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第4章

「はぁはぁ、ジェダ、どれだけ走った?」


「さあな。だがもう大丈夫だろう。」


「うん。そうだね。ところで、ジェダはアイちゃんをずっと背負ってたわけだけど、大丈夫だった?」


「あぁ、問題ないぜ。まだ子供だから軽いし、体力だってお前よりはある。」


「ごめんなさい。いつも迷惑をかけてしまって。」


「いやいや、なんで君が謝るのさ。それにもともと連れてきたのは俺らだ。だから君は、そんなに罪悪感持たなくていいぜ。」


「ありがとう………。」


「ところで、いつから俺らが魔物だって分かったんだ?角も尾も隠してたはずなんだが。」


「なんとなく分かるよ。だって、ジェダさん嘘がへたなんだもん。」


「ははは。そうか、なるほどな。じゃあ次から気を付けるよ。」


「いや、私はそのままでいいと思う。というか、もう隠し事なんてしないで。」


「そうか、ありがとな。」


「ところでジェダ、何であの時勇者を倒さなかったの?」


「あいつには多分、魔法が効かないからだ。俺らは物理的な戦闘は苦手だろ?魔王とその家来なのにな。」


「なるほどね。ていうか、僕もう魔王なんだね。」


「そりゃそうだろ。もう前の魔王は死んだんだからな。」


「そうだったね。ごめん。」


「なんでお前が謝るんだ。あいつを助けられなかった俺らの責任だ。」


「………でもジェダは、僕を守るために来てくれたんだし、誰も悪くないよ。」


「いや、守れなかった俺らのせいだ。」


「………そろそろ出発しないと。いこう、ジェダ、アイちゃん。」


「そうだな。」

しばらく歩くと、少し小さめの町を見つけた。その町の名は、『レイズール』。この世界の言葉で北を意味する。


「ここは……レイズールだな。はぁ、やっと着いたのか。かれこれ5日ほど歩きっぱなしだったもんな。さすがに疲れたぜ。」


「ジェダ、独り言すごいね。まぁその気持ちは僕にも分かる。とりあえず休もうか。」


「そうだな。じゃあ休むとするか。んで、ついでに買い物だな。えーっと、だめだ、20000Gしかない。これじゃあ大したもの買えないな。」


「貧乏………」


「うるせぇ!だったらてめぇが何とかしろや!」


「いや、ごめんって。僕もお金持ってないし。」


「これじゃあ休憩も出来ないじゃねぇか。まあ仕方ない。とりあえず宿でも探すか。」


こうして3人は、町を歩き回った。


「はぁ、疲れた。そろそろ休憩しない?」


「まだ30分もたってないぞ。お前貧弱すぎんだろ。」


「だって、この町広いんだもん。」


「まぁそうだが…。」

さらに10分ほど歩いた後、宿を発見した。


「あ、こことかどう?」

それは、今すぐにも崩れそうなほどボロボロな宿だった。


「え?ここにするのか?流石にやめといた方がいいんじゃないか…?」


「ジェダさんの言うとおりだよ。


「でも他に無かったんだもん。仕方ないよ。」


「いや、こんなすぐにも崩れそうな宿だぞ…?やめとけって…。」


「いや、逆に考えてみてよ!こんなところに泊まってるなんて、勇者も思わないでしょ!」


「いや、でもここ崩れそうだぞ?」


「でもここしか無かったんだって!それに僕の勘が言ってるんだ。ここではきっと良いことがあるよ。」


(何度言っても聞かねぇなこいつ。)


