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ギアス:魔法を歌うステージ  作者: 佐々木椿(サツキ)
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1話:ボーカルズ(1)

「じゃ、それがお二人さんの出会いだったんですか。」


「初出会いではないけどね。」


現在に戻って、放課後の部室。後輩の秋山(あきやま)美波(みなみ)の質問に俺が答えた。話し合うようになったのはそのあとだから、こう言った方が正しいと思ったからだった。


「私は何度も聞いたし、で言うかその場面見たんだけどさぁ。」


続けて七瀬(ななせ)(りん)が言い出した。


「やっぱそこで好感を持つのはないと思うけど。小雪ちゃんてば、変。」


「変、はひどくない?」


小雪がほっぺを膨らませた。


この二人、秋山と鈴は、俺と同じ「ボーカル部」所属の1年生で、お互いすごく仲よしの友達。鈴と俺とは昔から魔法関連で知り合っていた。


あのチームでの同年代の子はみんなお友達だったけど、そのなかでも鈴と俺は特に親しかったので、今でも同じ学校に来たりして仲良く過ごしている。


秋山と言えば、中学校の時に「可愛い娘がいる」と言って小雪に殴られたことがあったんだけど、それが実は鈴の友達だったそうだ。


正直に言って、可愛い娘だ。肩の近くで切った髪は、きれいに巻きたてて、真っ黒に鮮明な大きい目。目付きが少し垂れてるところまで完全俺好みの可愛い娘だ。もしかしたら俺がもう1年だけ先に、俺が小雪と付き合う前にあったら、俺は秋山に告白しっちゃったかも知れない。


だがそれはもう遅い。俺は中学2年の夏、小雪に告白されて付き合い始めた。先に言ったあの件があったのが冬のことだったから、2年半ぐらいを片想いで持っていたらしい。魔法の説明で夢中で気づかなかった俺が悪いと、鈴は言ってたけど…正直認められない。


今鈴が言った通りに、その場面を見ては驚いて、おびえて、とにかく怖がるのが普通なはずだ。何と人を凍らせて砕いたから。右腕だけだけど。


それを見せては怖がらせたと思い、またそれがほんとなのが普通じゃないか。なんで好きになるんだよそこで。


「あ、実は俺も変だと思う。」


俺の言葉に小雪の「おおっ」と言う声があとついた。


「だからさぁ、いや、ちょっと聞いてよ。腕だけでも一応人を殺めたんだぞ。」


「でもそれは私を助けるためだったんでしょ。」


俺を殴ろうとした手を止めた小雪が冷静に言った。にこりの笑顔が近い。そして怖い。


「その力で私は殺めなく、寧ろ守ってくれるはずじゃない。」


「それはそうだけど。だとしたらもっとおかしいんだよ。」


「何が?」


俺の胸ぐらをつかんだ手にどんどん力が入ってる気がするけど、答えなくちゃいけないのかな。助けを求めて目をそらした先には、同じクラスのリュウ·ガヒが首を横に振りながら首辺りを手で切って見せていた。これはだめだな。


俺はあきらめを込めた小さなため息のあとに言った。


「それほどに理性的な考えが出来たら、そのあとは俺が女の子に変身したことを思い出して変態だと思うだろッパアッ!」


「思わないわよ!バカ!」

短くてすみません。

10日後にお会いしましょう。

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