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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第1章【百鬼夜行所属の世界】
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第1章23話 「獅子の構え(前)」


「横良いですか?」




獅神結城は百鬼夜行の阿修羅の

もとで働く幹部である。

そんな彼は唐突にもターゲットに話し掛けた。

彼は不思議そうに、おうと返事をするも

警戒はしている素振りをした。

俺はその警戒を解くため

話題を切り出した。


「-…百鬼夜行の最強兵器ってご存知です?」


すると、

彼はあからさまに顔色を変えて

ないしょ話のようにこそこそと喋り出す。


「おっ……お前さん、

 反百鬼夜行派か?!」


「百鬼夜行派ですよ。

 ただし、百鬼夜行に

 本当の肩入れをしていない。

 いわば中立という立場ですね。」


彼の警戒心がうっすらと薄くなった。


「そうか…で?

 最強兵器とはなにぞやだ?」


「何も幹部でありながら

 四騎(1秒で4人を殺傷することの

 出来る度合いを持つ剣士の称号)だそうです。

 そいつに注意をと思いまして。」


「なぜ注意を?」


それはあなたがいつ命を狙われているか

分からないからですよ、と言おうとしたその時。


「あと、お前さん。

 俺を殺す気ならもっと単純に

 計画を練るべきじゃったな。」


とピアノ線のような糸が俺の目を目掛けて

飛んできたので瞬時に俺は交わし後ろに下がる。


「料理も出んし、

 客もお前さん一人なら大体分かるわい。」


「ちっ………。」


と、彼の手をみると

先程のピアノ線が貼りついている。

そうか、これがか。

鋼の蜘蛛の異名を持つ妖怪

蜘蛛の糸が自身の手から出て、

さらにその糸1本1本が鋼であるため、

簡単に首を落とせるぐらいの実力をもつ。

だからこそ阿修羅様は厄介だと思い、

俺に討伐命令を掛けたのだ。

この獄炎の獅神結城さまに。


「良かったよ鋼相手でさ。

 俺は溶岩を中心に操る獅子の妖怪だ。」


「溶岩かぁ………だが。

 わしはその溶岩をも切り落とす

 その実力を持つ鋼さまだ。

 どっちが強いか勝負だな。

 がはははは!」


不敵に笑う鋼蜘蛛を前に

俺は余裕の笑みを見せた。

しかしそれは一瞬で散ることとなる。







『え』


俺がそれを聞いたのは事件が

あって1ヶ月のことだった。

もう間に合わないほどに。

1ヶ月という時間を俺はどう過ごしてるのか

振り返ってみたけれど覚えていない。

いやこういうときは覚えていないことを

やっていたと、言うべきだ。

俺の好きだった娘が強姦されたと聞いたのは、

もう驚き以外には何もなかった。


『なっ……なんで…』


『ごめん…でも孕んでないから。

 大丈夫―わっ!』


俺は思わず彼女を抱きしめた。

そして無意識のうちに話し始めていた。


『ごめんごめん…俺がいながら…

 守れなくて………!!!』


『いやっ…これは…その……』


『だから……俺が守るから!

 俺が一生お前を守って見せるから!』

 

『えっ………それって……』


そのときはあまりにも焦ってはいたし

それに…告白なんてものはしたことも

するようなことも無かったし。

まぁだってしょうがなくない?

しちゃったもんはしちゃったんだからさ。


『あっ………ごっごめ―』


『嬉しい。……じゃあ…お願いしよっかな。

 私を守るボディーガード……

 一生のパートナーとしてね。』


俺はそのとき誓った。

突拍子もない出来事だったけど、

そう思ったんだ。

彼女を守ると幸せにすると。

だから…………


「……だ…からここで…負ける訳には

 ならねんだよ…。」


「あァ?そっちから喧嘩吹っかけといて

 なんだよ。もう死に時ってなら

 望み通り殺してやるよ。」


と蜘蛛は鋼の爪のような鋭利なロープを

手の指から出すとそれを引き延ばす。


「鋼のロープってな。

 まぁ当たったら怪我だけじゃ済まねぇかもな。」


ぶんっ……!

ロープが振り下ろされ俺の顔に当たり、

そして俺は漫画のように吹っ飛び立ち上がろうと

したその時だった。


「鋼の矢!!!」


俺は衝動と衝撃とともに自分自身の左目を突かれ

視界が真っ赤に染まる。

声にもならない悲鳴を上げ

そして震えながら出口の方へと

俺は移動した。

この近くに…


「逃げるなよガキ」


髪を掴まれながら背に戻され

そのまま倒れるようにして

どさりと音を立てた。

目の痛みの衝撃が体に迸り

俺は左目を抑えるようにしてもがく。

そして蜘蛛は俺の腹を何発か蹴りあげ、

じゃあな、

と一言鋼の矢を俺の頭目掛けて貫いた。

相手からはそのつもりだった。




ガキイイィィィィンンンン!!!!




「あァ?」


「うっ………うぅ…。」


俺は扉を見やる。

そこにいたのは黒いフードに刀を一本持った人間だった。

どこかで見たことのあるシルエット。

でもあの身長………体型…

今は行方不明になった若き少年を

俺は思い出した。

そのまま寝そうになったとき。


「寝るならそんなコンクリート染みた

 床じゃなくて、彼女さんの所で

 一緒に寝てあげたらどうですか?

 獅神せーんぱい。」


「なっ…お前は………?」


黒いフードを脱いだ若き少年は

赤い目をしながら蜘蛛を睨み付けた。


「黒幕みたいな感じで

 言わないでくださいや。」


死んだはずじゃなかったか?

と俺は感慨深くなったが…

それどころではない者がもう一人。

蜘蛛がわなわなと震え

鋼の矢を何十本も束ね、

彼に撃ったが、

彼はそれを全て空中で斬撃で

跳ね返す。


「山城慶の………登場ってな。」


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