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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第2章【陰陽道所属の世界】
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第2章1話 「目覚めた床で(プロローグ)」

ついに第2章開幕です!

登場人物は今のところ少ないですが第2章序盤では

今までの布石に対する説明が多い内容となります。

いわゆるフラグ回収です。

なのでじっくりと楽しんでいただけれたらなと思います。

ではではどうぞ!




何もない空間に僕は立っている。

何かあるのかと思えばその何かはなくなってしまう。

そういえば僕はなんでここに…?

と"目"を見開こうと触ると顔に"目"はもうなかった。

次に"耳"を触った。

何かを聞こうとしたから。

でも"耳"はもうなかった。

次に"鼻"を触った。

何かを嗅ごうとしたから。

でも"鼻"はもうなかった。

次に"口"を触った。

何かを言いたかったから。

でも"口"はもうなかった。

次に"顔"を触った。

自分がどういう"モノ"なのかを知るために。

手で触ったら顔には何もなかった。

つるっとそこには存在がなかった。


―これは悪夢だ。








「うっ…うう……」


見知らぬ天井とふんわりとした光に包まれ

触り心地よしの布団に僕はくるまっている。

一度自分に顔のパーツがあるのかを確認する。


(良かった、ついてる。)


『ん……起きたか。

 おーい、自分が何者か分かるかい?山城慶』


「名前…言ってるじゃねぇか…」


山城慶は布団から起き上がるように出ると

布団の横に浴衣姿の何かの動物の耳が生えた少女が

椅子に座りながら微笑してこちらを見ていることに気付く。

見た目では孕子よりも幼い印象を受けた。


「あんたは…?」


「"あんた"か。

 初対面の人にはなるべくそれを使わない方が良いぞ?

 見た目だけで判断してその実自分より

 歳を食っているなんてよくあることだ。

 ―この世界においては特に。」


「え…この世界って?」


段々と記憶を思い出しかけている慶に対し

少女は微笑を続けて一瞬目を閉じると

もう一度目を開き。


「この世界、"狭間の世界"にようこそ。

 私の名前は"ツキネ"

 会えて嬉しいよ山城慶。」


狐耳の美少女、ツキネと慶の初めての邂逅だった。






こげ茶色の廊下を慶とツキネは歩く。

ツキネは前を、その後ろを慶が歩いている。


「…ん、どうしたんだ?」


「えっ…?!ああ…いや……さっきの話が信じられなくて…」


動きやすさを重視しているのだろう

Tシャツのようにカットされミニスカートのように

短めにカットされた濃い緑色の浴衣。

それを羽織った狐耳と尻尾をつけた

小さい少女はにやりと笑うと慶の前を遮った。


「まぁ無理もないだろう。

 でもここから見える夜景を覚えておくといい。

 絶対にその異変に気付くし私を―…本物だと思うのだからね。」


と廊下から見える和風の屋敷の庭、その上に見える

幾万にも広がる星を慶は見る。

ツキネと呼ばれる"神様"もしかり、だ。

ツキネは神である。

そう僕は布団に伏して起きた時に言われた。

孕子とほぼ互角な低身長をしている。

大体120といったところか。

全体的に幼いという印象を受ける。

だがそんな少女はしっかりと僕の目を見て言った。


『私は―神様なんだよ、山城』


そんないきなりすぎる話はどう平静を取り繕っても

無理なわけで…


「…なあ…えと…ツキネさん?」


「なんで?マーク(ハテナマーク)なんだ?

 まあ良い。私のことをどう呼ぶか迷ったのだろう?

 別に何でもいいさ。ツキネさんでも、ツキネ様でも。

 親しみを込めてツキネでもいいぞ」


そうツキネは笑う。

だがその笑みが作られてはいない本物の笑みだという

ことはしっかりと慶でも理解した。

同時に嘘を今まで呟いていないというのも伺えた。

だからこそ今この人にはついていった方が良い。

そう慶は考えた。


(今僕はどこにいるのか、

そして神様といったコイツの正体は…)


考えを凝らしながらツキネのあとにつくように

歩いていると曲がり角に誰かがツキネに衝突しそうになり

その者は手に抱えていたすべてを落としてしまった。


『っ!』


「わわわっ!ごめん雲雀ひばりちゃん…ケガとかしてない?」


すると同じくしてツキネのように改造した和服を

身に着けた女性…雲雀は薄目なのか目を閉じたまま

落ちている本を拾うと慶の方に会釈すると


「ちゃんと前を向いていないと危ないわよ?ツキネ。

 そして…そちらは新入りさまのようね。

 初めまして、私の名前は雲雀。

 向こうの奥の書庫の管理人をやっているわ。

 何かお探しの本があればいつでもいらっしゃいな。」


そう最後に雲雀は慶が来た

廊下の奥、書庫へと移動していくのだった。

それを尻目にツキネは反省の色の目をしたかと思うと

僕のほうへ振り向き


「じゃっ…じゃあ行きましょうか」


そう平静を取り繕うとそのまま右の曲がり角を曲がって

ツキネは歩きだした。それに慶も続いた。

意外とすぐ…ではないが数分もかからないうちに

居間のような場所へとたどり着く。

そこは今までの和風な感じではなく少し洋風が加えられた

部屋だった。椅子に腰をかけたツキネはそのままニコニコと

笑い僕も同様に座るような身振りをした。


「失礼します―。」


するとメイドのような格好の緑髪の女性が

ツキネの近くに来ると何かを告げるとそのまま退席した。

ツキネは告げられたことを小さく復唱すると


「さて、何から話した方が良いか。

 私からはまぁまず山城慶、お前に"終焉"の許可をとりたい。」


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