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失恋讃歌  作者: 即興曲
1/5

『あたしは恋には向いてない』

ひとを好きになれないというお悩み投稿に首を傾げていたあの頃


自分の理想の恋物語を毎晩作っては眠っていた


いま思えば 自分を磨きはしなかったけれど

あの頃はまだ ほんとうの女の子だったのかもしれない


いつかそんな恋が転がってくると思いはしなかったけれど 実は内心信じていたんだろう


そんなものは長続きしないとか 所詮は相手に求められたいだけの気持ちだとか 要するに求愛なのだとか 知識が降ってきてから

あたしは恋に魅力を感じなくなった


どうでもいいもの 自分には訪れないもの なくても生きてけるもの


ほんとに人に憧れるようになってから 疲れちゃうようになった


欲しいものがすぐ手に入らないのはつまらない

我慢できない


頑張っても無駄だし 片思いの陶酔 どこかで実は叶ってほしくないと思っている自分もいる


近寄ってくるものが気味悪く思えた ただ誰でもいいから欲しいだけにしか見えないから


私は恋に向いていない


心の底で憧れてるのは嘘じゃない


でも行動に移してあなたに知られた後のことが考えられなくて怖い


みんなどうしてそう簡単に好きだなんて口にできるの?

私が大事にし過ぎてるだけなのね


なんだかもう どうでもよくなっちゃった

二人の姿に違和感を覚えながらも私はずっと見守るようなふりをして笑っていた

ごめんなさい そういう私が居たと記憶してほしいだけだったの


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