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僕と妖怪少女と常日頃 Re:salvation  作者: 工藤将太
第1章【百鬼夜行所属の世界】
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第1章10話 「会合」

空理恭子は腹や手足に痣に首を絞めつけた痕、

そして陰部が白く汚れた状態というとても悲惨な状態で見つかった。

治療も終わり呼吸を取り戻した彼女でも未だに

意識自体は戻らず呼吸だけを繰り返していた。


現場に居合わせた詩織と美世と銀次郎らの3人の暴行による

手口だと疑われるも側にあったのは濡れた紙、黒い羽で事なきを得る。

慶は知り合いの妖怪から話は伺う。

ここに来る前、新王山を通ってきたが

その際に起こった天候のことについでだった。

とても不思議なことに新王山では外界の天候が作用されず

いついかなる時も晴れているといった状態だった。

そのために本来の天候が分からずにいたのだ。

そして本来の天気予報を知ったのち慶はその

濡れた紙を広げ乾かしながら見やる。


[朝暮町○□ー○×丁目△]


朝暮町…という言葉に慶は考える。

どこかの住所であることに間違いは無いのだが

問題はその場所。

実は朝暮町は香山のもといた町、

つまり慶、銀次郎、美世のいた町の名前だった。


どうして空理を襲おうとしたかその理由は不明だし

またどうしてこの紙が置かれているのか、

犯人が記したのか分からない謎めいた紙だけが現場に残された

証拠の一つだった。何を示しているのか。

複雑な状況が状況だけに今回の事件は難航を示していた。

ゴーン…ゴーン…と鐘がなる。

この鐘は会合を知らせるものだ。

空理は撲殺未遂で今も意識不明の状態だ。

その母、緊那羅もまた複雑な心境ではあろうが

それでも謎を追求するためにも総大将、天竜八部衆を

含めた百鬼会合には出なくてはいけなかった。


会合では今後行動していくメンバーである

白銀の毛並みを持つ九尾の狐の妖怪、

銀次郎の妹の坂崎孕子さかざきようこを含んだ由理、美世らは出席せず

慶と銀次郎は出席することになった。

集合から時遅くして会合は開かれ、

話はすぐさま空理恭子の件について展開した。


「では状況報告をしてくれ。」


と緊那羅が報告をする妖怪に促し状況が報告された。

空理恭子は紫色の着物を着ていて、

神社の周りで遊んでいたところを襲われたと思われる。

紫色の着物ははだけ、胸部分が異常に開かれその

胸部分に無数の切り傷があった。

足に履いていた下駄の片方は、空理が倒れていた

100メートルも離れていた場所に見つかり、

その下駄は無惨にもボロボロになっており

空理の足も同様に歩けない程の傷が深く刻まれていた。

そして、その近くに無数の黒い羽が落ちていた。

手足にも無数の切り傷、そして背中に蜂の巣如く

穴が空いていた。空理恭子は今年で成人と迎える身。

それなりに綺麗では無いといけないときに

起きてしまった………。


「私の娘だからという事情は置いておけ。

 しかし不可解なのがあるな。

 何故、そんなメッセージを残しておくのだ?」


と、緊那羅は呟くと夜叉は端的に言う。


「黒い羽が落ちていたということなのだな?

