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ep.14 世界史

 2時間目の授業は世界史のレクチャー。


 これは面白いことに、世界の始まりが、あるテキストからはじまってるってことから、はじまる歴史だったんだ。


 へえ。


 この世界は紙から作られたんだぁ。


 ある日、紙の中に、はじまりの神様が、すべてのはじまりの星を描いたんだってさ。


 そこから、宇宙に星が広がって、この世界が出来て、この世界の星であるラルサが出来たんだって。


 ラルサは宇宙進出とかはしていない、惑星だけで出来た世界で、その中に、いくつもの大陸があって、それから、送り人っていう、他の別次元から来た人が、文明をラルサに送って、文明が発展して来たらしい。


 なるほど。乙女ゲームなのに、深い設定だよ。


 そこから、いくつもの4つの大陸の中で、戦争やらなにやら色々あって、その中で、僕らは、一応平和な世界である、この、ラーマヤーナ王国で生きている。ラーマ・ヤーナっていうのは、はじまりの国っていう意味で、この大陸のラーマ・シーナがはじまりの島という意味で、その大陸の古代言語で成り立っているわけらしい。


 王国は42代続いていて、平和に保たれているらしい。


 けど、ときどき、突然変異みたいに、魔王が産まれて、大陸を襲ったり、王国を襲ったり、それは災害として捉えられているんだけど、ね。


 まあ、僕は実は、物語の後半になると、魔王になるらしいんだけど、


 魔王っていうのは、邪悪な力を持ち過ぎた人間で、必ず、その力のせいで暴走して、国に大きな災害を与えるらしいよ。


 おいおい。僕、大丈夫なのかな?


 これはひとつ課題として、僕の魔王封印のイベントもこなさなきゃならないと思ったよ。


 そう考えたら、隣の席で、ツンツン、サキが僕に紙を寄越して来たっ。


『今、魔王のこと聞いたの。ただ、力があるだけじゃなくて、暴走するみたいだけど』


 僕は紙にメモを書いて、すぐさま、サキに返す。


『それは僕も思ったよ。ちょっとヤバいかな? サキッ』


 むふふ。


 なんていうか、そんな場合でもないのに、妙にトキメいてしまった。


 憧れたことあったよねぇ。


 すごい美少女と、授業中に紙で、ナイショのやり取りするの。


 それが、サキという、トップアイドルで、僕の妻になる予定の女の子となると、すごく感激もひとしおだ。あー、なんか、僕、今青春してるな~。


 異世界さいっこう!


 おっ、そう言ってる間に、サキからまた丸めた紙が届いた。


『でも、魔王封印イベントってあるみたい。なんか物語の後半で、ゆきちゃんが、魔王封印の力を持つようになるみたいだから。それで魔王の力の暴走を止められるわ』


 なるほど。それは、ちょっとゆきちゃんを使って、早めに魔王の力を封印した方がいいかも知れない。


 イベントのことを考えたら、記憶がちょっと浮き上がって来た。


 僕のこういう記憶は、たぶん、神が送ってきてるみたいだ。なんか攻略情報みたいのが、便利にあるはずのない記憶に浮かび上がるんだよね。


 便利~


 なるほど。最後の祠っていう、学園にあるダンジョンを、ゆきちゃんと二人でクリアすると、魔王の力を封印できるようになるのか?


 これは、本来のヒロインであるゆきちゃんに相談して、早めにイベントクリアしないとな。


 まあ、それも、僕は本来、プレイヤースキルがあって、冒険者としては結構自信があるんだっ。


 よしっ。今週中にでもちゃっちゃとクリアして、魔王の力の暴走を完全に止めるぞっ。


 それよりは、今は、シャラナータさんの結果が気になる。どうなったんだろうか? 試験の結果は?

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