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プロローグ ※改訂済み

初投稿です。どうも初めましてエビ仮面RXです。

10年ほど前にホームページで小説を公開していましたが、そこから色々と人生が忙しくなってしまい、全くもって小説なんて書いていなかったのですが、ラノベ好きは変わらず、久々に自分で書いてみたくなったので投稿と相成りました。

お目汚しとは思いますが、是非読んでいただければ超嬉しいです。


※2015/11/30 改訂

 --気味が悪い部屋だな。


 最後の戦いを前に、俺達は体力の回復に努める。扉一枚を隔てて魔王がいるって考えると、流石に気は抜けないが、何故か向こうからこちらに来る気配がない。ならば、と少しでも万全の状態にするために、休憩することにした。


「ようやくか……」


 目の前の男がポツリと呟く。


「ああ、ようやくだ。全くよくここまで来たもんだよ」


 本当にそう思う。俺は首肯しながら男に返事をした


「これが最後の戦いになるのね」


 続いて俺の隣にいる女が言葉を続ける。


「長かったと思ったけど、思い返せば短い旅だったね」


 更に続いて女の向かいに座る少年(?)が感慨深げに問いかける。その言葉に男が言葉を返す。


「ああ、俺も最初は無理やり勇者なんてもんにさせられて、絶対無理だって何度も思った。でも皆がいてくれたおかげでここまで来れたんだ。本当に皆には感謝している。ありがとう」


 目の前の男--アランが頭を下げている。


「そういうのやめて頂戴。私達は、少なくとも私は、貴方を認めたからこそ、今まで一緒に旅をしてきたの。お礼なんて言わずに、最後まで俺についてこい!! くらい威勢のいいことを言って欲しいものだわ」

「そうだな。俺も全くもってミリィに同感だ。アラン、お前はもう少しリーダーっぽくエラそうにした方が良いぞ」


 俺は隣の女--ミリィに同意を示す。


「僕の場合は皆さんと違って途中からの参加だったし、苦しいこともあったけど楽しかったですよ」


 やはり少年のように見える(・・・)エルフ--シャルが言う。


「シャルは最後まで自分のことを僕って言い続けてたな……ついてないくせに」


 最後の方は小声でボソリと呟く。


「コウさんうるさいです。そんなこと言うならもう怪我しても治してあげませんからね!!」

「おっと失礼。そう怒るなよシャル」


 俺が茶化した言葉に過敏に反応するシャル。どうも年頃の女の子は沸点が低くていかんね。まあ俺が悪いんだけどさ。


「はは、コウは相変わらずだな。俺と一緒に村でやんちゃしてた頃から変わらない。中級魔法師になった時は、てっきり落ち着くのかと思ったら、更に悪化してた時は流石に呆れたぞ?」


 アランが昔を思い出してか、少し遠い目をして言う。あ、これ遠い目じゃない。呆れてるやつだ


「そう言うなよアラン、俺とお前の仲じゃないか。あとやんちゃって今時言わなくないか?」


 俺とお前の仲、というのは別におホモだちというわけではない。


 何の嫌がらせか、俺と勇者であるアランは生まれた日も一緒、立って歩いた日も一緒。という過去があるので何とも言えない。これが可愛い女の子とだったらもっと喜びも感じるんだろうが。


「そんな二人が片や勇者、片や中級魔法師になって、大陸の運命を左右する戦いに一緒に臨むことになるなんてね。とても腐れ縁なんて言葉じゃ片付けられないんじゃない? もう貴方達一生一緒にいなさいよ」


「「誰がこんな奴と!!」」


 否定の言葉すら見事にハモる。こんなのは数えるのが嫌なくらい繰り返してきた恒例行事だ……甚だ遺憾だが。


「まぁでも、だからこそ真面目なアランさんとバ……アホなコウさんとでバランスが良いんでしょうね」


 シャル今お前バカって言いかけてアホって言い直したな? いや、全然言い直したって言わねえよ!


「ははは、しかし俺達はここまで来て緊張感がないな」


 アランが笑顔になる。本当に愉快そうで爽やかな笑顔だった。扉一枚隔てれば魔王がいる。そんな事実を忘れるかのように。


「本当にね……一体誰のせいかしら」

「おいシャル言われてるぞ」

「コウさんうるさい!!」


 シャルに怒られた。なんで俺ばっかり?


「まぁしかしここに来るまでに色々あったな。アランが勇者になったのはいつだったか……」


 --時は八年前まで遡る。


 幼馴染である俺とアランは、生まれ育った村で十五歳の成人を迎え、今の退屈した生活から抜け出したいと思い、冒険者になるべく二人で研鑽を積んでいた。お互いの両親がそれなりの冒険者であったこともあり、親の理解もすんなり得られた。


 体格に恵まれたアランは剣術を、俺は身体能力の面で劣っていたこともあり、アランと旅をすると信じて疑わなかった俺は、バランスを考えて魔法師を目指した。


 とは言っても、所詮片田舎にある小さな村だから、魔法師を目指すのは非常に骨が折れた。


 本来魔法師を目指す者は、十歳にも満たない頃から、王都の学校に通い、魔法の授業を受けるのが通常だが、俺のように金もない、ツテもない。おまけに学もない田舎物には、そんな教育を受ける機会は与えられなかった。


 だが幸いにして、アランの母親が元中級魔法師であったこともあり、初歩の魔法、初級魔法を教えてもらうことが出来たのは幸運だったと言って間違いないと思う。


 --そしてそれから三年間、俺とアランは共に、お互いの親から剣と魔法の基礎を学び、十八歳の誕生日を迎えた日に揃って村を出た。


 その頃には俺もそれなりに魔法を使えるようになり、アランほどではないにしろ、剣術も使えるようになった。


 だが皮肉なことにアランには魔法の才能もあったらしく、剣術、魔法のどちらの面でも敵わず、当時の俺には少なからず劣等感があったのは俺だけの秘密だ。


 村を出たはいいが、まずどこへ向かおうか。という話になった。いきなり王都に行っても門前払いされるだろう。ということで、俺達二人は村から少し離れたカナリアという街を目指した。


 その理由はカナリアに冒険者のためのギルドがあったからだ。そこで冒険者登録を行い、まずは当面の金を稼ごう。ということで意見は一致した。


 それからしばらくは魔物との戦いに慣れるため、魔物討伐の依頼を主に受けては日銭を稼ぐ日々が続いた。


 そんな生活を送りながら二年ほどが経っただろうか、アランは成長著しく、剣術に関して言えばカナリアの冒険者の中でも名が知られるほどになり、俺も少しずつではあるが、一緒に依頼を受けた魔法師と仲良くなり、中級魔法もいくつか使えるようになった。


 --やっと五年前に交わした約束、魔法師を目指す。という言葉が現実味を帯びてきた頃だった。


 徐々に俺達二人の名前も売れてきた頃だった。冒険者の間で、王都で勇者を選定する儀式が行われるとの噂を耳にした俺達は興味を引かれ、王都近くで発生した魔物の討伐依頼を受けた。


 ついでに王都に寄って儀式が見られるなら見てみよう。という思惑通りに、早々に依頼を完了した俺達は、その足で王都に向かった。


 ちなみに魔物はアラン一人で倒しました。俺はアランのかすり傷を回復魔法で治しただけ。最近はこんな簡単なお仕事しかしていません。


 あれ? 最近攻撃魔法使ってなくね?

誤字などはご指摘いただけるとありがたいです。

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