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産まれました ※改訂済み

これも有る意味プロローグ。あと初めて感想貰いました! ありがとうございます! 

※過去投稿分の誤字脱字や文脈のご指摘は可能な限り修正してきます。


※2015/12/2 改訂

 --ん……?


 いつの間にか眠っていたんだろうか。


 いやいや待て、確かに俺は死んだはずだ。腕は千切れ飛んでたし、体力も魔力も使い果たしたし、いくらなんでも生き延びたとは思えない。


 --にもかかわらず、意識がある。失ったはずの腕の感覚もある。だけど満足に動かせない。


 もしかして本当は生きていて、誰かが治療してくれて繋げてくれたんだろうか? でもあの場面からどうやって? ヴィエラが最後のアレで助けてくれたのか?


 瞼を閉じている感触もある。開いて見ればここがどこか分かるかもしれない。


 --だけどダメだ。眠いわけじゃないのに開かない。


 狭いところにでもいるんだろうか。挟まれているようで窮屈だ。それに遠巻きに聞こえる声が騒がしい。どうやら人の声のようだが、何を言っているかが理解出来ない。


 --これはもしかして死後の世界ってやつなんだろうか。


 だとしたら納得だ。理解は出来ないが、そういう世界があるとは聞いたことがある。


 何度も目を開けてみようとする。


 --もう少し。もう少しで目を開けられそうだ。


 必死で瞼に力を込める。だがなかなか目は開かない。一体どうなってるんだ?


 その時、誰かに足を引っ張られている感触がした。物凄い力だ!!


 一体どんな男が引っ張ってるんだろう。まさかあの世の亡者だろうか。


 などと考えている内に、俺は挟まれていると感じた圧迫感から抜け出した。


 --と、同時に誰かに抱え上げられた。


 って待て待て!! 俺を抱え上げるなんてどんな大男だ!? くそ、せっかく意識を取り戻したっていうのにまたピンチか!!


 今度はいきなり足を持たれて逆さ吊りにされた。なにこれ拷問? とか思っていると。


 --バシーンッ!!


 いってええええええええええ!!


 尻を思いっきり叩かれた。え? なにこれどういうこと?


 --バシーンッ!!


 考えてたらもう一発叩かれた。いってええええええええ!! 痛い! マジ痛い!!


「おぎゃああああああ!!」


 ん? 今の声は俺か? 「いてえなこんちくしょうが!」と言いたかったが舌が回らない。


 なんだか身体中の筋肉が弛緩しているような感じだ。動かそうと思っても、力が入らないし動かせない。


 だが抵抗するまでもなく、俺の尻は解放された。どうやら俺が泣いたことで満足したらしい。


 俺は再度抱きかかえられ、違う誰かの腕に渡される。


 --なんてこった、確かに俺は巨漢と呼べるほど大きくはなかったけど、それでも軽々と抱き抱えられるような奴が二人もいるのか。


 しかしさっき(逆さ吊り)と比べて、まるで壊れ物に触れるかのように、怖々と触れてくるのが分かった。


 多分俺は今大事に抱かれている。そう感じて、先程までの緊張感は霧散し、むしろ安心感を覚えるくらいだ。


 と、同時に気付いた。どうやら尻を叩かれたショックで目が開いてたらしい。動かないモノは叩いてみればいい、とはよく言ったものだ。


 まさか自分がされる側になるとは考えもしなかったが。


 だが目を開いたとは言っても、カッと見開く、というより薄目を開けた程度、という方が正しい。やはり満足に力が入らず、精一杯でもそれだけしか開けられない。といった感じだ。


 --眩しい。


 目を開いた瞬間、最初に抱いた感想はそれだった。どこか建物の中だろうか、白一色の天井が目に入った。


 続けて辺りを見回してみようとするが、首すら満足に動かせず、やはりそれも叶わない。


 どうやら長いこと眠っていて筋力が落ちたか、あるいは何かの薬や魔法か。もしかしたら呪いのようなものなのかもしれない。


 感覚はあるから、今の俺は五体満足に『有る』ことは理解出来るが、満足に動かすことは出来ない。


 考えていると、俺を抱いた主が顔を覗かせる。一体どんな奴なんだ。一目見てやろうと必死で首を動かす。


 --女!?


 女性だった。しかもでかい。


 いや、でかいって言っても変な意味じゃなくてその、俺を覗きこむように向けられた顔が滅茶苦茶でかい。もしかして巨人族? 今まで聞いたことはないが、もしかしたらそんな人種もいるのかもしれない。


「~~~~~」


 どうやら俺に何か話しかけているようだが、困ったことに言葉が理解出来ない。違う大陸にでも飛ばされたんだろうか。


 と、いうかさっきまで体の感覚もあまりなかったから気付かなかったが、何か色々と違和感がある。ただ力が入らないだけじゃないんじゃないかこれ?


 しばらくして扉が開くような音とともに、足音が近づいてきた。そういえば言葉も話せない、目もよく見えないが、耳だけはちゃんと機能しているようだ。


 とは言っても、今は言葉が理解出来ないから、あまり意味もないが。


 新たに近寄ってきた足音が止まった。視界に入ったその姿は男だ。その男の手が、俺を覗き込んでいる女性の頭に触れた。


 撫でているのだろうか? 女性も嬉しそうな顔をしている。


 女性が男に俺を渡す。男は女と同じように、俺を抱き抱える。


 が、なんか違う。


 さっきと違って柔らかくないし、なんというか安心感がない。つまり下手だ。


 それでも俺のことを、とても大事そうに抱いていることは自然と理解出来た。


 男が俺を覗き込む。まだ若い、俺と同じくらいの年齢だろうか。


 アランのように爽やか系ではないが、不快に思うような厳つい顔ではない。それに抱かれた時に感じたが、柔らかくないと言うより、どちらかというと締まっている感触だ。


 ……いやだからこそ不快感が増してるのかもしれないが。


 --で、だ。


 ここまで来ると俺にも薄々感じるところがある。いや、常識的に考えておかしい。


 おかしいが、死んだはずの俺が生きている。ということ自体にも無理がある。状況を整理してみよう。


 そのいち、なんか狭いところから、足を引っ張られて抜け出した。

 そのに、体が満足に動かせない。

 そのさん、若い男女が嬉しそうに俺を抱いている。しかもやたらでかい。

 そしてそのよん、俺「おぎゃー」って言った。


 うんそのよん、だけでいいんじゃないかな。まだ自分の身体が確認出来てないから、あくまで想像だが。


 そうあくまで想像ではあるが……


 --俺、赤ん坊になってね?

子供二人とも立ち会えなかったなぁ(遠い目)

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