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ジャックスと仲間達

なんか重い…というか更新がなかなか出来ないですね。

「で、君達は何者なんだい? 冒険者とは言っていたけど、いくらなんでも常識外れ過ぎる。それに空を飛ぶ魔法なんて聞いたこともない。」

「えーと、どこから話したもんかな……」


 ジャックス達を助けたのはいいが、かなり怪しまれてしまったようだ。勢いに任せたところはあるから反省しないといけないにしても、助けるためだったんだから多目に見て欲しいなぁ。


「色々話すにしてもここじゃなんだし、とりあえず移動しないか? 俺達はさっきこのカナリアに着いたばかりで皆別行動なんだ。そろそろ宿も決まって冒険者ギルドで集まってると思うから、そこで話をさせて欲しい。それに俺達が聞きたいこともあるしな。」

「私達にか? もちろん構わない。助けて貰った恩もあることだし、お互い情報交換といこうか。」


 どこまで話すかはもちろんミリィに丸投げするつもりだけどな。まぁ思ったより早く目的が果たせそうだし、無茶やってしまったことはそれでチャラにして貰おう。


「じゃあギルドに向かおうか。あ、ボアの死骸はどうする? 素材として使うなら俺達は特に必要ないし、使うなら皮なり肉なり剥ぎ取ってくれて構わない。」

「え?」


 目を丸くするジャックスが振り向いた先にはキングボアの死骸があった。まぁアレ剥ぎ取れっつってもそれはそれで無茶か。


「それこそギルドに報告して処理して貰った方がいいだろう。こんな巨大な死骸、気味が悪くて誰も近寄りたがらないさ。」

「まぁそれでいいなら、それじゃ行くとしようか。」


 声をかけて全員でギルドに向かう。歩きながらルルが声をかけてきた。


「ねえねえお兄さん。お兄さんが使ってた魔法、あれなに?」

「えっと、飛んでたやつ?」

「ううん、それも気になるけど、ワイルドボアを一発でやっつけてたやつ。流石に空を飛ぶのは無理でも、あの炎の魔法なら私にも使えるかなって。」

「ああそっちか、それならルルも使えるぞ。というか使ってたじゃないか?」

「えっ!? 私あんな魔法使えないよ?」

「だって最初のはファイアアローで、やり過ぎたと思ったから二匹目からはファイアボルト撃ってたしな。」

「うそ!! 私だってファイアアローは撃ってたけど、あんな威力見たことないよ!! もしかして秘密にしたいことだった?」

「いや、そう言われてもなぁ……俺もまともな魔法は中級魔法までしか使えないし。」

「えっ……?」


 何故かは分からないが、未だに俺は上級魔法が使えていない。実際オリジナルの魔法で用が足せているので、それほど重要とは思わないが、何故かファイアスピアを放とうとしても使えないんだよな。中級魔法だったら詠唱なしでも使えるのに。


「確かに威力は自分でもおかしいと思ったことはあるけど、別に嘘を言ってるわけじゃない。ただ人より特殊な環境で魔法の練習をしてきたからというか……」


 この辺は大っぴらには言えないな。言うにしてもミリィの許可が出てからじゃないと後が怖い。


「そうなんだ? もしかしてお兄さんはエルフなの?」

「いや、ただの……と言っていいのか最近は自信ないけど、人間だよ。」


 ん? 今ロッテがこっちを見たような? 気のせいか。フード被ってるから顔もよく分からん。


「すごいなぁ。やっぱり私才能ないのかなぁ?」

「いや、ルルの年齢で……つっても実際幾つなのかは分からないが、中級魔法まで使えるなら大したもんじゃないのか?」

「うーん、前はそう言われて喜んでたけど、お兄さんの魔法を見た後じゃちょっと……」


 俺としても比較されても困るんだけどな。一回死んで地球で生まれ変わってこいなんて言えないし。


「まあその辺は話せたら話すさ。我らがボスの許可を得られれば、だけど。」

「ボス? そこにいる怖いおじさんのことじゃないの?」


 怖いおじさん? ああイガさんのことか。


「あのおじさん「ボウズ後で話が」お兄さんは見た目は怖いけど本当は優しいんだぞー。料理だって上手なんだぞー。」


 気にしてるのか。つかそういうこと言うと余計怖がられるよイガさん。っと、ルルと雑談をしている間に着いたみたいだな。


「さて、みんないるかな?」


 扉を開き、建物の中に入る。俺達が入ってきた姿を見て一瞬ざわつくが、どうやらジャックスを見てのことらしい。やっぱりここでは有名なんだな。


「ああ! 勇者様。ご無事でしたか!!」


 さっき助けた男が声をかけてきた。どうやらこの人はこの人でギルドに救援でも依頼してたのかな?


