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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第1章【百鬼夜行所属の世界】
32/93

第1章32話 「世界の縮図」

0-14「邂逅」

0-16「幕が下りる(後)」の再閲覧をお勧めしますw

「はぁ?」


意外な返答に慶や銀次郎もそう答える。

まさかの"やってしまった"という表情も併せて言ったためで…


「ええと…これはそんな言えない話なわけで

 二人…柚子も合わせて三人は"狭間の世界"について

 どこまで知っていますか?」


そう優破は迷った挙句にそう切り出した。

前銀次郎が言った…つまりは慶たちが知っているのは

…天界、魔界、そして僕たち妖怪と人間のいる常界。

これら合わせて3つの平衡世界。

そして一部の妖怪しか知らない謎に包まれた狭間の世界。

この4つの区分になっているということだけだ。

そんな詳しくは知らないし、知ったところで

何の利益や不利益があるかも知ったものじゃない。

だから銀次郎たちが知っているのは"4つの区分に分かれた世界の一部"

というところだろう。

このことを告げると優破は頷きながら


「そこまでは柚子にも前言った気がするね…

 じゃあこの話がとてつもなく難しいということが理解できますよね?

 そのうえでの話なんですが何故"狭間の世界"なんて言われるか

 その起源は分かりませんよね?」


「ああ、まるで分らない。

 起源なんてもあること自体今知ったくらいだしな」


と慶が答えると優破は話を始める。




神様論と俺はそう言うのですが

皆さんは神様が本当に存在するか信じていますか?

神様というのは元は妖怪…西洋でいえばモンスター。

つまり人間の想像で生まれた偶像の類と同じで本来は

人間の自分勝手な都合で生まれた妄想でしかないということ。

しかし周りの人間が信じた場合自分も同調しなくてはいけない。


「人間はそんな面倒くさい性質を持っているから

 幽霊なんか信じちゃうんだよね…じゃあなぜ心霊系ものって

 絶えないか分かりますか?銀次郎さん」


「…周りが信じてるから死んだ奴も信じるから?」


確かに…正解に近い。

でもそれはこの世界を読み解くのには十分ではない。

本当の正解は

【大多数の人間が信じた段階で勝手に生み出されるからである】

というものだ。


「つまり大多数の人間が妖怪を信じたからこそ

 僕たち妖怪が生まれ、神様を信じたからこそ神様が生まれた。

 …ついてこれてる?

 じゃあその話の前提で話すよ…僕が出会った狐の神様を。」







僕は幼いころ両親をある事件で亡くしました。

八つ裂き事件とあとで知ったがそれで僕は母と父を目の前で失い

目の前で八つ裂きにされて死にました。

当時の僕は百鬼夜行に所属していた…だから助けを求めました。

……が、事件はもみ消しにされ自分はこの世にいない妖怪だという設定に

百鬼夜行から脱退を迫られ、以来僕は反百鬼夜行に属しました。

そして幼いを理由に何も守れなかった僕は手当たり次第に

百鬼夜行や多くの陰陽師を殺しました…が八つ裂き事件の犯人は捕まらず

今の歳に近くなるころ僕は彼女に出会ったんです。


『…八つ裂き事件?』


(ああ!僕の家族を奪ったあいつは…!!)


印象として彼女はとても身長が低かった。

120くらいか、幼い…

フードを被っても小さい短パンの

後ろから覗く大きな尻尾は彼女の存在を示していました。


『ふうん…お前はそれが憎いか?」


確かに彼女は僕の憎むべき相手を"それ"と話しました。

すると側近が近づきそして降り始めた雨に濡れないように

紅い傘を差した彼女はフードを脱ぎ僕を見ました。

とてもとても綺麗な黄金の眼でした。

狐耳がひょこっと彼女の頭から生えているのを見て確信しました。

彼女は妖怪…自分と同じ類なのではないかと。


『もしも…お前が私の目指す目標のために

 尽くしてくれるのであれば望みを叶えよう。』


(あなたは…)


