2話 癒しと解放
2話目といきます。
明日はお休みいたします。明後日はpixivで投稿致しますのでお待ち下さい。
あれからどれ程の時間が経ったのだろうか?
私は魔物を倒した後の記憶がない。ルミナスがどうなったのか、目を覚まさなくては分からない。
だが、肉体に縛られている感覚がある。鎖に近い強い締め付けで動けない。
私はどうなっている?
薄暗い部屋で重たげな瞼を開く。光が差さない暗闇の中で、辺りから聞こえる呻き声のようなものが耳に入ってくる。
私は床を這いずり、手探りで今の状況を把握。近くにルミナスはいない。私は鎖で手足と胴体を厳重に縛られてしまっている。呻き声の正体は近くで閉じ込められている者達の嘆きだった。声の数にして数人ではない。老若男女問わず悲鳴や呻めきが轟き、此処にいれば精神に異常をきたす。
此処は地下牢のような場所なのだろうか?つまり、私は気を失って此処へ閉じ込められていたということになる。
薄暗い部屋には腐りかけのパンと泥水の入ったコップが置かれていた。劣悪な環境の中で私は拘束されている。詰まるところ、此処は罪人を幽閉する牢の役目がある部屋だと言うこと。
何故、私はルミナスと一緒に居ない?私が気を失ってしまったばかりに……
拘束する鎖に触れようとした時、階段からカツンと定期的な靴音が下へ降りてくるのが分かった。私は音の方向へ視線を向ける。
「臭え場所だぜまったく。こんな奴らなんて生きてちゃいけねえのによ。メシが与えられるってどんだけ贅沢なんだ?」
憐れむ声調は感じられない。まるで、私達を家畜以下の汚染物に向けた言葉に捉えられる。その証拠に、近くに幽閉された人へ暴力を振り翳す。
怒りは込み上げてこない。私には関係ないことだと心に何も感じない。
看守の様な警備の隊服の男は私を見つけるなり嘲笑する。
「げへへ!いやぁ〜魔族が無様なもんだぜ。おいゲス、お前は明日処刑な!」
あまりにも唐突なものだから、どう反応すれば良いのか判らなかった。男は私の無反応を見て唾を吐きかける。
「チッ!言葉すら分からねえのか⁉︎やっぱ魔族と言っても低級だな。まぁ……そうか!言葉が分からねえなら鬱憤を晴しちまおうか⁉︎イェーイ俺天才!」
この男は私が言語を解せないと思い込んだのか、倒れる私を見下ろす様に口元を歪める。
「お前を庇った女、今別の部屋で身ぐるみ剥がされて拘束されてるんだぜ。魔物のお前を恋人と言った罰でな。この世界は魔物を庇うことを重罪としてるんだ。分かるか?お前らは人様を殺しちまったからだ。先に手を出してきた連中を魔物と呼んで狩って殺す。冒険者じゃなきゃ倒せないのがまたムカつくんだが……。まぁ、あの女はお前の為に性奴隷になっちまうって話だ。あんな若くして可哀想だが、ありゃあ上玉だったな。若くして魔帝王になったにしてはエロいカラダしてたぜ。裸で磔になってたアイツのカラダを見てヌいた時の快感最高だったぜ!でも、明日お前が死刑になってあの女は豚箱行き。そこじゃあ毎日犯されるだろうよ。俺も金があったらな〜あの女抱きてえよ。ま、魔物のお前には分からないと思うけどな⁉︎」
私にとって赦し難い言葉の数々が男の口から出た。この肉体が異常なほどに怒りで震えていた。烈しい怒りが私の無心を激情へと変える。
ルミナスの身体でこの男は自分の欲を満たした。霰もない姿で拘束された彼女の姿が鮮明に浮かび上がる。
それどころか、ルミナスは私が処刑された後に悲惨な末路を迎えることを知り、私はこれ以上堪えることが出来なかった。
この男に対して己の私情を初めて感じた。
