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第7話 おっぱい揉む?

「私が...太郎を元気づけてあげる!」


「え?」


太郎は驚いて花子を見る。花子の目が決意に満ちていた。


「おっぱい揉む?」


「はぁ!?」


太郎の声が屋上に響き渡る。顔が瞬時に真っ赤になる。


「お、おい、花子...何言ってんだよ」


花子も自分の言葉に驚いたように、顔を真っ赤にしている。


「ご、ごめん!つい口走っちゃった...」


二人は互いの顔を見られず、そっぽを向き沈黙が流れる。


「あの...」太郎が恐る恐る口を開く。「今のは...冗談だよな?」


「うん...」花子も小さな声で答える。「そう言ったら男の人は元気出るって...」


再び沈黙。夕陽が二人の赤い顔をより赤く染める。


「でも...」花子が小さな声で続ける。「太郎が...本当に触りたいなら...」


「えっ!?」太郎は思わず声を上げる。「ま、まさか...本気じゃないよな?」


花子は俯いたまま、小さく頷く。


「だって...太郎、すっごく落ち込んでて...」花子が恥ずかしそうに言う。「私にできることって...これくらいしか...」


太郎は困惑と動揺で頭がパニックになりそうだった。目の前で友達が自分の胸を触っていいと言っている。これは夢なのか現実なのか、もはや区別がつかない。


「お、おい...マジかよ...」


太郎が震える声で言う。花子はまだ顔を上げられずにいる。


「う、うん...」


花子の声も震えている。


太郎は深呼吸をして、なんとか冷静になろうとする。


「待て待て、落ち着こう」太郎が必死に理性を保とうとする。「これは...おかしいだろ。俺たち、友達じゃないか」


「うん...そうだね」花子も少し冷静さを取り戻したように見える。「ごめん...変なこと言っちゃって」


「いや...」太郎も少し落ち着いてきた。「俺こそごめん。そんな風に思わせちゃって...」


二人は互いに苦笑する。


「でも...」花子が小さな声で言う。「ちょっとだけなら...いいよ?」


「えっ!?」太郎は再び驚いて声を上げる。「お、おい、まだそんなこと言ってるのかよ」


「だって...」花子が真剣な顔で太郎を見つめる。「言い出したの私だし...」


太郎は言葉を失う。花子の真剣な眼差しに、胸が締め付けられるような感覚を覚える。


「花子...」


太郎が呟く。花子はゆっくりと太郎に近づいてくる。


「ほら...」


花子が両手を広げる。太郎は固まったように動けない。


「い、いいのか...?」


太郎の声が掠れる。花子は小さく頷く。


太郎は震える手を伸ばす。花子の胸に近づく手。しかし...


「やっぱりダメだ!」


太郎が突然叫ぶ。


「えっ!?」今度は花子が驚いて声を上げる。


「こんなの...間違ってる」太郎が必死に言う。「花子は大切な友達だ。こんな風に...触るなんて...」


花子は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに決意に満ちた顔になる。


「え...?」


太郎が戸惑いの表情を浮かべる中、花子が太郎の手を取る。


「ほら...」


そう言って、花子は太郎の手を自分の胸に導く。


「うわっ!」


太郎は驚いて声を上げるが、手を引っ込めることはできない。柔らかな感触が手のひらに伝わる。


「どう...?」花子の声が少し震えている。「揉んでいいよ。」


太郎は言葉を失い、ただ固まったままだ。


「や、やっぱりヘンだよ、これ...」


太郎が小さな声で言う。しかし、手を離すことはできない。


太郎は勇気を出して手に力を入れる。



その時、突然校内放送が鳴り響いた。


「えっ!?」 「うわっ!」


二人は慌てて離れる。太郎は我に返ったように、急いで手を引っ込める。


「ご、ごめん!」


太郎が真っ赤な顔で謝る。花子も顔を真っ赤にしている。


「う、うん...」






長い沈黙が二人を襲う。








その沈黙を破ったのは花子だった。


花子は吹っ切れた表情で言った。「アイス食べに行こう!」


「えっ、今更?」太郎が驚く。


「うん!」花子が元気よく頷く。「さっきのは忘れて、友達としてちゃんと太郎を励ましたいの」


太郎は呆れながらも、優しい笑みを浮かべる。


「わかったよ。行こうか」


夕暮れの街を、気まずい二人の影が微妙な距離で肩を並べて歩いている。


アイスクリーム屋に着くと、花子は迷わずチョコミントアイスを注文した。太郎はバニラを選ぶ。


「ねえ、太郎」花子がアイスを舐めながら言う。「美咲のこと、まだ好きなの?」


太郎は少し考え込む。


「正直...わからないよ」太郎が真剣な顔で答える。「でも、さっきの屋上で...なんか、すっきりした気がする」


花子は嬉しそうに微笑む。


「そっか。よかった」


「花子のおかげだよ」太郎が照れくさそうに言う。「ありがとう」


花子の頬が少し赤くなる。


「う、うん...どういたしまして」


二人は静かにアイスを味わう。夕暮れの街を歩く人々を眺めながら、会話を続ける。


「ねえ」花子が突然真剣な顔になる。「無理やり告白させちゃってごめん」


「いいよ。決めたのは俺だから」


「ありがとう。これからもよろしくね。」花子が優しく微笑む。「大切な友達として。」


太郎は少し驚いた表情を見せるが、すぐに柔らかな笑顔になる。


「ああ、俺の方こそよろしく。」


二人は互いに視線を合わせ、くすっと笑う。


「よーし!」花子が突然立ち上がる。「じゃあ、明日からまた頑張ろう!」


「おう!」太郎も元気よく返事をする。


帰り道、二人は肩を並べて歩く。夕焼けに染まる街を眺めながら、太郎は心の中でつぶやく。


(花子...ありがとう)


新しい何かが、二人の間に芽生え始めているような気がした。それが何なのか、まだ太郎にはわからない。でも、きっといつか...。


夜空に、最初の星が輝き始めていた。


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