「この人達のおかげで。それよりもう怪我は大丈夫ですか?」

「ええもちろん! 白魔導師様の魔法は流石ですね!! 怪我をする前よりも調子がいいくらいですよ!!」


 お世辞かどうかは分からないが、本当になんともなさそうだな。そうなるといよいよもってロッテの回復魔法は異常なんじゃなかろうか。


「それはなにより、今度からは気を付けてください。貴方が死んで悲しむ人もいるでしょう。」

「はい! ありがとうございました!!」


 礼を告げて男がギルドから去っていく。


「あ、コウさん、イガラシさんも。もう宿は決まったんですか?」

「いや、それは銀の字達がまだ探してるはずだ。オレは退屈だったから途中で抜けてきたからな。」


 勝手に抜けてきたんかい!! そのおかげで助かったから大っぴらに文句は言えないが、それはそれでどうなんだろうか。


「俺も宿探しにはついていかずに街をぶらついてたからな。そうそう、紹介するよ。こっちはジャックス、カナリアで勇者と呼ばれている男だ。で、その仲間のルルとロロ、そっちの白ローブがロッテって言うらしい。」

「そうですか、貴方達が……初めまして、私はアイサ。王都でギルド職員を務めていますが、訳あってこのコウさん達と一緒に同行しています。それとこちらの娘はアイラ。こう見えて私の妹で、コウさん達とパーティを組んでいます。」

「アイラだよー! よろしくねー!!」


 アイサが礼儀正しく、アイラが元気良く挨拶する。なんというか、二人のキャラがそのまま出た感じだ。


「ジャックスだ。確かにこの街では勇者と呼ばれている。だがコウ、君に一つ言っておくことがある。」


 俺に? なんだろうか。


「私はこう見えて女だ。よく男と間違われるが、そこだけは覚えておいて欲しい。」

「なんだってえええええええ!!」


 そういや確かに自分のことを男だなんて一言も言ってないし、一人称も『私』だったな。なんてこったい、勇者だなんて呼ばれてるからてっきり男だと思ってたぜ。


「それはすまなかった。ん? ということはジャックス達のパーティは全員女なのか?」

「いや、ロロは男だ。ルルと双子だから見た目もよく似てるし、間違えられることは多いけどね。」


 なんというか面倒なパーティだな。性別的な意味で。


「それじゃあまあとにかくだ、うちのボスがいないから詳しい話は明日にしたい。とりあえず今日はキングボアの件をギルドに伝えて解散にしよう。明日もここに集合でいいか?」

「ああ、別に急ぐ理由もないし、私はそれで構わない。正直今日は疲れたこともあるし、ありがたいよ。」


 そう言って僅かに笑顔を見せる。うんそうだな。笑ったら女性らしく見えるな。


「それじゃ報告はジャックス達に任せていいか。俺達はまだあんまり目立ちたくないんだ。」

「いや、そうは言っても実際にキングボアとワイルドボアの群れを殲滅したのは君達だろう? 私としても人の手柄をとるような真似は……」

「そこはほら、助けた恩だと思って。」

「それは逆に恩が増えてしまうような気もするが……まあ事情があるなら仕方ない。旅の冒険者に助けて貰ったと報告する。それでいいな?」

「ああ、それでいいよ。申し訳ないね。」

「何を言うんだ。私達は命を助けて貰って何も返すことが出来ないんだ。せめてちゃんと礼くらい言わせてくれ。本当にありがとう。」


 改めて礼を言われると照れ臭いな。


「ほら皆も。ちゃんと礼を言うんだ。」

「お兄さんありがとー。」

「ありがとうお兄さん。僕正直今回ばかりはダメだと思ったんだ。」


 ルルとロロが礼を言ってくる。なんというかお兄さんって呼ばれ方はクセになりそうだな。


「ロッテも、ほらこういう時くらいはフード外して。」

「ちょ、ちょっとジャックス。自分で、自分でやりますから。」


 と、半ば強引にジャックスがロッテのフードを外す。


「コウさん……と、イガラシさん、でしたか。助けていただいて本当にありがとうございました。」

「あ、あぁ。無事でよかった。」


 フードの下から現れたのは肩の下ほどまで延びた長い銀の髪。それと……


「うわあー、ロッテさんってすごい美人さんなんだね!! フードなんか被らなきゃいいのに!!」


 と、アイラが言う。俺も思わず言葉を失ってしまったくらいだ。


 そう、ロッテはとんでもない美人だった。それに耳が俺達に比べて尖っている。ということはロッテはエルフなのか。


「も、もういいでしょう? 流石に人目があるのはちょっと……」

「本当ロッテは恥ずかしがりだなぁ。綺麗なんだからもっと自信持ったっていいのに。」

「ジャックス、止めてください。怒りますよ?」


 と、ロッテから何か怒気のようなものを感じた。お、おおこれは怖いな。


「ご、ごめんちょっと調子に乗っただけなんだ。」


 ジャックスも怯えている。うんそうだよな。あれは怖いよな。


 そう言いながら俺は無意識の内に脇腹辺りを押さえていた。あれ? なんで俺こんなところが気になるんだ?


「そ、それじゃコウ、また明日。」

「あ、あぁ。その、なんだ。頑張れよ?」


 なんとなく変な雰囲気になってしまったので別れの挨拶をかわす。


 さて、アラン達とミリィもまだ時間がかかりそうだし、アイサとアイラにさっきあったことでも話していよう。


「で、ジャックス達なんだが……」


 --その後アラン達がやってきたのは一時間ほど経った頃だった。思ったより宿探しに苦戦したらしい。


 さて、このペースなら明日には用事が終わるかな?

遅くなりましたが投稿完了です。

感想とか活動報告の返信がうまくいかないエラー? が出ているんだそうな。

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