「魔物は悪だ。お前は明日処刑されて何も感じないまま死ぬ存在でしかないんだ。可哀想だぜ、あの女がお前を恋人と言ったばかりに…」
私は肉体の意思に反した行動を取る。人間に対する憎しみの様な感情が湧いてくる。
「悪はお前だ。死ぬ事を望まれる者など誰1人としていない‼︎」
「ッ⁉︎お前喋れるのか⁉︎」
拘束されたまま立ち上がる。もはや、私に拘束は意味を成さない。
ほんの少し力を入れれば簡単に鎖は壊れてしまった。頑丈に作られていたようだが、壊すなど他愛もない。
「き、貴様逃げる気か⁉︎」
「逃げる?随分と優しい選択もあるものだな。私にそんな遊惰をすると思うか?魔物と言われたからには相応しいので返そう」
檻の柵越しから男を鷲掴みに掴む。逃げる手前すらなかったので簡単に捕まえた。
「んぐっ⁉︎んー!んんー‼︎」
「どうした?口が塞がっていたら喋れないか?なら、悲鳴を聴かずに済むな」
この男は私のルミナスを淫売なもので見た。自らの欲望で穢れたこいつを生かす理由がない。
「死を以て償え」
男の悲鳴など聞きたくなどない。頭蓋の粉砕で断末魔を上げさせる事すらなく顔を握り潰した。
手に血が付き、私は男が来ている服を破り血を拭き取る。
「ルミナス……必ず私が助け出してやろう」
私の目的はルミナスの生存。今酷い仕打ちを受けていると死んだ男は言っていた。
私には迷いがない。ルミナスだけが今の私を知るのだ。
殺させない。死なせない。生きて私に記憶を与えるのが彼女を生かす意味となる。
その意思だけで、私は簡単に人を殺せた。
その頃、ルミナスは彼より悲惨な状況になっていた。連行されてから2週間が経過しても尚、彼女は鋼の精神で屈辱を堪え忍んでいた。
皮膚を焼かれ、身ぐるみを剥がされた状態で10日以上冷たい風に晒され、僅かな水のみで痩せ細っていた。魔女狩りの様な仕打ちに一切の根を上げずに沈黙を貫いた。
幸い、男が言っていた屈辱はまだ身体にされていない。
「おい!良い加減喋りやがれ魔帝王!貴様はこの国に損害を与えようとしたんだぞ⁉︎魔族の男の恋人と名乗って生きる権利なんかねえんだぞ‼︎」
見るに耐えない拷問。容赦ない暴力がルミナスの腹部や顔に振るわれる。
口内が鉄の味満たされ、力なく地面に血を垂れ流す。顎の骨が砕けてしまったのか、そもそも言語を発する事が出来ないのだ。
しかし、目は死んでいない。死すら怯えず、拷問を受けてもその瞳の輝きは消えていなかった。
それが拷問する者に反逆の意思だと思われ何度も暴力を振るわれる。焼印を使って数ヶ所焼き、足の骨も一部折られるも耐える。
遂に拷問は止んだ。かに思えたが、ルミナスはここで初めて輝きを失う。
「明日、貴様の恋人は処刑される。豚箱行きが確定したな?まだ人権はあるから護られていたが…ケケケケッ!もう直貴様を犯せるな⁉︎魔族に身をやったヤツの末路って事だ!せいぜい、あの男を愛した事を後悔しろ」
「そ……なぁ」
そんな無慈悲な言葉に掠り声しか捻り出ない。
決して自身が最悪な末路になる事への絶望ではない。ただ彼の処刑に心が保たなかった。
涙が溢れ、力ない身体で抵抗に抗うも、凄まじい拷問を受けたその身では動く事すら叶わない。
「あはは!こりゃ良いな⁉︎まだ必死かよ⁉︎いい加減、楽になって壊れちまえよ」
嫌だと抗う。それでも、成す術のないルミナスが助かる道は残されていない。
彼の生存が確かになるまでは………
目の前で激しい血飛沫が飛ぶ。
「ごはっ‼︎」
男は呆気なく即死した。その背後には自らが恋人と言った彼がいた。
「間に合った。ルミナス……いや、すまない。お前を無傷で助け出したかったのだが」
