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〜気ままにドライブ〜 『自宅』

「たっだいまぁ!」

「ただいまぁ。」


気分が高揚したまま帰ってくる2人。

手は繋いでいないが2人の距離はとても近い。

彼の腕時計を見ると19:30を指していた。

この時計は、時間が止まった中でも動くものだ。


「少し遅くなったけど飯にするか。」

「うん。」


ファミリーマ◯トで買ってきた一つ500円の弁当を2つ食卓に置く。


「「いただきます。」」


しばらく、無言で食べる2人。

ふと、彼女が物欲しそうに彼の方を向く。

彼女の顔はクラスにいた時よりもさらに表情豊かになり可愛らしさが幾重にも増していた。


「ねぇ、しょ、翔太くんの弁当ちょっと食べてみたいな。」

「あぁ、良いよ。ほれ。」

「ありがとう。私のも食べて良いよ。」

「本当か。じゃあ、ありがたく頂戴します。」


再び心地の良い静寂が続く。


「「ごちそうさまでした。」」


「じゃあ、俺お風呂洗ってくるから。お風呂沸けるまで俺の部屋でマンガでも読んでて良いから。沸いたら呼ぶよ。」

「はぁい。」


「動け。」


時間を動かして彼は風呂を洗いに行く。

洗ってから沸けるまで20分ぐらいかかる。

彼はお風呂を5分で洗い、しばらくぼぅっとしていた。



その頃、彼女は彼の言われた通り2階にある彼の部屋にきていた。

初めて彼の家に来た時に一通り各部屋の案内はされていた。


「ここが、翔太くんの部屋。入るの初めてだなぁ。失礼します。わぁ、男の子の部屋って汚いイメージあったんだけどそんなことないんだぁ。」


彼の部屋は勉強机、ベッド、本棚、クローゼットと至ってシンプルであり、清掃もよくされている。


ボフっ


ベッドに座る。


「マンガ読んでて良いっていってたけど、初めての男の子の部屋で緊張するよ。」


あっち向いたりこっち向いたりと落ち着きない。


そして、手近にあった枕をとって抱き寄せる。


「あっ、翔太くんの匂いがする。」


枕に顔をうずめる。


「これじゃあ、私変態みたいじゃん。あぁ、でも、やめられないなぁ。」


ベッドの上で横になる。


「わっ、ベッドも翔太くんの匂いでいっぱい。」


彼女の鼓動が早くなる。


「ドキドキしてきちゃった、ハァ…。」


ベッドの上で内股になりソワソワし始める。


「んっ……、あっ…。んん、あっ、んっ。」


段々声が大きくなってくる。しかし。


「おーい、優里さーん!風呂沸けたよ!」


「!?」


「優里さーん?」


「は、はーい!今行くよ!」

(わぁーー!男の子の部屋で何をやってるの、私は!!)


「あぅ、パンツが湿ってる。」


トントントントン


階段を降りて行く。


彼はソファーに座り膝にタオルケットを置いていた。


「バスタオルは置いてあるから着替えだけ持っていけよ。」

「わかった。」

「ところで、何のマンガを読んでたんだ?」

「えっ、マンガは読んでないよ。部屋の中を物色してただけだよ。」

「そうか。」

「そうだよぉー。じゃあ、入ってくるね。」

「いってらー。」


彼女は風呂に入る。


女の風呂は長い、1時間は出てこないだろう。


1人になった彼は膝に置いてあったタオルケットを払った。


そして、ズボンに張った大きなテントを見て、


「なんで優里さん、あんなに女の匂いがしたんだ?俺の部屋で何してたんだ?」


階段を上がり自分の部屋に入る。

部屋を見回すが特におかしなところはない。

彼はベッドに座る。


「優里さんの匂いがすごいするんだけど。」


彼も彼女と同じようにベッドの上に横になる。


「あぁ、ダメだ。抑えられない。」


この後、5分使って自分を慰めたが、一緒に住んでいる女の子を使った罪悪感かリビングで親父の本棚にあった聖書を広げ懺悔をしていた。


1時間たち、彼女が風呂から上がったので彼が風呂に入る。


「どれくらい入るの?」

「30分ぐらいかな。」

「りょーかい。」


再び彼の部屋に突撃しベッドに横になる。


「あれ、さらに翔太くんの匂いが強くなってる。でもいい匂い。」


自然と指が伸びていく。


「んっ、あっ、あっ…。んっ!」


この後、彼と同じような罪悪感を抱え、リビングに置きっぱになっていた聖書で懺悔をしていた。


それから、一週間、彼と彼女が付き合うまで、互いの風呂の間は慰め大会になったのは必然的であった。

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