表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第2章【陰陽道所属の世界】
55/93

第2章5話 「断り」

慶はクロに、ツキネに呼び出されている。

おおむね話の内容は理解していた。

"終焉"が終わったのだろう。

そうツキネは言っていたし。

やることをやったら呼び出すとそう聞かされていたから。

そして呼んだということは終わったということと同義だ。


「…来たか。」


そう真剣なまなざしでツキネは慶を見る。

その姿には今まで見られなかった凄みを感じた。


「先に断っておく。

 山城が転生して引き継げるのは今ある力のみだ。

 容姿や体格、性別等がどうなるかは分からない」


「そうか…分かった。」


そうツキネの断りをすぐさま了承すると

ツキネはまた慶に話し始めた。


「だが、次の世界線では自分がどういう

 立ち位置にいるかは私自らの力で変えられる。

 どうする?また妖怪として生きるか

 それとも人間として生きるか。

 それともどちらにも属さないか。」


「…人間より、つまり陰陽師としての生き方をするよ」


もう既に決めていたことをツキネに話す。

一回目の転生、つまりその世界で簡単に目標となる

アナスタシオスが見つかるとは限らない。

そうならばそうでアナスタシオス周辺を徹底的に洗い調べ

そして同時に自分自身が新たな力をつけるべきだと

そう思ったからだ。その思いを告げるとツキネはうんと頷いた。


「よし、ならばそうしよう。

 年齢等は変えられるがどうする?このままで転生した場合

 それまでのその世界で生きた山城慶という人物の記憶を

 頭に入れる、つまりインストールすることになるが。」


「ああ、それで良い。変えなかったら変えなかったで

 起こることは同じようになるかもしれないしな。」


世界線は同時に展開する。

しかしその一方で世界線では似たようなことが起きる。

運命が一つではないと思った人物は少なからずいる者の

そのような人物が多数占めていなければ自ずと

どの世界線もまったく同じように一つに直進、

そして同じように世界線は一つに収束する。

疎らな人生も運命も世界線も最終的には一本にまとまる。

それをツキネは知っていた

だからこそ慶の言うことには同調する部分があった。

しかし逆に認めていない間違った部分があるのを知っていた。


(慶は違う世界線から来ることになる…

 拒絶反応が無ければいいのだが)


ツキネはその言葉には何も言わず話し始めた。


「今後何かあれば"狭間の世界へ"と唱えながら

 どこでもいいから扉を開けるといい。

 迷わず一応ここに来れる。だがもしもここに

 適さないものが来た場合は私ではなく私が認める

 攻撃部隊がお前もろとも攻撃を開始する。

 これだけは分かってくれ。まあ、狭間の世界では

 時が止まっているから少し入っただけでは

 転生した世界には何の問題もない。

 さて転生の仕方だが。」


そうツキネが指さす方を向くと

自分が目覚めた部屋をさしていた。


「あそこで転生したい形で寝てくれ。

 武器等はあとで渡せるようになるが念のため持っておくといい。

 それで……ああ、この服だな。」


とツキネは慶に最後に来ていた少し傷のついた

黒服と呼ばれる戦闘服の黒コートを渡す。

どうやら預かっていたようだった。


「武運を祈る、私は君が寝た後に転生させるために

 それなりの方法で何とかしておく。

 まあ今は次の世界に期待しながら寝に行ってくれ。」


そうツキネに言われ

自分の部屋で黒コートに身を包み鬼の蹄を携え寝る。

とは言っても仰向きになって掛け布団をかけずに、だが。

目を閉じて僕は考える。今後をどうするかだとか、

銀次郎や美世のことを考えた。

だが考えたが何も生まれなかった。

生まれたのは事実、僕には今なにもできない。

ならやれることを考えてやればいいと。

僕はそうして静かに眠った。







「さて。山城も無事転生したな。

 はぁ……無事に頑張ってくれればいいのだがな。」


そうツキネは転生の儀式を終え

慶のいた部屋を出る。

そして曲がり角を左に曲がり書庫の扉を開く。


「雲雀さん、いる?」


「ええ、どうしたの?彼はもう行った?」


雲雀は見えない目でくすっとその方向に笑顔を向ける。

そしてベンチのような洋式の椅子に座ると

その膝の上にツキネは頭をのせる。


「あらあらあら、もう仕事は良いの?」


「今は…休みたい…眠た……い……すぅ」


と雲雀はいつも聴き慣れた姿にツキネは変わった。

書庫ではあるが読みやすいように

寒くない暖かい空間にしてあるので

寝てしまうのは分かっていた。

ツキネはいつもこうして休みたいときに

雲雀に声をかけては膝枕をして寝ている。

来客があれば狭間の世界とリンクしている

ツキネは起きるが今のところいない。

だからこうしていつものようにツキネは寝ていた。

確かに山城に対して心配はあったが…


(あいつはあいつなりに自分で運命を決める存在。)


それであればツキネがとやかく言う筋合いはないと

彼女の胸の中で決定したからだ。

だからこそ彼女は何も手出しは今後一切しない気ではいる。

それが彼の運命となるから。


「今日も…お疲れさま」


そう髪を雲雀に撫でなられながらきっと見る夢の中に

ツキネは意識を落とした。


次より、1回目の転生です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