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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第1章【百鬼夜行所属の世界】
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第1章7話 「Good Morning!」

小鳥のさえずりが聞こえる。

ピヨピヨ‥…ピヨピヨ‥…

朝だ、平和な、多分平和な朝。

私は手元にあった着替えを取り着替える。

いつの間にかそれはいい匂いがした。

誰かがやってくれたのだろう。

私はまたベッドに横たわり、考えた。

もうすぐで私はこの町から出る‥…そう

慶くんと約束したから。

私が生まれながらに持つこの気……。

放っとけば死ぬと言われてて。

まだ、死にたくないから私は言う通りにした。

そして今私はその彼の自宅にいる。

泊まらせてもらったのだ。

帰りは危ないと。

そういうことだったのだが‥…


「ヤバい‥…完全に寝坊した‥…!!」


時刻は当に8時を過ぎており、

学校のホームルームの時間は8:35‥…。

完全に明日が、今日が学校だということを

忘れていた‥………。

私は勢いよく階段をドタドタと駆け降り

居間に向かうー…


「どうしたの?香山さん。そんなに慌てて…

 慶なら学校だけーうわっ!」


そこには坂崎銀次郎が昨日とは違うがとても清らかな

灰色の袴のような姿、髪は長いのか後ろに一本に束ね結んである。

そしてそんな姿の銀次郎は優雅にその姿には到底合わない

マグカップを片手に食事をしていた。


「がっがががが学校ってどういうことです

 か??えーと…」


名前が分からずにいると優しく微笑み銀次郎は由理に

自分の名前を呟く。


「坂崎だよ、坂崎銀次郎。」


「じゃあ、銀次さん!ななな何で私はここ

 にいるんです??」


「いやぁ、起こそうと思ったんだけど…女性

 が寝ている時に男性は入っちゃあ駄目

 でしょ?だから美世さんに起こしといて…

 って言ってたんだけど…ごめんね。」


目はどこか遠くを見ており自分ではどうすることもできなかった

という雰囲気だった。だが気配は確かに由理と銀次郎しかいない。

念のためすぐさま玄関に向かうとそこには確かに2人分の靴しか

置いていない。つまり―置いて行かれたか忘れさられた…?


「ふぇぇぇぇ!!!!じゃあ、どうすれば

 良いんです?学校に行くには!」


銀次郎には言ってもしょうがないことを由理はどうすることも

できない状況を前にして涙ながらに呟くと銀次郎はマグカップにある

飲み物を飲み終えてから由理になおる。

由理は思わずあっ…と呟いたが銀次郎はニコッと笑い


「乗ってく?」


―――半獣型の妖怪、九尾の状態に変化した。


「え?」








「うわぁぁぁぁ降ろして降ろして下さい!」


『この妖怪変化、途中でやめたら落ちるよ。

 下は‥………人いるね。』


「だったら尚更降りてください!下の人に

 見られちゃいますよ~!!」


と、銀次郎さんが妖怪変化?というもので

白銀の毛、尖った鼻、鋭い目つき‥………妖狐に

なり由理を乗せ学校へと向かっている。

だがどう由理から見てもこの姿はバレバレなんじゃな

いかというくらいに銀次郎は妖狐の姿で街を駆けていた。


『ははは、大丈夫だって。妖気でこっち隠してるし。

 普通の人は見えないから大丈夫だよ。』


「でもでも!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 落ちる落ちる!!」


『なかなか可愛い声出すね‥…面白いなぁ。』


「え?え?スピードは出し過ぎたら‥…うわぁぁぁぁ!!!!

 いやっいやっいやぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!!!」



こうして由理は無事に登校した。

美世はごめん!と屋上に着いた銀次郎の背中に乗った

放心状態の由理に謝り、またあははと笑う銀次郎を慶は叱る。

何時間か経って転校の話となり私はいよいよその時を迎えた。

一度にこんなにも転校するのは久々だと先生は言っていた。

それもそのはず、転校するのは由理、慶、美世、

そして同級生の北園詩織の計4人だったからだ。

自分の家へと帰った由理は荷物をまとめ

もう荷物も何もないアパートにバイバイ、

と言い放ち出て慶の家と向かった。

出立は明日の朝と決まった。

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