 ならば犯人は 言わずとも確定するぞ?」


「確かに………問題はその妖怪じゃな。」


乾闥婆けんだつばがぼそりと喋った。

黒い羽…それこそ現場に残されたもう一つの証拠…と

言うべきなのか。

現場に残された物的証拠は黒い羽と謎の紙切れの二つ。

話は黒い羽について審議されていく。


「迦楼羅よ、御前さん黒い羽の妖怪は

 自村にいるがかえ?」


乾闥婆は鳥人型の妖怪、迦楼羅かるらに問う。

片言の言葉でそれに応えるも


「残念ダガ、居ナイ。

 黒イ羽ト言ッテモヨクアルカラナ………。

 乾闥婆ハ、ドウナンダ?」


と、逆に迦楼羅が質問を投げ掛けてしまう。


「わしのところにもおらん。

 夜叉もそうだのぉ?」


乾闥婆の返答に夜叉はゆっくりと頷いた。

場の空気が沈黙で満たされるなか銀次郎は呟いた。


「場をわきまえながらおっしゃりたい

 ことがあります。」


すぐさま夜叉が反応し、呟く。


「言え。」


「黒い羽は場合によっては黒い妖怪を示します。

 ですが、それはほとんどこの怪村にもいない。

 それで思ったのですが、

 こちらの百鬼夜行側には居ない。」


夜叉は目を細め鋭く言った。


「つまり反抗者の可能性が高いと?」


「反抗者…反百鬼夜行派は不特定多数で占められています。

 この怪村に黒い妖怪は一匹もいなくとも

 その不特定多数の妖怪はこちらに

 行き来することが一応可能です。

 また八部衆様の中にも居ないと断言します。

 いるのであれば目撃者もいるのでもうすでに

 ここで事を犯しているかと。」


しばしの沈黙。

それぞれ何かを考えているようだった。

結論が出たのか夜叉が俺と銀次郎を指差し言った。


「ならば犯人の手がかりは不特定多数の反抗組織となる。

 しかし坂崎、その様子は何かあるのか?」


「ええ。これをご覧ください。」


とその横にいる慶が手がかりとあり得る

濡れた紙を取り出す。

どこかの住所が書かれた紙だ。


「これは?」


「空理恭子が持っていた紙です。

空理恭子が書いたものではなく

犯人が書いたものに近いとのことです。」


すると夜叉は無言になりながらも判断を決する。

だが言葉はいささか乱暴で話を早く解決したいという

気持ちに溢れた状態で投げかけられた。


「ではわかった!

 この場で仕切るのも何だがその様子では、

 目星はついているのだろう?

 ならば目星がついているものが

 行った方が得策であろう。

 うーむ…妖怪探知に才を出している峰崎も

 連れてってはどうだ?」


その言い様にため息をついた緊那羅は呟いた。


「私がこの怪村の村長じゃ。お主らの意見は

 取り入れるも、決めるのはわしじゃ。

 さてと。山城、どうする?」


俺は目をしたに俯き目を閉じ考える。

考え抜いた結果、俺は答えた。


「わかりました。俺と銀次郎、あくまでも監視

 するため香山も連れていきます。その他峰崎、

 孕子も連れていきます。」


と、俺と銀次郎はその場に膝をつき礼をした。

謝るという意味ではなく願いとして頭を

ゆっくり下げ両手親指と人差し指をくっつけ

三角形の形にし、礼をした。







孕子、銀次郎、美世、慶、由理の5人が揃ったなか話は始まった。

場所は襖のある和室の一角、机を囲みながら

一様に胡坐をかいたり正座をしている。


「てな訳で孕子。お前も行くことになった。

 理由は……お前の化け能力は役に立つだろうという

 点なんだが…何か異論は?」


「人間はキライじゃないけどさぁ…ねぇ?

