」
その話に慶は食いつく。
銀次郎は分かってるみたいだったが他の友人ら4名も
また気になっているようだった。
「というと?」
「反百鬼夜行派は百鬼夜行とかと違って
大将の子孫でも次期総大将にはなれないんだよ。
まぁ優れているかで言えばそうでないのかもしれないけど……
反百鬼夜行派は代表候補選をして勝ち残った人が
次の次期総大将になるんだよ。」
「それは現総大将の一声でも百鬼夜行とかの
モノとかに変更できないのか?
……ああ!ええと、現総大将が候補選はやめますって
言ってやめることはできないのか?って話。」
すると由理はくすっと笑い銀次郎もまた苦笑する。
それに由理が補足するように話し出した。
「経緯は様々あるんだけど一番の理由は誰が優れているか、なんだよね。
才があっても力がなきゃ皆を統率できないんだよ。
あくまでも百鬼夜行の体制に反旗を翻した妖怪の集まりだからね。
だから当時はそうやって強い人を決めて統率していたの。」
そうか、と納得する面々に銀次郎は呟く。
「まぁそのポイントを除けば百鬼夜行とあまり大きな違いはないしな。」
そうだね~と由理は呟きじゃあ次にと言って美世の右横に座る
黒髪の少女を見て喋り出した。
「夏梅ちゃん……銀次郎は初めてだっけ?」
「ああ、そういえばな。
だけどどっかで見たことある気がするんだよな……まぁ良いか。
続けてくれ。」
「猫又夏梅ちゃん、私は夏梅ちゃんって呼んでるけど
出会い方は特殊なんだよね。
今は……朝暮町にいるんだっけ?」
すると髪を弄ってたのか驚いたように声をあげて左右を見て前を見つめ照れる。
そして茫然と?マークを浮かべてそのまま黙る彼女に由理はいつものように
もう~と言いながら経緯を説明すると笑いながら頷く。
「朝暮町に行く用事があってそこで知り合ったかな。
そこでもまた違う友人に会ったけどそっちの彼女は忙しいから今日は
来れなかったかな。……で!夏梅ちゃんは珍しくどこの組織にも
所属していないんだよね?」
コクリと頷く夏梅に由理はうんうんと同じように頷く。
慶はそんな夏梅を一瞥してあまり喋らない子なんだなと考える。
黒猫なんだろうかは分からないが黒いショートヘアに青い瞳、
そして姿は薄い灰色のヘアバンドをしており同じく黒と紺色の着物を着ていた。
猫又の特徴である二つに分かれた尻尾が着物の中から見えている。
「?」
一瞥して考えを巡らせていたがその一瞬で見たのを気付いたのかどうかは
さておき夏梅はふと慶を見る。それに慶も気付き視線を戻すと既に
夏梅は由理や美世と話を弾ませていた。
「そういえば三者会合って大丈夫なの?
三人で話してくることあったら私と孕子ちゃんと
夏梅ちゃん、しおりんはここに残るけど……」
ふと美世がそう言うと銀次郎は立ち上がりながら同じように
立ち上がる由理に手を出して良いよ、と呟いた。
「三人だけで話しちまったら折角来たのに申し訳ないだろう。
えーっと……山城じゃ二人のことを
指しちゃうから……慶と呼んでも良いですか?」
「!……ああ。それと敬語は不要だ、銀次郎。
俺も坂崎じゃ二人を指してしまうから名前で呼ぶよ。」
そう言うと快く笑いながら美世に対して喋り出す。
「三人で会うのが三者会合ならここでもう会ってるしな。
同盟とか情勢とか……まぁ詳しい話は今慶と話してくる。
だから席を外すが大丈夫だよな?」
銀次郎の言いたいことは簡単だ。
由理を交えて話すのも良いが待たしてしまうのも
何なので由理と繋がりを持つ慶と話したいことを
話してしまえば良いだろう、というものだった。
「重要な議題が出たら呼ぶとして……どうだろう?」
慶も異存なく賛成の意を示すと由理はじゃあそれで……と呟き
銀次郎と慶は別室で話し合い残り四名は小姓である須原を警護役として
また別室の案内には陰陽道側の奥小姓である北園詩緒が案内することになった。
