魔王城へ
実に半年以上振りの更新となります。
本当にお待たせしてすいませんでした。
正直みんなの口調とかハッキリ覚えてなくて若干不安もあります……
「はいはいファイアボールファイアボール」
剣士二名のバ火力のせいで全く仕事がなくなってしまった。
「拗ねんなよボウズ」
「そうだぞ。それに俺達の主力はあくまでコウなんだからな。ここで消耗されても困る」
そんなんでおだてられてたまるかい。
「主力も何もアラン。お前勇者だろ。そんなこと言ってていいのか?」
「聖剣を失った時点で俺はただの剣士だよ。まあこんなこと言うとミリィに怒られそうだけどな……」
まあ、確かに聖剣に選ばれた勇者って肩書きだったからな。とは言え、今更になって思えばそもそも聖剣に選ばれたから勇者なんて理屈がそもそもおかしい。
「ふん、勇者だの魔導師だの。そんなもんオレには関係ねえ。肩書きなんてのはそいつを縛る鎖みたいなもんだろ」
イガさんが反論する。いやまぁ確かにそうなんだろうけどさぁ……
俺達は話しを続けながらも魔王城への歩みは止めない。いやむしろ歩みなんて表現してはみたけど、実際に超速度で走ってたり、空を飛んでたりとめちゃくちゃなんだが。
とにかく猛スピードで目的地を目指す。
「どっちにしろここで消耗するわけにはいかない、ってのは同意だな。本当これじゃキリがない」
先のベヒモスの討伐からこっち、色々と俺達に襲いかかってくる。中にはワイバーンどころじゃなくて、でっかいドラゴンもいた。とは言え、もはや俺達での敵ではない。
だがそうは言っても、こう数が多いとやってられない。
「二人に質問、このまま向かってくる敵を倒しながら行くのと、一発でかいのをぶちこむのと、どっちが消耗少ないと思う?」
ぼちぼちフラストレーションも溜まっていたので、二人に質問してみる。
「でかいのだな」
「そりゃあでかいのだろう」
HAHAHAこの悩筋どもめ、私もそう思います。
「じゃあ一発いっとくか」
「ったく、最初からそのつもりだったんだろうがよ」
その通りです。だって出番がなくていい加減退屈だったんだもの。
魔王城はもう視界には捉えている。というよりも遮蔽物がないので、あくまで見える。というレベルだが。
それでも全速力で直線距離を走れば、このメンバーならそう遠い距離じゃない。
握るのはデザート・イーグル。最近はコイツにお世話になりっぱなしだな。
「そんじゃいっちょいっとくか。バアル・バースト!!」
溜まった鬱憤を晴らすかのように、銃口から魔力を放出する。いっそ魔王城ごと吹っ飛ばす勢いで
魔力が大気を揺らしながら、前方の魔物を消滅させていく。それこそ文字通り跡形もなく。
「相変わらず馬鹿げた威力じゃのう……」
「他の二人もそうだけど、先生は本当に人間なのかしら……」
誉め言葉として受け取っておこう。とにかく今のうちだ。
「爺さん、サニー。しっかり掴まってろよ」
「え? あっ!」
レイン爺さんとサニーを抱えて全速力で飛ぶ。イガさんとアランは……
「おせえぞボウズ! 早く来やがれ!!」
「」
二人抱えてるハンデはあるにしろ、とっくに俺の前だ。走った方が速いとかもう意味分からんよ……
小さくため息を吐きながら、一直線に飛んでいく。おぼろ気だった魔王城が徐々にハッキリと見えてきた。あと少しだ!!
