第4話感想
今回は3話目までの”完璧な構成”とやや様子が変わり、
この漫画の「綻び」が見え始めた回だった。
ただ、”問題の箇所”について触れる前に、まずは”良かった所”から挙げておきたい。
今週も十分に楽しめる内容であったのは間違いないからな。
最初に注目したいのは、大喜利の題材となる対象を、
二人が実際に体験するという”フォーマット”が確立されつつある点だ。
これは連載作品としての意識がうかがえる構成であり、
ひとまずは今後の展開に幅を持たせることができていると感じた。
もちろん、それだけでは”マンネリ”の懸念もある。
だが、それに先んじて、しっかりと”布石”も打たれていた。
──”新キャラクター”の登場だ。
喫茶店のマスターである「なっつ」こと赤羽ナツ。
彼女の姿を見て、俺が真っ先に考えたのはその”モチーフ”についてだった。
くらげとミメイは、それぞれ名前に「海月」、「梟」と含まれており分かりやすい。
しかし、赤羽ナツに関しては直接的な手がかりがなく、こちらで推測するしかない。
俺は”動物学”に明るくはないが、必死に頭をこねくり回した。
まず「赤羽」と聞いて連想したのは鳥だ。
赤い鳥といえば、合唱曲の定番である『翼をください』か、
ヌートバーでおなじみ「セントルイス・カージナルス」のマスコットを思い出す。
だが、カージナルスの鳥の冠羽と赤羽ナツの頭部の形は一致しない。
彼女の髪型は、角が二本あり、それは”鬼”のようにも見える。
もしかすると、早々に見せた”涙目の表情”からして、「泣いた赤鬼」なのではないか──
そう性急に結論づけかけたとき、俺は彼女の”耳飾り”に気づいた。
──その形がかたどっているのは「ドラゴンの羽」だ。
口を開いた赤羽ナツをよく見ると右側に”八重歯”があり、
それが「牙」に見える。間違いないだろう。
なるほど──二本の円錐は角ではなく「耳」だったのか!
「赤い竜」といえば、やはり頭に浮かぶのは”ウェールズの国旗”だろう。
赤羽ナツの髪色は、2色のグラデーションになっているように見える。
モノクロームの誌面ではその色を確認できないが、
『SAKAMOTO DAYS』の赤尾リオン・晶のように、
名前から「ズラし」が施され、”赤ではない色”が設定されている可能性もある。
もし今後、”カラーイラスト”が描かれて、彼女の髪が”白”と”緑”だったとしたら──
そのときこそ、俺の「ドラゴン説」が正しかったことになるぞ!
・・・と、ここまで考えて赤羽ナツの”ラジオネーム”を見ると、
そこには「バットばつ悪」の文字が。
──彼女は「コウモリ」でした。
さて、”ヴィジュアル面”について語れるのはこれくらいだな。
正直、赤羽ナツの顔の造形はくらげと大きな違いがなく、
ヤマノエイも”描き分け”は”不得手”なのかと思わされた。
それはともかく、俺が評価しているのは、この新キャラクターの”立ち位置”だ。
赤羽ナツはくらげやミメイと同じ”大喜利投稿者”であり、
若い二人を見守り導くという”役割”を果たしていた。
ここで”サブヒロイン”を投入してこなかったのは”良い判断”だ。
あくまでこれまでの展開通り、
この漫画が「ラジオをテーマにした一対一のラブコメディ」として
進んでいくことが明確になり、安堵した。
くらげは「リスナー甲子園」の出場者たちと知り合いであるとのことだったので、
今後はその方向から登場人物を増やしやすくなっている。
読み切り版でメインキャラクターだったお笑い芸人も、顔を見せる可能性があるだろう。
”境遇の異なるキャラクターたち”との”化学反応”によって、
”一本調子”になりがちなストーリーに”変化”を与えられるし、
くらげの”さらなる魅力”を引き出すこともできる。
それ自体は”望ましい展開”だ。
だが、今回に関して言えば――それは少し”失敗”だったかもしれん。
というのも、赤羽ナツは、見学に来た二人をそのまま従業員として働かせたわけだが、
くらげの”ウェイトレス姿”にテンションが上がったのも束の間、
俺は、冒頭に述べた通り”残念な展開”を目の当たりにすることになったからだ。
描写されたのは、普段と変わらずボケ倒す接客態度のくらげ。
・・・これには”ガッカリ”だ。
一瞬、真面目に注文を取っているかのような”フェイント”を入れてきただけに、余計にな・・・
今回の話は「楽しむこと」を主題としているようだが、
”ふざけること”とは決して同義ではない。
くらげは、その”線引き”を履き違えている節がある。
リスナー仲間や学校の友人とは違い、
関わりの薄い相手にまで自由気ままに振る舞うのは、如何なものか。
今までは特に気にならなかった”うなぎポテトのネタの面白くなさ”にも、
今回は”苛つき”を覚えてしまった。
もっとも、直後にミメイがその違和感を指摘し、
赤羽ナツも「客はくらげを知っている常連」だとフォローを入れていたため、
このシーンに関しては”減点”とはしない。
どんな漫画にも”欠点”はあるものだ。
「0か100か」の”白黒思考”で、
少しでも気に入らない要素があるたびに作品を見限るのは、
あまりにも”もったいないこと”。
そんな姿勢では、一生、自分にとって”本当に楽しめる漫画”には出会えないだろう。
だから、アンケートは1位で入れさせてもらった。
ただし、今後も今回のような描写が続くようであれば、
俺はくらげへの興味を失うことになるかもしれない。
そんな”恐ろしい未来”がちらついてしまったエピソードだった。