自分を責める。助けて貰ったのに傷ましい表情をさせてしまった失態にルミナスは必死に弁明しようとする。
「ごぉ…ごべんはぁい。わ…わたが……せい…っんで」
顎の骨が砕けたせいで言葉が出せない。叫ぼうにも血と涙が地面に落ちるだけ。
「もう喋るな。私がお前を癒す。少しばかり耐えてくれ」
拘束を解き、ルミナスを地面に横たわらせる。懐から取り出し、薬品の様な極小サイズの瓶の蓋を開ける。
回復薬だった。彼はここに来るまでの間に護衛や騎士団と鉢合わせるも返り討ちにし、何本か回復薬を奪ってきた。
「これはお前の為に飲め。私はまだ大丈夫だ。全部…飲むのだぞ」
しかも、幸運なことに回復薬は完全回復薬という稀少な魔法薬。如何なる傷も欠損や不治以外には効力を発揮する。
ルミナスの顎を優しく持ち、飲み易い様に頭を持ち上げて飲ませる。
彼が奪った完全回復薬は万物に通じ、無機物にすら生命を芽ばす最薬。数十本のうち2本がそれに該当し、ルミナスへ全て飲ませる。効果は驚くほどに素早く肉体を巡る。
瞬時に顎の骨が修復され、傷んだ内臓や骨が回復していく。血は細胞を媒介として増殖し、ある程度の脂肪を消耗させることで血を補完する。
喋れなかったルミナスは意識を取り戻す。
「ありがとう……そんな高価な薬を私に寄越してくれて」
バツが悪そうに御礼を言う。彼はそんな事に微塵も疑問を抱かない。寧ろ、安堵して優しく抱きしめる。
「お前が生きてるだけ良かった。この薬が効くかは賭けだったが」
「あなた様はそうやっていつも……ううん、なんでもないわ。早く此処から脱出しましょう」
「それが良いようだ。私も此処の人間を沢山殺した。だが、気になるものを見つけた」
彼に興味を惹かせるものがあったと言う。ルミナスは戸惑う。
「えっ⁉︎あなた様が?」
「あぁ…。いい加減、私の名前を教えてくれないか?その呼び方はあまりにも聞き覚えが悪くてな?」
「知らない!あなた様の名前なんて——」
逃げようとする。彼はルミナスをあっさり捕まえてしまう。裸同然では逃げるにも支障をきたす。
「逃げるな。お前には生きて貰わなければならないからな。それよりまず服を着ろ。私について来い」
腕を引っ張られ、抵抗虚しく地下の階段を進む。
「待って下さい‼︎そっちは出口じゃない!」
「知ってる。気になる気配がしたから向かう。もしかしたら、私の記憶に関するものがあるかも知れない」
彼は目覚めた時に幽閉されていた地下牢より最下層に向かう。
だが、この地下は下層にとんでもない事実を隠していた。
異様な気配だった。こうして下層へ進んで行くと何か肉体に干渉してくる波長が強くなる。そして、この波長は私にとっても、ルミナスにとっても幸運の雨に等しい代物だった。
「あれ…?魔力が回復してくる。どうして?」
「分からん。だが、地下に何かいるのだろう。気のせいか……私の肉体が恐ろしい程に回復したのもこの現象なのだろう」
原理は不明。だが、何故か私とルミナスには回復の恩恵が与えられる。飢えた肉体を満たし、不快さを感じない程に心地が良い。
「でも凄い!こんなに干渉されているのに気持ち悪くないなんて⁉︎あはは!凄い凄いっ‼︎」
はしゃぐルミナスを見て、何故か懐かしさを感じた。
まただ……。私の記憶にない彼女にこの肉体は嬉しいのだ。
他人の感情なのに、私はそれを嫉ましいと微塵も思わない。恋焦がれる気持ちを理解するのは出来ないが、それが力になる事は何故か知っている。
この肉体の人間は本当に羨ましい。ルミナスの着飾らない笑顔がこうして見れるのだからな。