「ちぇっ、まあいいか。」


「ジェダさん!?良いんですか?」


「だって何度言っても聞かねぇし…。それにあいつは意外と頑固だからな…。」


「えぇ…まぁ仕方ないですね…。」

こうして3人はボロい宿に泊まることにした。

案の定、すごく汚なくてボロボロの宿だった。だが、これ以上悩んでも仕方ないので、3人は受付へ向かった。


「いらっしゃいませ。ですが残念ながら、空いているお部屋がありませんので、今すぐ帰って下さい。」


「え?マジですか?」


「はい。マジです。団体様の予約が入ってしまって、お部屋が全て埋まってしまったんです。」


「そうてすか。せっかく働いたのにな…。」


「お気の毒てすが、さっさと帰って下さい。」


「あぁ…分かりました…。」



「いやー、追い出されちゃったねぇ。」


「そうだな。しっかしあんなボロい宿に団体なんて、どんなバカどもなんだろうな。」


「ははは。でもこれからどうする?この街ここしか宿なさそうだけど。」


「そうだな…。とりあえずまた野宿かな。」


「ちぇ。まぁ仕方ないか。」

残念ながら3人は、また野宿を続けることになった。

その前に、必要な物資を買いに行く事にした。


「なぁ、何か欲しいものあるか?」


「きのこの森!」


「お前………きのこ派か…!?」


「そうだけど?」


「許せないな…!俺はたけのこ派なんだよッ…!」


「いや、きのこの方がおいしいよ!」


「いんや、たけのこだね。統計的にはたけのこの方が多いからな。」


「ていうか、もうどうでもよくない?」


「なんだとこのガキが!」


「いや、僕魔王だよ!?」


「うるせぇ!知るかよ!」


「まぁまぁ、喧嘩は止めようよ……。」


「ごめん。でも今は大事な時なんだ。」


「え、えぇ…?そんなになの?」


「いや、そんなに大事な事じゃないでしょ?」


「え?そうなの…?」


「いや、大事だね。いくらお前でも、きのこ派なんて許せないなからな。」


「えぇ…?しょうもないなぁ…。」

このままだと埒が明かないので、一旦置いといて別の物を買うことにした。


「まずは……食料と水と……、あとはオモチャとかでいいかな。」


「おいおい。お前ずっと歯磨きやら寝袋やらが欲しいってうるさかったじゃねぇかよ。」


「あ、そうだった。忘れてたよ。でも、そんなの買えるお金残ってるの?」


「うっ。お前、何て事言うんだ!俺だってなりたくて貧乏になってんじゃないんだぞ!?」


「あっそ。だったら早く買ってよ。歯磨きと寝袋。」


「あぁ分かった!買ってやるよ!一番安いやつをなぁ!」


「大声で言うことじゃないよ!」


「知るか!てめぇが言ったんだろうが!」


「あんまりうるさくすると、追い出されちゃうよ?」


「あの…ちょっとよろしいですか?他のお客様の迷惑ですので、お静かにしていただけないでしょうか?」


「すいません。でもいま退いたら、この後どうなるか分からないので…。」


「ああそうですか。じゃあよそでやってください!」

こうして3人は、店を追い出されてしまった。


「だから言ったじゃん!もうっ!」


「はは、やっちまったな。」


「ねぇ2人とも、最近喧嘩が多くなったよね。何かあったの?」


「いや、ジェダがキレ気味なだけだよ。」


「いや、最近ストレスがたまっててさ。」


「それって、私のせい…?」


「何言ってんだ?そんなわけないだろ?」


「じゃあやっぱり、あの勇者の事だね。」


「そうだ。お前も分かっているだろ?」


「うん。やっぱりそうなんだね。」


「どういうこと?」


「アイちゃん、もしかして分からないのか?あいつは………。」


「あいつは………?」


「ふむふむ、君達、私の話をしているな?」

3人は振り返る。後ろに勇者がいた。


「っ!またかよ!」


「あぁまた来たぞ。そして今回は前回とは違う。今日は我が眷属を連れてきたのだ!」


「?」


「はっはっはっ!そうか恐ろしいか!まぁ気にするな。誰しもそうなのだからな!出でよ、わが眷属、

スラムー!」


「むー!」


「………君は、スライムなの?」


「そりゃそうだろ!ミサキ、お前馬鹿なのか!?」


「ほう。君はミサキと言うのか。奇遇だな。私の友人にもその名前の者がいる。」


(いや、どうでもいいし…。)


「まぁよい。スラムー、そこのお嬢さん以外の全員をやってしまえ!」


「むー!」


「な、何をする気だ………!?」

スラムーの体が、謎の光に包まれる。4人は咄嗟に目を瞑る。次に目を開けたとき、彼らの前には、先ほどのスライムとは思えないほど、巨大な魔物がいた。


「な、あいつ…!上位種だったのか!」


「上位種?」


「あぁ。どんな魔物にも通常よりも優れた個体が生まれる事がある。それが上位種なんだ。」


「へぇ…。つまりヤバい…ってコト?」


「あぁ。そうなるな。しかもアイちゃんも気絶してるから逃げることも出来ない。」


「マジで!?ってことは、僕らでこいつを倒さないと駄目ってこと!?」


「そうだ…よく分からんがやるしかねぇ…!」

          続く

※彼らは町中で戦っています。

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