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終わりなき世界の観測者たち  作者: 颯音ユウ
第2部【帝国戦争篇(前編:火種)】

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幕間:帝国戦争篇(前編:火種)前半整理


▪️ここまでの物語


王国の北――《静穂の林・影根回廊》で、冒険者が「消える」異常が繰り返されていた。

それは単なる遭難ではなく、戻った者から“繋がり”だけが抜け落ちるような、質の違う欠落だった。


王国は危険区域を指定し、線を引く。

同時に、帝国も“受理せざるを得ない形”で動き始め、魔帝国もまた、影で整え直しに入る。


やがて王国側の突入者――ギルドマスター・アルト、統括受付嬢レイナ、魔導士協会会長セフィラ、王都防衛軍団長アルノーの四名が中心へ踏み込み、

回廊に巣食う魔神《回廊ノ歪神》の核へ届く一撃を成立させた。


ただし、核を割っても、根は残る。

そしてその“落ちた感触”は、遠く帝都の玉座にまで届く。



▪️主要登場人物


・アルト

フェリオス王国ギルドマスター。慎重だが有事に動く。ヴェイルフォルム戦技祭でも上位に名を残している(過去歴:剣技7位/魔法4位)。


・レイナ

ギルド統括受付嬢。受付の長であり、ギルドマスター不在時は副ギルド長に近い形で補佐も担う。資格は希少で、厳しい試験を通った者だけが就く。 現在、統括受付嬢の資格を持つのは世界でレイナ1人しかいない。(戦技祭:剣技部門2位)。


・セフィラ

魔導士協会会長。魔法理論の第一人者で、異常現象の分析と“固定しすぎない処理”を担う。


・アルノー

フェリオス王国・王都防衛軍団長。戦技祭では剣技部門4位。戦場を軍人の言葉へ翻訳し、隊形・合図・帰路の概念が削られる恐怖を“地図の言葉”で共有できる盾役。


・アウレリウス=ノーン

帝国監視者(帝国監視官)。王国・教会・魔族を含む各方面を観測し、感情よりも「進行」「収束」「分岐」を重視する管理役。皇帝基準で動く。


・監察総監カッシウス

帝国の監察総監府を束ねる男。帝国が“見なかった”を選べない局面を、帝国の順番に並べ直す。


・枢密院議長/大宰相マクシム

帝国中枢の政治側。倫理と噂の“切り方”が上手く、事実を「物語」に変える役を担う。


・皇帝セヴェルス・レオニス・ヴァル=カイゼン

帝国の頂点。穏やかな名君として語られる一方、別の意思に操られている噂もある。帝国の決定権を握る存在。


・魔皇帝リリス

魔帝国の皇帝。表に立たず、火を起こすより“燃え広がる先”を変える。必要な瞬間だけ、場に「余白」を混ぜるような支援で均衡を取りにいく。


・カエルス

魔皇帝リリスの側近。表に出ないリリスの“声”として、命令・政務・情報を実務へ落とし込む役。魔帝国が「動いた痕跡」の多くは、彼を経由して形になる。



■ 主な勢力・組織


・フェリオス王国

人族国家。王都・ギルド・軍・魔法組織がそれぞれ別の権威で動き、一本化されきらない強みと弱みを持つ。


・王国ギルド:冒険者・調査・依頼の窓口であり、治安と情報の要。


・魔導士協会: 国家とは別の権威として、魔法体系と結界規格を握る(王国式の共通規格術式など) 軍(魔導士団)が“使う”ための土台(理論・規格・資格・インフラ)を整える側。


・王国騎士団: 王国の正規戦力(遠征・討伐・国境線・戦後処理の主力)。現在、回廊事件の余波で、封鎖線・後始末・治安再編に追われている。


・近衛騎士団: 王族/王宮の専属護衛。外征よりも「王都で最後に立つ盾」。王政会議・式典・要人警護など、王都中枢の安全保障が任務。


・王都防衛団(王都防衛軍): 王都と近郊の常設守備隊。門・城壁・警邏・避難導線の確保など、“都市の運用としての防衛”を担う(戦場ではなく街の防衛)。


・王国魔導士団: 軍属の戦闘魔導士。戦術魔法・広域支援・結界展開など「軍の魔法火力」を運用し、命令系統は軍側に属する。


・帝国(ヴァル=カイゼン)

王国とは異なる思想と制度で動く大国。監察・枢密院・皇帝の意思決定が強く、戦争を「軍」より先に「文」と「管理」で始められる。皇帝セヴェルスを頂点に置く。


・魔帝国

魔族国家。魔皇帝リリスが統治する。表の正義ではなく、盤面の均衡を優先して“最小限で最大の方向転換”を狙う。


・聖教会/邪教会

宗教勢力。正義の言葉と、沈黙の場所取りで戦争に絡む。


■ 用語


《王政会議》

フェリオス王国の最高意思決定の場。戦争・外交・治安・予算など国家規模の方針をまとめ、各組織(騎士団/近衛/王都防衛/魔導士団/協会)が“どこまで動くか”の線引きもここで決まる。


《静穂の林・影根回廊えいこんかいろう

王国北方の危険区域。内部で起きる異常は、遭難や魔獣被害とは別種で、“戻った後の欠落”として残る。


魔神

魔王が瘴気を浴びたもの、あるいは魔獣が長年瘴気を浴び続けたもの。倒すことは不可能と言われてきた災厄。


《回廊ノ歪神》

影根回廊の中心に巣食っていた魔神。攻撃で殺すというより、「繋がり」や「前提」を削ることで人を消し、戻っても結び目だけを抜いていく。核(結び目)に届いたが、根は残る――その余韻が帝国を動かす火種になる。


ヴェイルフォルム戦技祭(通称:大武会)

武と魔法の公的大会。名と実力が同時に通る指標。


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