案内中何故かそわそわする詩緒に連れられ別室へと着くとそのまま襖を閉めて
外で待機する詩緒に銀次郎は薄く笑って呟く。
「何かに怯えてるようだな、あいつ」
「怯えてる……?そうか?なんか気怠そうにも見えたが……」
そう言いながら対面するように胡坐をかくと銀次郎から先に話し始めた。
「堅苦しいのもあれだからさっさと話し始めよう。
単刀直入に聞く、山城慶。
"例の復活者の情報"……体格だったり所在があるなら話してくれ。」
・
ここに来る前、銀次郎は峰崎美世の母である峰崎紗々に
紗々自身が集めたとある情報の詰まった媒体と
引き換えにその情報についてを聞き出していた。
というのも元々紗々が集め整理してしまえば
良かったものを総大将としての勤めを任せられた
銀次郎に任せてしまったことが発端だった。
普通はやるべき業務を今まで怠っていた紗々は総大将補佐として支える分
今まで溜まっていた業務らを一緒に肩代わりしようと言い出す。
普通は通らないであろう業務だったが銀次郎は
紗々に恩があるとかなんとか……結局やることに
なったのだったが量が量だけに銀次郎は疲れ果てていた。
その疲れを少しでも紛らわせるために銀次郎はその情報に目を通し
……結果として銀次郎は"復活者"に関しての存在とそれが
どれほどの脅威なのかを知ることになったという。
そしてそれを知った上で銀次郎はこの件に関して関わることを決めその経緯を
慶に話し始め、そして終わると慶は何ともいたたまれない気持ちになっていた。
「……で、情報が知りたいんだが何か知ってるんだろう?
紗々さんとの会話の中に何回か"山城"って言葉が出たんでな。
陰陽道元総大将、山城源代になんて俺は会える身分じゃない、なら
ご子息である現総大将の山城慶に言えば良いだろうとか
考えてたんだが……どうだ?」
「どうだ?ってお前……」
慶は反応に困る。
何故ならこの件がどれだけ人に知られては
いけないかを理解していたからだ。
狭間の世界のことに関しては知らないみたいだが
それでも秘密にしなくてはいけない。
いつどこでバレて逆に狙う人物に知られてしまうか。
銀次郎の行為は興味本位で済ましてはいけないものだ。
(しっかし、紗々さん……爪が甘いというか怠惰というか……)
頭を抱えて寝てしまいたい。
寝て何もかも忘れてしまいたい、
だがそれはどうにもできないだろうと考え
慶は銀次郎に目を変えて話し出した。
「……もし知っているとしたらどうする?」
「俺の役に立たせるが?俺だってもう百鬼夜行の大将だ。
知らないとやばい情報なら率先して俺が見る必要がある。
勿論みんなを守るために、な。」
なんだか昔の自分を見ているようだと慶は考える。
甘い。
みんなを守るためにそれまでどれだけの苦労があるか。
嬉々として話し出した銀次郎に慶は完全に目の色を変え
威嚇するように呟く。
「じゃああんたはみんなを守るために自分を犠牲にできるか?
喜々としてみんなのために役に立ちたいから知りたいと思うなら
これ以上は関わるな。命が惜しいならこれ以上深入りはするな。
―――死ぬぞ?」
赤い敵を殺す、という感情の手前の赤く灯った目で見据えると
銀次郎はニヤリと笑って右拳を突き出しながら話し出す。
「分かってたらこんな面白いことやらねぇよ。
やるって言ってんだよ、その犠牲に。」
犠牲に、とキリッとした目で呟くと慶はその銀次郎に
どこか懐かしい気持ちに見舞われながらその考えが
どれだけ甘えというものなのか理解しながら慶は目を瞑る。
確かに甘えだ、そんな言葉だけじゃ守ろうにも守れない。
力もいる、情報もいる。
敵を探るには場所だっている。
俺はそのために陰陽道に入って陰陽道から見える復活者について
また陰陽道からの景色を眺めた。
だが……思った以上にその景色は普通だった。
俺は決心もつかないままそんな旅を続けるんだろうか?
