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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第2章【陰陽道所属の世界】
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第2章26話 「覚悟への問」

遅くなりました、こちらも原稿書き直しの部分でした。

とりあえず、出来上がったのでどうぞご覧ください(^^♪

『さて…何から話したもんか…とりあえず慶。』


「なんだ?親父」


電話は昔のタイプの受話器が繋がっているタイプだった。

そのためその場所から違う場所に行動することは限られる。

そんな電話越しに源代は一間置いて喋り出した。


『…聞く前に一ついいか?』


「…ああ。」


『お前は相手の名前を伏せて妖怪の本質のような

 強力な力を持つをナニカ…それを調べてくれと私に頼んだ。

 うむ…確かに調べてくるうちに意味の分からないものが

 百鬼夜行内部に潜んでいることが分かった訳だが

 どうしてそれを知っている?

 そしてまさかとは思うが…その力の詳細は知って―』


知っているか、だって?

慶は他人口調で源代に答える。

すると源代はあからさまに不機嫌のようなもしくは

不安に満ちた声で呟く。


『お前がどこまでこの件に関わっているのかは分からない。

 だが私は先に忠告だけはしとくぞ?

 慶、この事件やまから手を引け。

 今まで死んで生き返るという本質がある妖怪は吸血鬼か屍だけだった。

 だがやつはそんな甘いものじゃない。

 他人の命を吸い取る妖怪…いや悪魔だ。』


「…そんなこと分かってる。

 でもこれは俺がやらなくちゃいけないことだ。」


さっきまでとは違う熱のこもった声で慶は源代…いや自分自身の

家族を脅しかける。脅すというより迫るのが正しいかもしれない。


『…なぜお前だけなのだ?

 他の者に任せるという選択はないのか?』


「ない。あってもどうせみんな……―――死ぬ。」


前もそうだったように。

今やつの…アナスタシオスのスキルが分かった以上

これを知っているものにしかこれは頼めない。

そしてそんな頼めるやつは…いない。


『…分からない。どうしてそこまで命を張るのか

 そんなに大事なことなのか?最悪お前が死ぬぞ、慶』


「大事だといえば嘘になる。

 でもこれは嘘だったとしても建前だったとしても

 自分を振り切るにはもってこいだ。

 それに俺は守らなきゃならない…だから信じてくれ」


ふがいないな…本当にこれは。

だから信じてくれって?

何もやってないしその信じる前の出来事について

俺は何もできていない。

目の前で死んでいく者たちを眺めてやっとこさ振り絞った

力で敵を倒していった。でも…でもただそれだけだ。

力で敵を投げ倒して生まれた光景は血よりも赤く黒く

不安と焦燥だけが濃く映りながら手に残る世界だ。

俺は正直信じてくれと言って信じないと言われても

仕方のない人間だ。

俺は…俺は……


『…何を考えてるんだか…。ん…。

 ―――良い、これ以上の詮索は時間の無駄だ。』


えっという声がそのまま口から飛び出す。

それに源代は何か不満があるか?と慶に訊くが

慶はいいや何も!と言ってそれを断った。

そして情報は今回調査で明かされたものだ。

調査にはどうやらエクリクシィ・ホープのも併せて

出たものらしく源代には言伝として教えられたというが

本来であれば外には出せない他言無用の結果だった。

だがその情報はえらくでかい収穫だったらしい。


どうやら相手…つまりアナスタシオスは今現在においては

単独行動を行い特に人や妖怪を襲う訳でもないが何かの

理由があって百鬼夜行に潜伏しているのだとか。

前の三者会合では百鬼夜行元総大将であるぬらりひょんの

部下らが調査を行った結果、潜伏はしていてもどこにいるのかは

未だ謎だという。だが今後調査を継続していく中で

それは明らかになるだろうということだった。

そして話はイギリス支部のエクリクシィの話に移るも

その内容はとても希薄だった。


『イギリス支部の方からの言伝は、

 そちらに直接使者を送るので

 その者から結果を聴いて欲しいだとか。』


「へ、それだけ?」


『それだけとはなんだ。

 これでも最重要機密なんだろ?

 ある意味でこちらのことを尊重しての配慮だろう。』


源代の言葉にああ…と思わず呟きながら納得する慶。

源代はまったく…と言いながら愚痴のような言葉を慶に漏らす。


『…お前は本当に代表を言い張れるのか心配だよまったく。

 周りも一斉に世代交代をしたのかと思えば

 お前はやはりまだまだだったみたいだな……慶』


「…なんだよ親父」


深呼吸して源代は呟く。

慶はそれを不機嫌ながらもそれに生返事で答える。

だがそれと同時に何かの違和感を感じた。


『……』


「…親父?」


『…子ども…できたら見せてくれよな?』


心配したかと思えば世継ぎかよ?!

と慶は源代に突っ込みを入れる。

それに源代はあははと酒を飲む音を響かせながら笑うと


『まったく世話の焼ける息子だよお前は

 ……まぁお前もちゃんと頑張ってくれよ?

 守りたいってさっき言った通りにな』


「…ああ。」


『なんだ?自分で言っておいて照れてんのか??』


親父臭いセリフを、源代は慶にぶつける。

すると慶はあからさまに真っ赤になったかと思うと

源代に暴言を、顔を隠すように叫ぶ。


「ばっ…!馬鹿かくそ親父!

 んなこたねぇよ!!!」


『じゃあちゃんと守るのか~?

 さっき言ったことは嘘だってか??』


「なっ…んなこたねぇよ!

 ちゃんと守るに決まってるんだろ!?

 政略結婚だとか言うけどな、今じゃ俺の立派な奥さんだよ!!!

 ―――あっ」


すると源代は爆笑しながらそれは守らねぇとな!

と笑いを抑えようとずひぃひぃ言いながらじゃあ、と言って


『ちゃんと守るってことだ。

 ちゃんと守る覚悟を持ってるってことだろ?

 なら安心したよ、他もその意気でいつまでも俺を困らせんなよ?慶』


「……ああ、約束するよ」


『ようし…良い約束だ…良いか絶対だぞ?

 絶対守れよ?良いな?』


「…ああ、てか親父…」


『なんだ?』


怒涛の源代の問いかけに慶は何かあったのか?

と声をぶつけようとする。だがそれは形にはでず

いいや何でもない、と代わりにその言葉が口から洩れた。


『そうか。まぁ約束もしたことだし話すことも話したしな。

 そろそろ切るが大丈夫か?』


「ああ。何かあったらまた連絡する」


『おう、分かった。』


「じゃあ。」


おう、じゃあな~と源代からの電話は途切れる。

慶はまったく…といった顔で受話器を置く。


(明日…来るとはいえ自分の方も準備をしなくちゃな…)


そう慶は準備も兼ねて妖術の勉強と並行して

自室へと戻るのだった。



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