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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第1章【百鬼夜行所属の世界】
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第1章12話 「想い返し」



汽車未だつかないがこういうのも悪くないなと

慶は曇天空を見つめる。

疲れたのかさっきまでいいだけきゃっきゃっしてた

由理と孕子は眠り銀次郎もまた妹の孕子を撫でながら寝ている。

汽車での席順は特に決めてはいなかったが主に女子と男子に

分かれて座っていた、だが銀次郎が孕子に今後のスケジュール

について改めて話してるうちに眠り出し

銀次郎もまた眠りについてしまっていた。

由理は反対側でその光景を鼻血を垂れ流しかけて

そのままとても気持ちよさそうな顔で眠っていた。

まぁ汽車というもの、何時間も時間をかけてしまうのは分かっていたが

たった6時間の差でこんなにもすぐに寝てしまうとは…

慶は微笑しながら窓を見つめ机に頬杖をつく。

すると美世が反対側の席に座ると窓を眺めた。


「晴れないねぇ…」


「…まぁ、晴れるだろ。

 あっちにつく頃には。」


慶は目の前にいる美世をチラッと見る。

下心が一切無い、とは言えないが美世の格好には目を惹かれた。

朝暮町に行く前の美世はすらっとした長髪の清楚な雰囲気の

少女だった。だが朝暮町で暮らしたあと彼女は何の影響を受けてか

ふんわりとしたボブショートヘアーに髪形を変える。

そして服装もまたちょっとしたこだわりを持つようになり

今では着物を着るときが一番新鮮だと感じるくらい今のコーデが

目に焼き付いている。

どういうコーデなのか、男目線な慶には説明しがたかったが

美世が言うにはロングスカートに

落ち着きのあるダスティピンクのトップス…?だそうだった。

肩が大幅に見える服に美世は昔より胸が大きいために

そこも強調されていた。


「…?なんか落ち着きないようだけどなんかあった?」


「え?!……ああ…いや何でもない…」


だが美世はじっと慶を見つめる。

だが慶はそんな美世を見つめ返すことができずチラチラと見ては

段々と近づいてくる顔に慶は美世の肩を両手で押さえ押し返す。

しかしその一瞬美世の唇が慶の頬に当たる。


「「あっ…」」


二人の声が重なる。

すると美世は照れながらえへへと笑いつつ

美世は赤らめた表情を必死に隠しつつ窓を見つめる。

見られないように見られないように…と美世は必死になって

考えたがまず慶は当たった頬をそっと触りまた顔を赤らめていた。

すると窓を見つめもじもじしていた美世が慶に話しかける。


「そう…そういえば会った時もこんな感じだったよね」


会ったとき、と言われて慶は目の前の美世を見つめる。

ああ、と言って思い返す。

慶が美世に初めて会った日のことを。

確かに記憶力が良いがそのときも小雨が降るかもしれない

曇天の空だった。

父、山城源代にそれを言われたのはいつだったか。

慶は実の親でかつ最後の家族と言われた父親に今日からは

一緒に暮らせなくなると言われた。

代わりに自分のことを峰崎紗々と呼ばれる女性を筆頭とする

峰崎家が親代わりになると言ったのだった。

幼かった自分はどう反応すればよかったのか、

今でもどう父に言えば良かったかは分からない。

だがそれでも悲しかった記憶はある。

そして引き取られる日、様々な武器や術を行使する…

いわば戦闘態勢をとられながら迎えられたその日、

自分は異端の子として峰崎家に引き取られた。

引き取られた日、色々な人に面倒をかいたのを覚えている。

百鬼夜行の子供の妖怪らに虐められる存在になっていた慶を

暴力と叱責で救った他の大人たちが

なんとかやってくれたのもある、

だが正直それが収まることはなかった。

だが度が過ぎようとしたその時救ってくれた子そ美世だった。

美世は今の慶を作ってくれた妖怪の一人であり

救ってくれたときからずっと想いを寄せている妖怪だった。


「……ありがとうな、あのとき救ってくれて」


「ん~?あのときはああするしか無いって思っただけだよ?

 だってあの後怒られてないでしょ?」


怒られてないからってそうなるとは限らねぇよ、と

慶は笑う。だが慶は美世の服装を見て思う。


「ああ、そうだな。

 ……あとその服、似合ってるよ」


「え、そう?

やったね!慶ちゃんに褒められるの結構嬉しいんだよ?」


とニヤニヤと笑い気分が高まる美世に慶は微笑する。

傷が見えない程度の服は確かに

慶の心の奥を傷つけないではいたが

美世がどう思うかはその時によるだろう、と

慶はまた窓を眺めた。

すると慶はあることに気付き美世に声を掛ける。


「あああ!!!虹!!」


うっすらと見えた雲の先に薄く光に包まれた

虹が見え始めていた。



短いですがこの話の続きは今後に出てきます。

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