本当に?
「そうか……なら―――」
いや、それは無意味なのかもしれないな
意味があったと感じても他人から見れば無意味なんだろう。
なら余興程度に、また情報を掴むために、そして利用するために
話を訊く程度には良いかもしれない。
「良いだろう。話を訊こう。
そして俺からも分かることを話そう。
同盟ってのはもう繋いでるんだっけか?
まぁなくてもアンタは復活者について知ってるんだろうし
なら良いだろう、俺とアンタ……銀次郎との協定関係ってのはどうだ?」
「ああ、それで行こう。
あと補足すると同盟は結んでない、あくまでも停戦状態のままだ。
今日の三者会合を機にちゃんと結ぶとしよう。
……ってのも実の所このこと百鬼夜行じゃ話してないんだよな。
慶、君はどうだ?」
そう銀次郎は右手であごをさすりながら呟く。
慶は自分も確かに部下……いや陰陽道に所属する各陰陽師らに
このことを伝えてはいない。
だが三者会合をするということは伝わっているはずだ。
(親父に具体的な話でも通しておくか……なら)
慶は俺も伝えてはいないという旨を銀次郎に伝えたうえで
詩緒を呼ぶ。三者会合の結果をすぐにとはいかなくとも
親父……山城源代には話を通しておこうと考えたためだ。
しかし呼んでも一向に現れず不審に思った慶は外を見て確認する。
そこには詩緒はいなく代わりに夏梅の姿があった。
いきなり現れたわけではないがそこにいるとは思わなかったためか
慶は驚いてたじろぐ。
それに銀次郎も不思議そうにするが立ち上がることはなかったようだ。
「ど、どうしたんだ……?」
こういうとき敬語にしたら良いんだろうか……と考えながらも
そう受け答えするとただただ夏梅はじっと慶の瞳を見つめ
悲しそうな顔をするとそのまま詩緒と入れ替わりで由理達のいる
部屋へと戻っていった。
慶は不思議そうに入れ替わりで帰ってきた詩緒が何をしていたのかを
問いただそうとしたとき、
その詩緒の顔が焦り明らかに不安で冷や汗をかいたよういしているのに対して
慶は恐る恐る何があったのかを問いただす。
「な、何があった……てかどこにいた……?」
「初めはちょっと私用で出ていたのですが
その後電話がかかってきまして……
山城様、すぐに坂崎様並びに客人をお帰りなさいませ。」
すると呼ばれたのか銀次郎も立ち上がり
真剣な目つきで何があったのかを問いたした。
「何があったんだ?」
「山城……源代様がお亡くなりになられた……と。」
その言葉に慶は驚くが銀次郎はピンと来ずどうしてそれが
自分たちに関係あるのかを話すと驚きの答えが返ってきた。
「それが……どうやら百鬼夜行内で
その……遺体が発見されたようなのです。」
・
いつの間にか雨が降っているようだった。
どうしてだろうか今日は晴れなはずなのに。
降水確率は0だったのにどうしてだろうか?
由理はそう考え談笑しながら外を見つめた。
外の暗さは今の雰囲気に合っていない。
今は明るく楽しい気分なのにどうしてだろうか?
「……嵐が来るの……かな」
その言葉は抗いようのないこの先のことをそっと表していた。
毎度のことでしが遅くなって申し訳ありません( 一一)
そして書いてて思ったのですが慶くんっていっつも大変ですよね、色々事情抱えてるのに……
書いてる自分が言うのもなんですがこれが主人公の運命なのでしょうか……。
さて次回お楽しみに、と言いたい所ですが
既に投稿されている第0章キャラクター設定という話ですが
こちらの方で現在かなり詳しくまとめたキャラクター設定を書いているので
その既にある設定を消そうかと思います。
とは言っても内容が希薄のためまぁ良いんじゃないかな?とは思っています。
肝心のキャラクター設定は別途作品として後日投稿しておきます。
ご確認ください。
ではまた次回にご期待ください(^^♪