もしかしたら何か罠があるかもしれない。用心はしておこう。
「オラァッ!!」
などと考えていたら、バキィッ!! と何かが砕けるような音と乱暴な声が聞こえてきた。
ふと見てみればイガさんが魔王城の城門を蹴り飛ばし、そのまま中に入っていく姿が見える。俺の心配返して。
つか城門そんな簡単に壊れるんだ……それでいいのか魔王城。
「全く、仕方ない奴だな」
アランも苦笑しながら後に続く。どうやら罠はなかったようだ。
「イガさん!!」
「おうボウズ、あんまりおせえから先に入っちまったぜ」
人の心配をよそに先に飯食ってたぜくらいのノリで言ってくる。
「いや罠とかあるかもしれないんだから、ちょっとくらいは慎重にさぁ……」
「ハッ、罠があろうがなかろうが、どっちにしろ入るしかねえんだったら、罠ごとぶっ壊した方がはええだろ」
うーん、これはこれで正論なのか? ……いやいや騙されちゃいけない。きっとこの人の脳みそは筋肉で出来てるんだ。
「しかしこれで二度目か。次がないといいが……」
「アラン、次はない。これで終わらせるんだ」
気を取り直してアランの呟きに応える。ここは俺達にとっては嫌な思い出がありすぎる。
特に俺なんてここで一回死んでるしね。
「しかし妙に静かだな。さっきまで無限に湧いて出た魔物の気配もしねえ」
「前は……どうだったかな。確か魔王……ヴィエラが居た部屋に行くまでに、門番のような魔物がいたはずだが」
『そんなのはもういないよー?』
いきなり頭上から声が聞こえた。この声は紛れもない、フラッグの野郎だ。
『思ったより早かったねえ……流石にキミ達を倒せるなんて思っちゃいなかったけどさ。少しくらい苦戦してくれてもいいんじゃないかなぁ?」
「あの程度でオレ達をやろうってんなら、テメェはオレ達をナメ過ぎだ」
だよな。確かに強力な魔物もいたと思うが、あの程度に苦戦するようじゃコイツには到底届かない。恐らくコイツ自身も分かって言ってるんだろう。
『別にナメちゃいないけどね。特にキミとコウ君は危険すぎる。どんな方法でも、とっとと死んじゃってくれた方がボクにとっては楽なんだよ』
「ふん、相変わらずふざけた奴じゃの」
急にレイン爺さんが声を上げた。そうか、レイン爺さんもフラッグとは因縁があるって言ってたな。
『おや? なんだいこの老人は……と、言いたいところだけど。そうか、生きていたんだね。レイン』
「貴様を殺すまでは死んでも死にきれんでの。老体に鞭打って出てきたんじゃ。ありがたく思うがいい」
フラッグもレイン爺さんの名前を知っている。と、これは爺さんがただの魔族だったとは考え難いな。
『ハハハッ、それはどうも。しかしコウ君。本当にキミは何者なんだい? よりによって魔王を二人も従えるなんて』
「魔王を、二人?」
それってやっぱりそういうことなんだよな?
『なんだ、言ってなかったのかい? レイン。いや、初代魔王レギン=レイン』
「黙れ、その名は捨てた。今はただのレインじゃ」
爺さんが魔王、か。確かにヴィエラのことも名前で呼んでたな。でもそれなら何故……?
『ふん、それは魔王でありながら魔族を裏切ったからかい?』
「裏切った。などとは今でも思ってはおらん。間違っておったのはワシ。正しかったのはクラウド達。ただそれだけのことじゃ」
過去に何があったのかは分からない。だけど結局、全ての元凶はコイツだったってことか。
「コウよ、ワシも黙っておるつもりはなかったんじゃ。だが明かす必要もないじゃろうと思うてな」
「気にしてないさ。それこそこっちにはヴィエラが身内にいるんだ。魔王の一人や二人増えたところで変わらないよ」
別に魔王だからどう、というわけじゃない。それに爺さんは父さんの戦友だったんだろう。なら尚更信用しないわけにはいかないじゃないか。
『勇者に魔王に揃い踏み、か。その中心にいるキミは一体なんなんだろうね? コウ君?』
「知らん」
別に俺が中心だ、とは思っちゃいない。イガさんは俺に巻き込まれただけ。ミリィ達はそもそもアランという勇者の存在があったからこそだ。
「お前がどう思おうとも俺には関係ない。俺が何者かなんてのは殺される前に言っただろ。ただの魔法師だって」
『ただの魔法師が神にケンカを売るとでも? まあいいや。そんなことはキミの言う通りどうでもいい』
じゃあ最初から言うんじゃねえよっていうね。
『さあ、役者は揃ったみたいだし、上がって来なよ。ボクは魔王の間で待ってるよ。懐かしいだろう?』
「ああ、但し今度はお前が死ぬ番だ。フラッグ」
舞台は整えた。とでも言うつもりか。
『楽しみにしているよ。ボクが勝つか、キミが勝つか。ね』
「せいぜい今のうちに笑ってろ」
目指すは魔王の間。
「行くぞみんな!! 今度こそあのふざけたピエロ野郎をぶっ飛ばしてやろうぜ!!」
「おう!」
「ああ!」
「もちろんじゃ!」
「はい!」
俺は過去の記憶を手探りに、一直線に魔王の間を目指す。
--今度こそこの戦いを終わらせてやる!!
毎日は流石に厳しいので、少しずつ書きだめて行こうと思います。
また、徐々に改訂していきますので、もし私のように(何)どんな話か忘れてしまった方はまた最初から読んでみてください()




