48/50
戦後報告書
【王国・帝国合同記録 第七二三号】
(戦域観測および戦後処理方針に関する統合記録)
件名:魔王討伐に関する最終報告
一、
魔王アモンは、
勇者エリオ一行により討伐されたと確認される。
討伐地点は魔王城中枢部。
瘴気濃度は討伐直後、
魔王城中枢部において急速に低下。
但し、
城域地下および周辺地脈に
再分布した可能性があり、継続観測を要する。
二、
魔王国軍は事実上瓦解。
残存勢力は散発的抵抗を除き、
統一指揮系統の再建を確認できず。
但し、
小規模群の再集結の兆候が断続的に観測される。
三、
王国側被害は想定を下回る。
聖教会本件を「神意の成就」と公式に宣言。
教義文書の改訂作業を開始。
四、
帝国は本件への直接軍事介入を否定。
但し、
戦域周辺における瘴気・地脈・異常現象の
観測記録を継続中。
付記:
討伐戦終盤において、勇者一行とは別に、
戦域の損耗規模と整合しない
戦闘痕/複数証言の一致により、
高度な戦闘行動を行った
第三勢力の存在が示唆される。
当該勢力について、
王国・聖教会ともに
正式記録を作成せず。
帝国は本件を「偶発的事象」
として分類し、
関係資料の統合封緘を提案
――以上。