 ほーしゅーってあるの?」


由理は連れてこられた幼稚園児に近い姿を見て驚く。

由理と孕子はこれが初めて会うことになるのだが

自己紹介が銀次郎に開口一番に伝えられてしまったがために

どういう子なのかがまるで分らなかった。

何度も言うようだが銀次郎の妹、化け狐の孕子は見た目が

幼稚園児に見えるが実際全部がそうではない。

銀次郎曰くうちの家系は育ち盛りが良いらしくて

8歳の割には豊満な体を持っている、らしい。

顔と背等々、それ以外ならグラビアアイドルに打ち勝つだろう。

そんなどうでも良いことを考える由理を横に慶は

まぁ、それは良いとして。 


「報酬?………油揚げてなところで、考えてやる。」


「わーい!やったー!」


で、あとは…。


「香山は…良いや。」


惚けている由理に慶はそのまま何かを呟こうとしたが

それをやめる。すぐさま由理に突っ込みが入り


「えぇっ?!」


「嘘だよ。えーと…お前はあくまでも監視するために行くから。

 美世はその監視役と、妖気探知のために行く。」


と、慶は由理と美世の二人にそう指示して

それぞれ了解のポーズや返事をし、その夜は終わった。




「ねぇ、」


と不意に美世、峰崎美世に声を掛けられ顔を上げる。

悩んでいたため少し眉を吊り上げて目が笑わず、

口がへの字になっていたが。

だが天然なのか美世は言った。


「何も持たずに、新王山まで来て。

 話はそれからね。」


「はっ?え…?ちょっ待て………」


パタンという襖を閉める音が俺の部屋に響いたところで

仕方ないと思い、部屋の電気を消し部屋を出る。


「遅いよ!慶ちゃん!」


「悪りぃ悪りぃ………って。」


そこには美世を

含む銀次郎、孕子、詩織、由理…と

ここ最近の面子が一同に揃っていた。

不意に美世を見るとなにかを持っているようだった。


「美世、何持ってるんだ?」


と、言った瞬間、

美世は肩を震わせて首を横に振りながら、

人差し指を立て秘密♪と言った。


「てかよ、新王山なんてどうして行くことに

 なったんだ?」


「決まってるじゃん。迷いに行くんだよ。」


「はぁ?!」


と、言い俺以外が一斉に新王山に向かった。

美世は俺に、


「最初は妖気纏ってね♪」


意味深なことを言っていた。

新王山は前回言った通り妖怪の村と人間の街を

繋ぐゲートの存在で、妖気を纏うと横断する

ことができる。だから人間の街に行くのか、

と美世に言ってみたが返答は以外なものだった。


「だーかーら!迷うの!

 入ったらすぐ妖気消してね。」


「はぁ?なんでよ。消したら横断できねぇ。」


と妖気を纏って入り、仕方なく妖気をすぐ消した。

美世の話ではここから上を見て歩くだけらしい。

金具等を掴み進みながら上を見て歩いた。

すると、美世が


「みんな!もう大丈夫だよ!」


「はぁ………終わっ………た………?」


そこにはダイヤモンドの輝きのようなここに来るときの

隣町の街並みだった。

どうやらここは展望台らしい。椅子も机もある。

ここは………?どこだ?

あっ………!と思いそのダイヤモンドの輝きの街並み

の反対方向の風景を展望台から見た。

そこには確かにさっきいた妖怪の村があった。

そしていつもの面子を見た。どうやらこれを

知っていたのは美世だけらしくて、他のみんなは

楽しそうに美しい風景を、見ている。


「ここは!迷いの森って言うんだ!

 丁度、妖怪と人間の間の狭間のところで、

 どちらにも行けないから迷いの森ってなったらしいの。

 実はここ私も初めてで、お母さんから

 教えてもらったんだよね。」


「すげぇな………こんな場所があること自体。」


でもあれ?何か忘れてる。

………あ、結局は………。


「で、美世そのノートは何なんだ?」


「おおーこれ?聞いて驚くな!

 これはここにいるみんなの交換日記だ!」


「え?」


と、最初に銀次郎が声を漏らす。

そりゃ、いきなりだし。しょうがない。


「なんでこういう、ことするの?みーちゃん。」


と、孕子が言った。


「それは………恭子ちゃんがあんなことになって

 そして、私たちはそのやった犯人がいる所に

 行こうとしてるんだよ?だから

 みんなの思い出日記を書こうかな………って。

 1人は寂しいから。」


まぁ取り敢えず期限なしの日記帳だと思ってくれれば!

と美世は照れながら呟きそして美世を除く全員は黙り

ゆっくりとそうだな、と賛成の声を漏らした。

美世はそれを聞いて泣きそうになりながらも、

じゃぁ慶ちゃんからね、と順番が決まった。

新王山から出て少し遊び別れたあと

俺はある人物に携帯で連絡を取りそっちに行くよう伝えた。




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