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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第1章【百鬼夜行所属の世界】
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第1章15話 「幕が下りる(前)」

「………そういうことだったのか…銀次郎

 つまり…黒鳥優破という人物は」


草木の家に着いた俺は路地裏で倒れていた銀次郎を

布団に寝かせ、訳を聞いた。

コクリと頷いた銀次郎は左肩を冷やしながら眠りにつく。

草木にこのことを言うと目を泳がせながら

だが情報が正しいと鼻を少し高くする。


「黒鳥優破は二人いる。

 俺が路地裏で会った方は俺を助けて

 このままだったら死んでいたそうだって言ってたよ。」



まったく凄い脅威だ。

あのとき消えた死体の場所で戦った黒鳥は

路地裏で銀次郎を助けた黒鳥は。

どちらが本物なのか、それとも二人とも同じなのか。

こんな脅威はここに着いて初めて感じた。

……容体が酷くなった銀次郎を背にかかってきた電話を取る。

俺の携帯番号だ。相手は村長の緊那羅だった。

深刻そうになりながらもあったことすべてを話した。

村長の緊那羅はこのことを妖怪総代将ぬらりひょんに言うと話し、

銀次郎の容態や黒鳥優破のことについて詳しく聞いてきた。

そして、最後に。


『娘が一命をとりとめた。代わるか?』


「はい。よろしくお願いいたします」


『固くなるな…今代わる。ー………恭子です。』


「恭子さん………!容態は大丈夫ですか?」


『恭子で良いわ…大丈夫よ。

 ああ…それと思い出したの。あの黒い羽のこと。

 私をあんなことにしたのはあの黒い鳥じゃない。

 他に誰か居たのよ。

 ……いや、多分そのはずなんだけど……。』


「そっ…そうですか…。」


『そう、ごめんね力に慣れなくて。気を付けて。』


「分かりました。ありがとうございます。」


『……銀次郎くんのこと…お大事にね…。』


「はい……。」


しばらくして村長を経由しての総代将から連絡が来た。

そちらの妖怪を優先して至急帰ることになった。

年のために天竜八部衆の夜叉をそちらに送る、というものだった。

だが今からではもう夜8時を回っている。

明日早急に帰るという予定になったのだった。


「銀次郎………すまん…!!」


「良いよ。別に。」


うわっ!と声を上げてしまう。

銀次郎が起きてるともしらず思わずたじろぐ慶。


「今回はしょうがないと思う。

 まぁ、俺が代わりにその脅威を見つけたんだ。」


「お前の身を無駄にしてまで、

 脅威なんか見つけたくねぇよ………!」


部屋にはもうそれぞれ入り、

今日は疲れたということで美世や孕子はもう寝ている。

そして午後9時を回り、

遂に居間以外の電気はすべて消してしまった。

銀次郎は左肩を抑えながらはぁはぁと息を苦しそうに漏らしていた。

腹の底が苦しくなる痛みを覚えながら

銀次郎にふたたび謝罪の意を表しながら立ち上がった。

同時に銀次郎も立ち上がり俺に向かいなおる。


「謝るな。俺がやったことだ。

 お前に責任があったとしても俺にも責任がある。

 それに謝ったら元も子もない。

 慶、正直に言え。」


「ああ。」


「お前美世のこと好きだろ。

 勿論恋愛関係として。」


「……。まぁ、そうだよ。」


「見てれば分かる。

 由理さんのことも…な?

 言えば俺は詩織のことが好きだ。いや愛してる

 だからこそ、俺は生き延びなきゃいけない。

 それにな…前あいつに告ったんだよ…。」


「おっ………おおお!返事は?」


「私から一緒に、離れないでくださいってさ。

 だから………何があってもあいつに会いに

 いかなきゃならない。」


すごい返事だなぁと思いつつ俺も、


「ああ。俺も銀次郎見習って告白しよっかな…」


銀次郎はくすっと笑い、俺も同様に笑った。

すると、あることに今気付いた。

同様に銀次郎も警戒態勢に入る。

さっきまで閉まっていた窓が少しだけ開き、

風が入っていたためだ。


「慶!皆起こして避難させろ!やつだ!」


バリィィィィィィンンンンンンンン!!!!!!


窓ガラスがすべて割れた。

どちらかの方の黒鳥優破がその姿を表したのだ。

そして平穏な時間の幕は降りる。

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