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「さて、とりあえず慰謝料と紹介状を用意してくるように言ったから、ここからはこの世界のこととかを説明しようか。さっき言ってたガイ君が聞きたいことって言うのもそれでしょ?」

「えぇ、はい。そうです」


 三井さんの問いかけに俺は頷いて見せた。

 何をするにも情報は必要だ。前調べ無しで何かをすれば、失敗する未来しか待っていない。

 明らかにファンタジーなこの世界での失敗と言ったら命に関わるようなことになりかねない。


「じゃあ、まずは何から話そうか……ガイ君は何から聞きたい?」

「何から聞けばいいのかわからないってことしかわからないですね」

「あはは、まぁそうだよね。それじゃあ、とりあえず国の話からしようか」

「お願いします」

「うん。まず、この世界で確認されている大陸は5つで、それぞれの位置はサイコロの5を想像すればいいよ。真ん中が中央大陸で、この大陸は右上の位置にあって、名前はイウス大陸」

「……確認、ですか?」

「そう。たぶんこの世界も地球と同じで球形なんだろうけど、今のところ世界一周とかに成功した人はいないんだ。たぶん見つかってないだけで他にも大陸とかがあると思う。もしかしたら海しかないかもしれないけどね」

「なるほど……ちなみに大陸の広さは?」

「イウス大陸は五大陸で一番小さくて、具体的には北海道ぐらいの広さかな。左下のセルン大陸が一番大きくてだいたいユーラシア大陸ぐらいの大きさだね」


 北海道とユーラシア大陸って……

 同じ大陸なのに差が激しすぎないか?

 どっか別の大陸の離島とかそんなサイズ差だろ。

 オーストラリアだって日本の全面積の20倍近いってのに……


「面白いところは、イウス大陸が一番小さいのにナチュラルチートが一番多いって言われてるんだ。逆にセルン大陸は普通の人は多いけど、ナチュラルチートは少ない」


 ……武力で脅しつけて大陸扱いさせてるとかじゃないよな?

 大陸の広さとナチュラルチートの数に相関関係があるなら、ナチュラルチートが生まれる条件とか調べられるんじゃないのか? よくわからないけど。なんとなくできそうな気がする。


「今はどこの大陸も戦国時代みたいに小国が乱立する群雄割拠の時代でね。大陸の間ではほとんど人の動きがないんだ」

「人の動きがですか?」

「うん。農民だって戦争から逃げるのに、わざわざ見知らぬ土地に新天地を求めるより、同じ大陸の中で安全な場所を探した方が楽だし、国なら大陸同士はそんなに離れてないとは言ってもそれなりに距離はあるから、まずは1つの大陸を統一した方が楽だからね」


 別の大陸の国と同盟を結ぶことはあっても、自分たちの国がある大陸を統一する戦いに援助を求めるのは現実的じゃないってことか。


「だから、帝国は自分たちが覇者になろうと戦うわけですか……」

「まぁ、間違いではないよ。ただ、覇者になろうとしてるんじゃなくて、覇者の姿を取り戻そうとしてるだけなんだ」

「取り戻す……ですか?」

「そうだよ。もともとどこの大陸も1つの国が治めてて五大国時代なんて呼ばれてたらしいんだ。でも、ある日突然魔族って呼ばれる化物に国が滅ぼされた」

「つまり、取り戻すってことは」

「そう。もともとこの大陸は我がバルデンフェルト帝国が治めてたんだ。今は昔の姿を取り戻そうとしてて、それが神の意志とでも言うみたいにバルデンフェルト“神”帝国なんて名乗ってるけどね」

「……なんで神」

「それは僕も知らない」

「つか、勝手に神とか名乗って宗教団体のお偉いさんは何も言ってこないんですか?」


 宗教ってやつは恐ろしいもんだ。

 戦争の理由にはけっこうな割合で宗教関連の事象があるし、勝手に神の名前を使えば宗教団体から叩かれるんじゃないのか?

 それとも、宗教団体のお偉いさんと国のお偉いさんが癒着してるとか。


「大丈夫大丈夫。この世界ってなぜか大きい宗教がないに等しいんだよね。一番大きいのもエルメリアって国の光神教ってやつだけだから」

「国の宗教?」

「そ。光神教に入りたかったらエルメリアの国民になりなさいってルールになってるから、エルメリア以外の国には何の影響もないんだ」

「でも、それってエルなんちゃらが文句言ってくるってことにはならないんですか?」

「あぁ、ごめんごめん。この世界って、時々誰かしらに加護を与えることもあって神様が実在するって言われてるんだ。だから、加護を与えられた人間はその神様を信仰してるけど、元の世界みたいな宗教って形ではほとんど存在しないんだ。先に唯一の例外と言っていい光神教の話だけしておきたかったんだ」

