表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第2章【陰陽道所属の世界】
61/93

第2章11話 「後悔の念」

今更ながら後悔がある。

それは今日仮とは言え政略結婚をする

相手と会うことになっていることだ。

様子見として半月の間、そいつと二人で暮らす。

それがどれだけ大変なのかは正直見えていない。

だからこそそれが今、後悔となって目の前に立ち塞がっているのだ。

とはいえ。その立ち塞がる壁は分厚くはない。

簡単に突破は可能だ、なぜなら俺は相手のことを全く知らない。

全く知らないのだから表面上の付き合いをする傍ら

アナスタシオスに関することを独自に調べ上げればいい。

ここでの話とは一理関係があるのだがエクリクシィ・ホープが帰った

その日にツキネのところへ会いに行った。

目的としては大まかに三つ。

一つはちゃんと機能して狭間の世界へ行けること。

俺にも権限はあるからと思い試しにトイレの扉を開けて入ると

ちゃんと狭間の世界に行ってツキネに会うことができた。

意外にも早い帰還に驚いていたがそれは単なる

俺の聞き込みのようなものなのでそれを聞いたツキネはああ、と

安堵して俺の質問に答えてくれた。

で、二つ目と三つ目はその聞き込みだ。

二つ目に俺が挙げたのは"エクリクシィ・ホープとの間柄について"だった。

ここで知らなければエクリクシィ・ホープとやらが疑えるのだが。

と思って最後の方では適当にかつ信じている風を出して話していたが

どうやらツキネの古い友人だそうで安心した。

なんでも旅の道中に天使に捕まったことがあるそうで

そのときに自分たちの身の潔白や心身を保護したのだそう。

それを聞き終わった俺はすぐに三つ目を聞き始める。

三つ目は"どうして狭間の世界でいつでも監視できるはずなのに

アナスタシオスは見つからないのか"という至極簡単な質問だった。

だが帰ってきた答えは非常に無常だった。(ツキネにとって一番)



"出来ればそうしたいところだが接続の維持にはかなりの体力と生命の

エネルギーを使ってしまう。私はこれでも時が止まっているとはいえ

体感では長く生きているのだ"



ということらしい。

だがここで俺は思い付きある意味聞いてはいけない質問を投げかけた。



"じゃあどうしてツキネは年老いていくんだ?"



言ったあとで失礼すぎると思って前言撤回したが

微笑みながらツキネはその答えを言った。



"私には【不老不死】というスキルがあるが体感ではそうではないらしい。

老いず死なないとは言っても身体が朽ち果てていくことは止められない。

これだけはこの狭間の世界でも止めることはできないようでね。

見た目はロリ幼女でも中身は年老いた狐…なのだよ"



吐いて捨てるように言ったツキネは見た目にそぐわない何とも遠目な

笑みで笑った。

狭間の世界はあくまでもその世界内の時を止めているということ。

だがそこで生きる者の生命の死への進行は矛盾の末止められないという。

ツキネの一生、つまり彼女がどうやって生きてきたかは分からない。

今は知らないままで良いのだが…その目で遠くを見つめる姿は

子供には到底真似できないもののように感じた。


(ツキネは相当な年月を歩んできたのだろう。

だがエクリクシィ・ホープやディオミスさんとは…?)


数十年という最近の単位で会ったのならば。

彼女は一体何年生きてきたのだろうか…?

……その答え探しは後に回そう。

今は世界の危機的状況を作り出す人物、

アナスタシオスの撃破が優先的だ。

と思い考え俺はありがとう、とお礼を言ってその場を後にした。

そしてトイレの扉を閉め時計を確認しに行くと

数秒しか時計は進んでいなかった…がいささか不思議ではない。

さっき俺がいた場所は時が止まっていたのだから。


「おお、ここにいたか慶。

 もう到着されているそうだ…客間のほうに案内させている。」


「ありがとう、父さん。今行くよ」


「しっかし…お前が結婚とはなぁ…

 …母さんにも見せてやりたいな…」


俺はそれにそうだね、とだけ答えてすぐ後ろ背になって

その客間に向かう。客間には大柄で坊主の袴の男が一人と

従者が四人か。

…?

結婚するといった相手は??


「次期頭領、山城源代の息子

 山城慶です…―ご息女がお見えではありませんが…?」


「ええ、何も緊張するといって…ん、今戻られるようです。」


そう大柄な男は言うが…この人も従者なのだろうか?

となると後ろの四人はその従者の部下??

反鬼の頭領の娘とは聞いたが父親となるものはいないのだろうか??

と考え込みながら見ていると着物を着た若い女性が

従者の後ろから歩いてくるのが見える。

明るい茶色で短い髪の毛だ。綺麗でサラサラとしているのが

距離が多少あるとはいえ目視でも確認が取れた。

父さんが横に座ると挨拶をする。

その声はどこかで聞いたような声だった。

そしてそれを探すように慶はその声の主を注視して固まる。


「この度は我が反百鬼夜行派との仮ではございますが

 同盟の件ありがたきことでございます。

 申し遅れました、私次期反百鬼夜行の頭領でありその娘。

 ――――香山由理と申します。」


右にブルー左にグリーンの瞳のオッドアイ、

凛々しい表情とは裏腹に身長や体格は割と中間で低め。

前のいた世界で、いや。ずっと見慣れていた存在がそこにはあった。

慶はその事実だけに固まってしまったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