ただ、この回復は私とルミナスだけに恩恵があるわけではなかった。
「アレは……確かに頭蓋を破壊した人間だったな?何故生きている?」
殺した人間が生き返る現象など知らない。私は幻覚を見させられているのかと錯覚し、つい本気で剣を振り抜いた。
その攻撃は凄まじく、私が魔物と対峙した時より遥かに威力を増していた。
「ヒィッ……‼︎何今の…あなた、もしかして⁉︎」
「安心しろ、記憶はない。ただ、回復したから本来の力が振るえるようになったと思うのが都合が良い。記憶を失う前がこれほど強いとは驚いたがな?」
「違う。あなた様はそんな力なんて……」
どうやら、ルミナスの知っている人間とは違う事情があるらしい。その証拠に、私が剣を出現させた時の態度と今の一振りに見せた表情、まるで敵を見ているようだった。
今思えば、私に向けられる感情は複雑なものばかりだ。しかし、私が知る術がルミナスの情報のみ。
新たな自分を進めるという道なら考えようは幾らでもあるが、この肉体はそれを許さないのだろう。
決して脅す真似はしないのが今後の彼女との交流には必要。話してくれるまで待つのが正しいのかも知れない。
地下深くへ進むと、そこには固く閉ざされた鉄門が現れた。
「此処から強い波長を感じる。恐らく、この部屋に何かあるのだろう」
「そうね。けど、扉は全く開けられそうにないですわ」
「いや、この程度の鉄の塊が壊せない筈がなかろう。私が直ぐに開けてやる」
通常の方法では開かなそうな扉だが、私なら開けられると増長する。無意識に良いところを見せたいと疼いてしまった。
「はぁーっ‼︎」
扉に向けて剣で一撃重い攻撃を与える。
だが、鉄門に一切の傷を与えることが叶わない。衝撃が完全に吸収され、剣を振るった手前で完全に勢いが殺される。
「どうしたの?」
「この扉、私の魔力を吸い取ってしまう。鍵が無くてはこの扉を開ける事は出来ない…」
「鍵が必要ってこと?」
「そうだな。俺の武器が鍵を開ける事に使えるなら良かったが、そんな都合なんてなさそうだ」
歪な形状をしている鍵のような剣。私が握るのは単なる棍棒に成り下がった武器を鍵穴に入れる事すら出来ないと他の手段を探す。
ルミナスが私の武器に触れる。
「……その武器、もしかしたら開けられるかも知れない」
「⁉︎どういう事か説明しろ。私はこの武器をどう扱っていた?」
知らない武器の真価をルミナスが知っている。しかし、彼女の表情は嫌々だった。
「自分で考えて!」
またそんな事を言われてしまう。だが、今回は緊急を要する。
「お前の否定など意味がない。教えてくれルミナス、私はこの武器をどうやって使った?」
「っ……言わない」
仕方がない。私は剣をルミナスへ威圧を込めて振り翳す。殺しはしない。痛め付けて言う事を聞かせれば良いとそう念じて肉体の意思を無視する。
振り下ろされる手前で彼女の酷く怯えた表情に胸が締め付けられる。ダメだと解っているのにルミナスに剣を向ける事に罪悪感が押し寄せてくる。
「その剣は扉を開く力を持ってる‼︎扉に向けたら分かる‼︎」
必死の命乞いで良い情報を得た。お陰でルミナスに一発も攻撃しなくて済んだ。
「なるほどな。確かにそう言った使い方もあったんだな。やってみよう」
歪な形状の剣を片手に扉に向かって剣先を向ける。
肉体にはこの構えはない。だが、妙に既視感を感じる。
「肉体の記憶……いや、これは私の心か?なんだこの感覚は…?」
心が知っている。私の心がこの動作を懐かしいと感じたからそうなのだろう。
何故肉体ではない?一体何なのだ?
