序
この作品にはオマージュ的な表現があります。
元ネタをネタとして扱う部分と作品内に意図して連想させるシーンがありますので、嫌悪感を抱かれる方はブラウザバックでお願いします。
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俺の名前は獅子王ガイ、勇敢なるGGGの隊員――ではない。普通の高校生だった。
ちなみに本名だ。
名前を聞いてピンと来た人がいるかもしれない。と言うか、ピンときた前提で話をさせてもらおう。
“名は体を表す”なんて言葉はあるが、生憎と俺は名前は一緒でも体の方はおよそ釣り合いが取れていない。というかとれるわけがない。
身長200センチ、体重125キロなんて相撲取りレベルの体型をした高校生がそうそういてたまるかと思う。ゼッタイにいないとは言い切れないけど、名前と体格が合致する可能性は限りなく0だろう。
かくいう俺の体格は四捨五入すれば身長は180センチで体重は70キロと全体的に足りていない。そもそも、半機械人間と同じ体重の時点でいろいろ終わってるだろう。
とまぁ、普通の人間らしい大きさと重さだと自負している。髪の毛がオレンジ色なんてファンタジックな色もしていなければ、ロン毛でもない。黒い短髪、十人並な顔つきという俺の容姿では、幼い少女を危機から救い出したところで、チョベリカチョロン様なんてまかり間違っても呼ばれないだろう。
……まぁ、呼ばれたいとも思わないけどな。
当然のことながらサイボーグでも超進化人類とやらでもない。地球を守るために戦うなんて大それたことが出来るほどにすごい力も持っていない。そもそもそう言ったすごい力で戦うような敵も地球にはいない。
容姿も普通で彼女もいなければ、学校の成績も運動神経も普通という、アニメの登場人物と同姓同名なことがコンプレックスなこと以外はどこにでもいる普通の高校生だった。
この名前、小学生の時に自分の名前の由来を調べましょうってやつで、悲しい思い出がある。なにせ、父親が名前を考えてる時に偶然テレビでやっていたアニメの主人公が同姓だったので、「せっかく主人公と名字が同じなのだから」とその主人公にあやかったなんて理由なんだ。
ふざけてる。ぐれてやる。盗んだバイクで走りだしてやる。免許持ってないけど……
思春期のハートはガラス細工みたいで繊細なんだぞ。いくらなんでもそんな冗談みたいな理由で自分の名前が決められたなんて知ると両親には怒りを通り越して悲しみしかなかった。
いくら名前をあやかったところで、俺は自分の名前の元になった人物とは比べ物にならないぐらい普通の人間でしかないんだ。
さて、どうでもいい話題はここまでにしておこう。
聡明な読者諸君ならお気づきだろうが、俺は高校生だった。そう、『だった』だ。
メタなことを言えば、3度目だから今更かもしれない。でも、初めての人だっているかもしれない。どちらにしろあまり長々と説明するつもりはないから安心してほしい。
今の俺は高校生ではない。
当たり前だけど、卒業して大学生になっただとか、不登校でニートだなんて理由でもない。
高校生ではなくなった俺が何になったか、答えはそう簡単だ。
異世界に召喚されて勇者になっちった。テヘ☆
いや、もう……激しく自己嫌悪だ。
2017/01/07 微修正