「つまり、帝国が言ってる神は光神教の神じゃないから文句は言われないってことですか?」

「その通り。名目は創世神アークエリオスの意志って言ってるんだ。この世界を創った神の意志だからそれこそが世界の形として正しいって理由だね。でも、そのアークエリオスって神様は加護を与えられた人間がいないから実在しないんじゃないか、って言われてるんだけど」


 往々にして戦争は神の威光を理由にするわけだ。国王は神の意志で選ばれた人間だとか言うんだろうな。中世ヨーロッパの国王だってそうだったんだし。

 つか、さすがファンタジー世界だな。神様実在するのかよ。


「で、この大陸の話に戻るけど、今のところこの大陸で大きな国は4つ。うち、バルデンフェルト帝国とお隣のリエルド王国、いくつかの小国を挟んで東にあるシュリーガン公国と大陸北部の大きなでっぱりにカウンゼル王国っていうのがある。この中でも一番大きいのは大陸の半分まで支配しているうちの国かな」

「半分って……残りの三国と同時に戦っても互角じゃないですか」

「三国以外にも小さな国がいくつもあるから、実際に三国全部と比べても数だけ見ればうちの方が少し多いよ。でも、実際同時に相手取ろうとするのは難しいかな。大きくなればなるほど動きは遅くなるし、量に大差がなければ質も重要になってくるから」

「つまり、質では負けてるってことですか?」

「その通り。うちの国がここまで大きくなったのはここ5年ぐらいの話だからね。まだ支配した国の力を自分のものに出来てはいないんだ」

「……そんな話しても大丈夫なんですか?」

「こんなの誰でも知ってる話だから問題ないよ。仮に君がスパイだったとしてもね。まぁ、疑いも晴れてるから気にしなくていいよ」

「ですよね。まさかこの話をしたせいでまた捕まるとか嫌ですからね」

「大丈夫大丈夫。とりあえず、国の情勢としてはこんな感じ。で、次はこの世界の種族に関してだね」

「その言い方だと、やっぱり人間以外にもいろんな種族がいるんですか?」

「まぁね。大別すると人種族の人族と獣人族、精霊種族のドワーフとエルフ、前2種族とは別で魔族に分かれるんだ」

「意外と少ないですね」

「いやいや、大まかに分ければ5つって話なだけだから。特に獣人族が細かく分けるとものすごい数になるんだ。一応龍人、ドラゴニュートなんて言われる種族も獣人に分類されるし、猫人びょうじん犬人けんじん狼人ろうじん蜥蜴人リザードマン、種類を数えたらそれこそ日が暮れちゃうよ」


 たしかに獣人と一言に言っても猫やら狐やらといろんな種族がいそうな印象だ。ドラゴンの獣人が獣人ってカテゴリーに含まれてるのはちょっと意外だけど。


「しかも、犬人って一言で言っても、柴犬とかゴールデンとかみたいな犬の種類によって細かく分かれてて、犬人って一括りにしても仲が良かったり悪かったりするんだよね。長年の確執からお互いをすごい憎みあってる場合もあるし」

「なんか意外ですね。獣人って括りの中なら結束がすごい強そうなイメージだったんですけど」

「まぁ、獣人の中でもいろいろあるんだろうね」

「獣人が多いのはわかったんですけど、他の種族はどうなんですか?」

「獣人ほど種類は多くないけど、やっぱりどの種族もちょっとした違いはあるよ。人族なら地球みたいに肌の色が違ったりするし……でも何故か言葉は同じなんだよね」


 それは何というか、地球で育った身としてはうらやましい。国によって言葉が違うと意思疎通が面倒だけど、この世界にいる間はその心配がないのは助かるな。


「エルフとドワーフもやっぱり種族内で細分できるね。分かりやすく言えば、エルフとダークエルフみたいな感じ。で、問題は魔族だね」

「魔族って魔物とは違うんですよね」

「まぁそうだね。魔物はモンスター、本能で行動するだけで動物と大差ない感じなんだ。魔族は見た目には人間と大差なくて、言葉を操り、明確な意思を持って行動するのが魔物との違いかな。魔族は魔人とも呼ばれて、この世界では絶対に相手にしたくない相手だね」

「強いんですか?」

「らしいよ。それもかなり。どこの大陸にもあるけどイウス大陸なら東側に魔界って呼ばれる人間の国がない大きな土地があるんだけど、そこに魔人はいるって言われてるんだ」

「らしいってことは三井さんは戦ったことはないんですか?」

「たぶん今生きている人間で魔人と戦ったことがある人はいないと思うよ」

「? つまり、魔人と戦ってたのはずっと昔の話ってことですか? さっきも昔、大陸を治めてた国が滅ぼされたのは魔人のせいっていってましたし」

「いや、何十年かに1回ぐらい魔界から魔物が攻めてくることがあるんだ。氾濫はんらんって呼ばれるその時期には魔人と勇者が戦うこともあるらしい」

「……それってつまり」

「そう。魔人と戦った勇者は誰も生きてない。みんな負けたってことさ」


 おいおいマジかよ。

 この世界では反則的な強さの勇者が誰も勝てない相手? そんなのがいるのか。どんだけチートなんだよそいつらは。

 ナチュラルチートも勇者と同格ってことは、魔人はこの世界で最強のチートってことだよな?


