ep.12 ベッドタイム
ベッドタイムのその日、僕は勢いこんで、サキをベッドに押し倒そうとして、張り手を食らうことになった。
バッシーーーーン!!!!
うぅ、いたい。なぜだぁ。
思わず、顔に涙を浮かべる僕に、サキは、腰に手を当てて、きれいな笑顔で答えた。
「ちょっと、私たち、15歳で、まだ、そういうの早い年齢でしょう。結婚するとはいえ、そういうのは、ちゃんと順序を守って、順番に仲良くなって、やって行くべきだと思うの」
そうは言うけど、とほほほほ。
僕は半分涙目で、ただ、がっくりと肩を落として、ため息をついた。
はぁ・・・。
せっかくサキと両親公認の仲になって、これから、楽しいうししタイムになると思ってたのにぃ。
サキは、きれいな笑顔で、小首をかしげて、僕に笑いかけた。
「ふふふ。ごめんね。悪業くん。私も悪業くんと妻になるって決まったし、ただ、まだ、もうちょっと時間をちょうだい。私たち、徐々に仲良くなって行きましょうよ。だから、まずは・・・・」
ちゅっ
サキの唇が、ぶるるんと震えて、僕の頬に触った。
その感触はすごく気持ちよくて、僕は、産まれてから初めて、女性からキスをもらえた感動に震えた。
女の人の唇って、すごくやわらかくていいよね?
なんていうか、キスをしてもらって、すごく、感動的で劇的なやわらかさを感じる。
その感触を抱きしめて、どこまでも、大切に大切に持って行けるなにかが、それにはあると思う。
だから、僕は、そりゃ、エッチしたかったけど、その感動で、今日は胸いっぱいになったんだ。
僕と、サキはこれから長い人生を送って行くしね。
エッチは通過点として、そこから、闇の世界を二人で作って、ものすごい好き放題をするという目標を共有している。魂の片割れみたいなものがあるんだ。
だから、そこから、巨大なベッドに二人で大きな枕をひとつにして、眠りについて、そこで、手を二人で絡め合って、朝を迎えたんだ。
その日の夢見はすごく良くて、夢の中でも、サキは僕にキスをしてくれた。
サキはトップアイドルで、僕にとっては夢のような存在だった。でも、そのサキと、一緒のベッドに二人で寝ている。
この感動は忘れられない。
さあ、やる気を出して行こう。これから、また、今日が始まる。僕らの世界征服ははじまったばかりなんだ。
がんばっていきまっしょーーーーーい。