構えた瞬間、私は知らない呪文を唱えた。
「鍵が導く心のままに……『リリース』」
剣先が光る。扉に光が差し込まれ、神々しく鉄門が輝きに包まれる。ガチャリと開き、私は驚いた。
「こんなので開くのか?この武器……」
「行きましょ」
その表情は冷たかった。ルミナスは私を見ずに躊躇いなく扉の先へ進んでしまった。
彼女に愛されていた。愛している。この肉体はルミナスにとって最愛の人間だったのには相違ない。
私の武器や記憶には酷く嫌悪を示す。恋焦がれる相手ではなく、宿敵とも思える憎悪の感情を向けられる。
分からない。ルミナスは私の何を知っているのか?
暗闇へ消えていくその背中を見て、私の心がゾクっとした。
扉の先は暗闇で広がる。完全に別空間に入ったという緊張感が冷たく肌を刺す。暗くて視界が悪い。
「寒いな…。この空間、やけに冷えてる」
「可笑しい。この部屋だけ気温が大分下がってるわ。けど、この地下牢には何かあるのは間違いではないと思う」
「口調…砕いてくれているのか?」
ふと気になった。すると、ルミナスが調子良いように微笑んだように見えた。
「あなた様になら良いの!私、ずっと魔帝王で頼られてばかりだったから辛かった。けど、今は追われる身になって気楽で良いの!」
気が狂ったのか、ルミナスが私の腕にしがみ付いて腕を絡める。距離が近いと離そうと思ったが、その密着度は凄まじかった。
「近い…ぞ?」
「照れてますの?あはは!あなた様は本当に可愛いですわ〜‼︎やーで〜す!離してやりません‼︎」
揶揄っているのか本気で言ってるのか分からない。だが、ルミナスが無邪気に見せる態度はどうしても止めたくなかった。
歩いて程なくして暗闇に一筋の光が見えた。更に扉があると分かり、手を翳して重い扉をこじ開けた。
腕を絡めていたルミナスは離れ笑顔は失せていた。
しかし次の瞬間、得体の知れない不吉な塊を見たかのように表情が一変する。
「ヒィッ…⁉︎コレは……」
「コレがあの波長の正体だと言うのか?これではまるで……」
封印。それがこの場に相応しい表現だろう。
無数の棘を帯びた鎖が部屋を覆う。そこから見える時間が経って酸化した黒い血とまだ真新しい赤い血の池。地面には突起物や凹みが確認でき、何らかの儀式に用いれられていた形跡。いや、今も凹みへと血が滴り落ち、川のように壁へと続く。
壁に触れると魔力が走っていた。これが地下牢全域に広がっているとすれば、地下牢の人間が生き返った事と何か関係するのではと考える。
この部屋に入った瞬間に確信した。私の肉体が存在しないのかと錯覚するほどの感覚を味わう。この部屋にこそ、快適な心地をさせる正体がいるのだと。
鎖を避け、中心部へと歩む。血の臭いが鼻を突くが構いもしない。触れる鎖に血が染み込み、長い年月で鉄自体が変質している。鎖そのものが魔力を帯び、触れると心地良い感覚を味わう。
こんな力は見たことがなく知らない。実に興味を持ったと昂揚していた。
探究心とも思える好奇心。私はルミナスの制止の言葉が聞こえなかった。
鎖が繋がれた人物を見つけた。間違いなくこの魔力の波長で私とルミナスを癒した起因。待っていたかのように彼女は笑う。
「初めまして。忘却の初客よ」
私を知る2人目に出逢ったのだった。