『私の名前は…ツキネ。

時をつかさどる神さまだよ…といっても信じられないだろうがね』


と指を鳴らした瞬間、土砂ぶりだった雨は

一瞬にして雲一つない空へと変わりました。

そのまま僕はツキネ様より狭間の世界へと

行き来が出来る力を授かりまた狭間の世界が何であるのか、

そして八つ裂き事件の犯人がだれなのか知りました。




「―…狭間の世界はツキネ様によって作られた世界。

 そして八つ裂き事件の犯人は"元狭間の世界出身"アナスタシオス。

 僕は自分の復讐を遂げるためにアナスタシオスを追いかけ

 逃げられ…とこんな感じです。

 そしてお二人は間近で見たかと思いますが

 アナスタシオスは様々な能力のようなものを持っています。

 他人に変装することができる、何度も蘇ることができる

 そして僕は被害に遭いましたが…指定した者を操れるといった

 ところでしょうか。

 雪南や大輔がお二方を攻撃したのも変装したアナスタシオスを

 僕だと疑いもせず付き従ったのもこれで言い訳がつきます。

 …と話が長くなりましたがざっとこんなところでしょうか。」


優破の話に耳を疑う慶、銀次郎、柚子ではあったが

つかさず慶は質問をぶつける。

この話を忘れないためにも、だ。


「じゃあその二人がどうして死んだのに生き返ったのか

 その理由を聞かせてほしい。

 あのときどの理由があれその二人は俺たちを殺そうとした。

 だからその返り討ちに合わせた…はずだ。

 はずだったんだ…でも偽物が逃げてから後ろを振り向いたら

 死体も血痕もすべて何もなかったみたいに無くなってたんだよ。

 これはどう説明する?」


「殺したんですか?」


「ああ」


考え込む優破。

だが怒りがこみ上げてる様子もなくすぐに一つの答えを導き出す。


「それはおそらくお二方の後ろにいたのでは?

 でもそれなら…いやそれだからこそアナスタシオスは逃げた。

 だからこそその後に追った銀次郎さんが僕と会った…うん。

 これで筋は通りますね。

 ―…あくまでも仮説なのですがおそらくお二方の後ろに

 いて追い払ったんですよ」


「え?誰が俺らの後ろにいたんだよ」


優破が口を運ぶ。

だがずっと聞いてから止まらない悪寒が的中しそうで

慶は怖かった。

だが事実は的中しようとしていた。


「アナスタシオスは怖かったんですよ

 だからお二方に攻撃を続行せず逃げたんです…

 あれ?まだ分かりませんか?

 柚子からも聞きましたがアナスタシオスはお二方に

 追撃をせず仲間となる雪南や大輔を見捨て逃げました。

 そのとき確かに


 "どうして…どうして…??僕が何をしたっていうんだ?

 それに…まだ邪魔をしてもらっては困るしね。

 僕は夜行性なんだ…だからねー…"


 と言いました…がお二方はどうして?と一度でも口にしましたか?」


確か…言っていない。

確かに今思い出してみると言葉言葉には不可解なことが多かった。

もしかして…と銀次郎が呟こうとしたが

その先を恐れてか続きを言おうとはしなかった。

優破は続ける。


「そして由理が覚醒した際にも


 "この塊女………!やっぱり……ツキネエェェェェェ‼

 あの野郎ぉぉぉ!!!くそ、今度こそ邪魔はさせねぇぜ?!!

 くそがぁ!!"


 お二方は今度こそ、がどこの場面で用いられているか…

 もう推測は出来ますよね?」


「おいおい…お前それって…!」


優破は何故か悔しそうにその後を紡ぐ。


「ええ、お二方が対峙したとき。

 つまりアナスタシオスと対峙したときあの部屋には

 雪南、大輔、慶さん、銀次郎さん

 そしてアナスタシオスのほかに―ツキネ様が居たという

 事実に繋がるんです。

 そしてツキネ様はアナスタシオスに何かを告げた。

 お二方が対峙しているときに。

 そしてアナスタシオスが逃亡した際に

 ツキネ様の持つあの力で雪南と大輔を蘇生させ

 血痕も死も何もないことにした。

 ……疑問符なのはわかります、

 何故そのようなことをする必要があるのかと。

 しかしおそらくツキネ様は見抜いていたんだと思います―」


「あのまま戦っていれば死んでいた、

 だから自分があの戦いに区切りをつけた、だって?」


銀次郎の答えに

ええ、と優破が呟く。


「都合が…良すぎるだろうそれだったら…!!

 まるで…その後の展開もその前の展開だって…

 その神様の上で俺らがただ劇を披露してるみたいじゃないか!!」


慶が叫ぶ。

犠牲も何もかも自分たちはただの駒として

演劇を披露しているそう慶は錯覚した。


「それでも予想外なことが多かったと思います。

 予想通りなら自分から身を運ぶことをするようなことはしませんから。

 しかし気になるのは一つあるんです。」


優破は思う。

どうしてそのとき自ら足を運びながら

自分と同じように姿を現さなかったのか、

そして


「どうして…お二方を助けたのか。

 それだけが引っかかっているんです―」




謎が加速しようとしていた。

基本的に読みやすいように一話ごと2000文字に収めようとしているのですが

今回は久々に3000字を超えています…長い…!

では気になる話は次に続きます!

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