「まぁ氾濫以外では滅多に魔界から出てこないし、氾濫の時期になったら西に逃げれば安全だよ」

「でもそんなことがあるのになんでこの世界で人間の国が残ってるんですか?」


 普通に考えれば氾濫の時に魔人を止められる人間がいないのだから人間の国なんて蹂躙されて終わりだと思う。

 そうはなっていないということは、魔族をどうにかする方法も存在するってことじゃないのか?


「理由はわかっていないけど、氾濫は2、3日で終わるんだ。魔人は氾濫の時でも魔界から遠く離れたところまでは絶対に進まない。一応人間だって被害を抑えるために、魔界との境界線に万里の長城みたいな長い壁を作って氾濫が起こっても魔物が人間の住む領域の奥までは進まないように対策はしてしね」


 人間の国を滅ぼすために攻めるわけじゃない。数十年に1回程度の割合で2、3日だけの軍事行動。いったいそれにどんな意味があるんだ?

 まぁ、理由が伝わってないってことはお偉い学者様なんかが考えてもわかってないんだろうから、俺がいくら考えたって無駄だろうから理由を考えたりはしないけど。


「そうそう、種族の話もしたし、軽く国のことで補足しておくけど」

「はい」

「うちの国、バルデンフェルトは能力主義だから種族差別は少なくとも表向きには存在しない。リエルドは純人族至上主義で人族以外は獣人も含めて奴隷だったり、追い出されたりで種族差別の温床だね。カウンゼルは獣人が中心になって作られた国でほとんど種族差別はないね。ただ、いろんな獣人の部族が寄り集まって出来たような国だから人族は逆に肩身が狭いと思う。シュリーガンは……」

「? 何かあるんですか?」


 三井さんが言い淀むのを見て俺は首を傾げつつ問いかけた。

 リエルドとかいう国の話で出てきたので、種族差別とか奴隷とか地球で忌避されていたことで言い淀んでるわけじゃないだろう。

 だったらいったいどんな理由があるのか、俺にはまったく見当もつかない。


「魔人がいるんだ」

「は?」

「国賓として魔人が国内で暮らしてるらしい。おかげで国民の大多数が逃げ出してるんだ」

「魔人って…」


 たった今説明されたばかりの勇者でも勝てない化け物が暮らしてるってどんな悪夢だよ。

 魔人って普通に考えて人間と敵対してるんじゃないのか? それを国賓として国内で暮らさせるなんて正気の沙汰じゃない。

 いざとなったら魔人が戦場に出てくるってことになれば、勇者がいっぱいいる帝国でも戦争して勝てないんじゃないのか?


「とりあえず言えるのは、シュリーガンには近づかないようにしたほうがいいってことだね」

「絶対近づきませんよ。死にたくないですからね」

「あはは、まぁそうだよね。話題に上げるのもあんまりよろしくない国だから、名前を聞いたら話を聞かずに逃げるのが得策だよ。後は……あ、お金の説明してなかったよね」

「あぁ、そうですね」

「じゃあ、簡単に説明するけど、この世界の通貨はブレッドっていう単位が使われてるんだ」

「ブレッド?」

「そう。ブレットって言う人もいるけど、それはどうでもいいから置いといて。1Bでパン1個が買えるからブレッドって言う単位なんだ」

「パン1個が最低単位なんですか……じゃあ、パン1個より安いものを買おうとしたらどうするんですか?」

「パン1個より安いものは、普通ならまとめ売りでパン1個分くらいの値段になる量で売られてるんだ。まとめられない微妙な量なら、何か別のものを買うおまけに使ったりだね」

「なるほど」

「その1Bが銅貨1枚で、銅貨10枚で大銅貨1枚、大銅貨が10枚で小銀貨1枚、小銀貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で大銀貨1枚になるんだ。大銀貨の次は小金貨なんだけど、大銀貨何枚で小金貨になるかわかる?」

「10枚じゃないんですか?」

「それが違うんだよ。なぜか大銀貨を小金貨に替えるには100枚必要なんだ」


 なんでそこまで10倍刻みだったのがいきなり100倍になるんだよ。異世界通貨意味わからん。


「で、小金貨の上に金貨があってこれも小金貨100枚で金貨1枚。金貨が最高貨幣だね」

「ってことは……大銅貨が10Bで、小銀貨が100B、そっから大銀貨までは10倍刻みで小金貨は100万Bで金貨が1億Bってことですよね?」

「そうだね。ちなみにパン1個で1Bだから、日本円だと1Bはおおよそ100円って言うのが日本人勇者の総意ってことになってるんだ。細かく言ったらちょっと違いはあるだろうけどね」

「わかりました。この世界の通貨は日本円の100倍って考えればいいわけですね」

「その通り。っと、そろそろ準備も出来たかな?」


 三井さんがそう言うとタイミングよくメイドさんが小さな袋と紙を持って近づいてくるところだった。

 袋は小さめの巾着袋ぐらいで、紙の方は普通の白い紙だ。この世界の製紙技術はそうとう高い水準にあるらしい。


「とりあえずこれが慰謝料だね」

「ありがとうございます」


 渡された袋を開けてみると銀で出来ているらしい1円玉サイズのコインが10枚と100円玉サイズのコインが9枚入っていた。さっきの説明通りなら小銀貨10枚に銀貨9枚ってところかな? 10000Bだから日本円なら100万円か、3時間拘束されるだけでずいぶん多い金が手に入ったもんだ。


「で、こっちが推薦状。ギルドで登録する時に受付に渡すといいよ」

「ありがとうございます。一応確認ですけど、これって小銀貨と銀貨ですよね?」

「うん。10000Bで100万円だね。よかったじゃないか、いきなりそんな大金手に入れた勇者なんてそうそういないよ」

「ですね。でも、それだけの金を召喚されてすぐに日々の生活費として使う勇者だってそうそういないでしょ」

「あはは。それは仕方ないってあきらめるしかないよ。冒険者になるうえで注意してほしいんだけど、この世界は妙に武器の値段が高いから気を付けてね。今回渡した慰謝料だけじゃまともな装備をそろえるのが難しいんだ。勇者が使えるまともな剣を手に入れようと思えば最低でも100万Bはないと」

「っげ、マジっすか?」

「普通の人なら10000Bあれば一式そろえるのも十分なんだけど、いかんせん勇者は力が強すぎるからね。普通の剣だと1回魔物と戦えば簡単にポッキリ……」


 どうやら三井さんの実体験らしい。昔を懐かしむような遠い目をしていらっしゃる。

 それにしても勇者ってのはいいことばかりがあるわけじゃないんだな。高い武器しか使えないとなると俺みたいにいきなり1人で生きて行かなくちゃいけない勇者はかなり厳しい生活になる。

 普通の武器は本来なら手入れをして長く使うもんだし、使い捨てで使うには値段も問題になる。安い武器を使うわけにはいかないだろうな。


「普通なら召喚した国が勇者でも使える武器を用意してくれてるんだけどね。できることならこっちでそれを用意したかったところだけど、今回のお詫びって意味だとさすがに高価すぎるから……」

「いえ、十分ですよ。冒険者をいつまで続けるかもわかりませんしね」

「そう言ってもらえると助かるよ」


 1億円もする武器を渡されたら、それはそれでいろいろと困る。はっきり言って、俺自身は強くなった実感なんてかけらもないし、強面の人に脅されたら元の世界にいる時の感覚で簡単に差し出しそうだ。貰ってすぐに高価な武器を誰かに奪われたりしたら目も当てられない。

 ……このままだとこの金も盗まれたりするんじゃないのか?

 靴の中と上着の内ポケット、ズボンのポケットに靴下の中と分散して仕舞うようにしよう。ザ・田舎のいじめられっ子スタイルだ。なんでも昔は東京は怖いところだから、上京する時はお金を分散して隠していたそうじゃないか。それにあやかろう。


「さて……できれば、これからも定期的に会ったりしたいところだけど、こう見えて今この街にいる兵士の中じゃ最高責任者でね。時間が作れそうにないんだ」

「それは残念ですね。わからないことがあったら聞いたりしたかったんですけど……」

「悪いね。でも、わからないことは冒険者としてのことならギルドで聞けばいいし、買い物なら店の人に聞けばいいよ。いい店は店員がしっかり対応してくれるところだからそこで判断するといい。ギルドでお勧めの店を聞くのもいい手だね」

「わかりました。ありがとうございます」

「それじゃあ、またいつか会おう。これから君がどんな道を行くのかわからないけど、できれば戦場以外の場所がいいな」

「俺もそう思います。お世話になりました」


 俺は一度深く頭を下げてからメイドさんの案内で城を後にするのだった。

 最初はひどい目に遭ったと思ったけど、おかげで異世界に来て予想外にいい出会いが出来たな。

 三井さんに背を向けて歩き始めながら俺はのほほんとそう考えていた。



 これから俺の未来がどうなるのか、いったい何が待ち受けているのか知りもしないで……

2016/07/04 微修正

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